生活保護バッシング:【生活保護バッシング】生活保護の利用は“恥”なのか | リディラバジャーナル
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「ジャンパー事件」から2年、小田原市の改革
2019/7/5(金)
【生活保護バッシング】生活保護の利用は“恥”なのか
2019/7/5(金)
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「ジャンパー事件」から2年、小田原市の改革
2019/7/5(金)
【生活保護バッシング】生活保護の利用は“恥”なのか
2019/7/5(金)
構造化特集 : 生活保護バッシング
構造化の視点
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いまや社会的に定着してしまった生活保護への偏見。それに

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いまや社会的に定着してしまった生活保護への偏見。それにより、最低限の生活基準に満たない経済状況で過ごしているにもかかわらず、生活保護の利用を敬遠する人たちがいます。本特集では、生活保護の実態と課題、そして生活保護バッシングが発生する背景を「構造化」します。

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「もともと生活保護を受けることは、死ぬほど恥ずかしいことだと思っていたんです」――。

 

そう語るのは、1年ほど前から生活保護を利用している東京都内在住の男性(34歳)。

 

 

男性の経済状況は以前から苦しく、生活保護の利用は何年も前から頭の中をよぎっていたという。だが、ずっと利用をためらってきた。

 

「でも、もうどうしようもなくなったんです。それでいざ生活保護制度を利用してみると、こう言ってはなんですが、何のことはない。ただ一定期間の生活が保障されるだけの話ですから。だけど、『利用しよう』と思うまでのハードルがとても高かった」

 

いま、この男性が抱くような生活保護に対する“負のイメージ”は、社会に広く蔓延している。その背景には、何があるのか。 

 生活保護をめぐる“イメージ”と実態

2012年、芸能人の母親が生活保護を利用していたことが明らかになったことをきっかけに、数年にわたって生活保護に対するバッシングの嵐が吹き荒れた。

 

 

芸能人の母親の利用はいわゆる「不正受給」ではなかったが、バッシングの多くは「生活保護を不正受給している」と糾弾するものだった。

 

騒動から数年が経ち、生活保護バッシングを助長するかのような報道は少しずつ減りつつある。

 

しかし、生活保護制度に詳しい日本福祉大学の山田壮志郎准教授は「バッシング自体は沈静化しているが、それは生活保護に対するイメージが定着してしまったからではないか」と話す。

 

その“イメージ”とは一体どのようなものなのか。

 

一例として、山田准教授が行なった生活保護に対する市民感情を調査したデータがある。

 


山田壮志郎(2015)「生活保護制度に関する市民意識調査」をもとに編集部作成。

 

上表の「濫給」とは不正受給に象徴されるような本来利用すべきではない人にまで生活保護が適用されることを指し、「漏給」とは必要な人に生活保護が適用されないケースを言う。

 

「A. 必要な人が受けられないようなことがあったとしても、生活保護の適用はもっと制限するべきである(濫給防止)」「B. 必要のない人が受けてしまうことがあったとしても、生活保護の適用はもっと拡大すべきである(漏給防止)」の2つの考えを示し、AかBのどちらに近いか、7段階で回答を得たものが上表だ。

 

数として最も多いのは中間の4だが、1〜3の「濫給防止」を合計すれば最も大きな割合を占める。一方で、5〜7の「漏給防止」は「濫給防止」の3分の1にも満たない。

 

このデータからは、生活保護の適用は拡大されるべきではなく、より制限するべきであるという市民感情がうかがえる。つまり、生活保護を利用していない人よりも、生活保護を不正に利用している人を問題視するべきという考えだ。

 

こうした市民感情に対し、「濫給」の代表例とされる不正受給の実態は金額ベースでは全体の0.4%とされる。一方、「漏給」という生活保護の利用率は20〜40%と、利用すべき生活水準で暮らしている人のわずか3分の1しかカバーできていない。

軽視される生活保護

2017年度の生活保護利用者数は約214万人で減少傾向にあるが、利用世帯は164万世帯と、過去最多を更新している。

 

 

受け取る年金が少なかったり、病気や障害で働けなかったり、母子家庭で収入が少なかったり……そうしたとき、憲法が定める「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するものとして、生活保護制度がある。

 

だが、「健康で文化的な最低限度の生活」の基準を下回る生活を送っているにもかかわらず、生活保護の利用にためらいを感じている人は多い。

 

「(生活保護の利用を)子どもに知られたくないから」「国の世話になりたくないから」「(利用することは)死ぬほど恥ずかしいことだから」――。

 

それらの人々は生活に困窮したまま放置されてしまっている現状があり、自死に追い込まれたり、人知れず亡くなるケースも決して少なくはない。

 

そんな現実がある一方で、“最後のセーフティーネット”と呼ばれる生活保護をめぐる問題は一般的に「社会問題」と認識されているとは言い難い。

 

2016年に厚生労働省が公表した社会保障における意識調査報告書によれば、「今後、充実させるべき社会保障分野」で「その他」や「不明」という選択肢を除いて男女ともに「生活保護」が最も低い。

 

厚生労働省「平成28年 社会保障を支える世代に関する意識調査報告書」をもとに編集部作成。

 

生活保護利用の半数以上を高齢者が占めていることから、上表で男女ともにトップの「老後の所得保証(年金)」をはじめ、あらゆる社会保障の充実は欠かせない。

 

だが、こうしたデータで顕著に見られるような生活保護制度への軽視は、これまでのバッシングが下敷きになっている側面もあり、生活保護の利用へのためらいにつながっている。

 生活保護バッシングの構造とは

今回の特集では、「生活保護バッシング」について取り上げる。

 

生活保護バッシングと、それによって本来必要としている人が生活保護の利用をためらう構造は、次のように表すことができる。

 

 

生活保護をためらわせる要因として大きいのが「生活保護バッシング」であり、その土壌はメディア報道によって作られている側面もある。

 

ニュースとして報じられるがゆえに、「漏給防止」ではなく「濫給防止」にフォーカスが当たりやすい。だが、不正受給とされる利用のその内実も「不正」という言葉にはそぐわないケースも数多くある。

 

これらの実態とその構造について、11回にわたる記事でお送りしていく。

 

第1章 生活保護バッシングによって生じる弊害

 

 

 第1回【「恥ずかしいことだと思っていた」、ある生活保護利用者の告白】では、生活保護利用者へのインタビューから、生活保護をめぐるバッシングや偏見をどう感じているのかを浮き彫りにする。

 

第2回【生活保護への偏見を助長している? メディア側の事情】では、生活保護バッシングを行う番組を取り上げて問題点を指摘し、番組制作者にその裏側について聞く。

 

第3回【ある調査が示す、生活保護に対する市民感情の実態】では、生活保護制度に対する市民意識についての調査結果から、研究者の見解を交えてイメージの実態を探る。

 

第2章 「イメージ」で語られがちな生活保護の実態

 

 

第4回【生活保護、不正受給における「不正」の内実】では、不正受給の内実について検証。何がどのように「不正」とされているのかについて明らかにする。

 

第5回【“権利”か“恩恵”か…生活保護に対する認識が生む弊害】では、生活保護の利用を“恥”だとする議員発言に触れながら、先進国のなかでも低いとされる捕捉率を浮き彫りにする。

 

第6回【生活保護、利用に立ちふさがる“もう一つの壁”】では、生活保護利用者の体験談を交えて、水際作戦と言われる行政対応の実態を探る。

 

第7回【自死する利用者も…生活保護現場における疲弊】では、水際作戦と言われる対応の背景にフォーカス。その実態について浮き彫りにする。

 

第3章 「ジャンパー事件」から2年、小田原市の現在

 

 

第8回【「生活保護なめんな」小田原ジャンパー事件を振り返る】では、小田原ジャンパー事件を振り返り、当時の認識や対応について当時の職員たちに聞く。

 

第9回【「生活保護なめんな」小田原ジャンパー事件の背景にあったもの】では、小田原市に批判とともに寄せられた“応援の声”とその背景について考える。

 

第10回【生活保護“ジャンパー事件”から2年、小田原市の改革】では、事件以降、小田原市がどのような改善をし、どんな効果をあげているのかを検証する。

 

第4章 安部コラム

 

 

第11回【リディラバ安部が考える「生活保護バッシング問題」】では、リディラバジャーナル編集長の安部が、本特集を振り返りながら、生活保護バッシングにおける現状や課題について改めて考える。

 

 


構造化特集 : 生活保護バッシング

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生活保護バッシングが生む弊害
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イメージで語られがちな生活保護の実態
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「ジャンパー事件」から2年、小田原市の改革
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安部コラム
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