外出自粛のいまこそ、考えたい。DV(ドメスティック・バイオレンス)の構造 | Ridilover Journal(リディラバジャーナル)
いまこそ学び直し!あべとしきと考える社会問題の構造20
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2020年4月。新型コロナウイルスの感染拡大により、すべての人が、ひとつの社会問題の「当事者」となりました。不安に溢れる今だからこそ、困難な状況にある人たちへの想像力をもち、社会全体で「やさしい関心のセーフティネット」が築けたら――そんな思いで、私たちリディラバは、4月5日から毎日毎晩、社会問題に関するオンライン勉強会「リディズバ」をスタートしました。 熱量あふれる勉強会のようすを、記事と動画でお届けします。
2020/5/9(土)
外出自粛のいまこそ、考えたい。DV(ドメスティック・バイオレンス)の構造
2020/5/9(土)
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外出自粛のいまこそ、考えたい。DV(ドメスティック・バイオレンス)の構造
2020/5/9(土)
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新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で、家にいる時間が増え、家庭内暴力/DV(ドメスティック・バイオレンス)の増加・深刻化が指摘されています。


この問題の背景には、暴力を受けても「こういうものだ」「しょうがない」と、被害者側がその状況に順応してしまったり、加害者側も「このぐらいやっても、許容範囲だろう」と、暴力の容認ラインを広げてしまったり、構造的な問題をはらんでいます。


今回は、語り手・安部敏樹(あべとしき)とともに、DVの背景にある、問題の構造に迫っていきたいと思います。

 

 

※上記ダイジェスト動画・本記事は、リディラバ主催のオンライン勉強会「リディズバ」第10回(4/14開催)を要約・編集したものです。

※動画全編は記事末尾にあります。リディラバジャーナル有料会員の方、もしくは有料会員の方によるシェアURLから記事をご覧いただいている方は、ご視聴いただくことができます。新規ご登録はこちら

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DVの被害者は、必ずしも女性だけではない、と知っておこう

DVは言葉通りで言うと「家庭内暴力」ですが、日本では「配偶者や恋人など親密な関係にある、またはあった者からふるわれる暴力」という意味で使われることが多いです。近しい関係性にあることで、暴力がうやむやにされてしまっている状況もよく見られます。

 

その背景には、日本という国において根強い「家族主義」があると思っています。主義と言うとモヤっとして聞こえるかもしれませんが、日本ではこの「家族主義」が、さまざまな法制度・社会システムの中に埋め込まれています。

 

DVの問題を見ていく前にひとつ言及しておきたいのが、被害者は、女性だけでなく男性もあり得るということです。男性にまつわる社会問題というのは、「男らしさ」を求める風潮が強くあるがゆえに、非常に可視化されにくいんですよ。

 


「男女共同参画白書 平成30年版」配偶者からの被害経験に基づき編集部作成。

 

「男性だったら大丈夫でしょ」という前提に立つがゆえに、覆い隠されている問題ってたくさんあります。


過去のリディラバジャーナルの特集の中に「男たちの『#Metoo』」というテーマがあるんです。「男性の性被害」ですね。男性の性被害は、たとえば学校の中とかで行われるんですね。先生から、同級生から、先輩から。

 

こうした実態が、統計的なデータに出てきづらい。これはね、男性側が言いづらいんですよ。「まさか自分が被害者になるなんて」と思う。でもこれ、DVでも一緒なんです。被害者になるという視点があんまりないんですよ。


割合としては多くないけれども、女性だけでなく、男性も被害者になり得るということです。そして、女性も加害者になり得る。まずはそういう前提で、この問題を考えてもらえたらと思います。


※本記事では、女性の被害者が多いことから、女性を被害者と想定している箇所があります。

DV被害はなぜ起こり続け、なぜなくならないのか

一番のポイントは、女性の側が暴力に順応してしまうということなんです。まあ、こういうもんだとか、しょうがないんだとか、そういうふうになってしまって、それを問題だと指摘するとか、だれかに助けを求めるというわけでもなく、そこに順応してしまおうとする。そういった特徴があります。

 

それに加えて、女性の側は経済的な不安がある。経済的に自立をしていないがゆえに、ここで暴力を告訴したところで、その後どうやって自分は生活をしていけばいいんだろうという不安があります。特にお子さんがいる場合は、両親がそろっていた方がいいんじゃないか、という思考になりがちです。

 

また、暴力が終わったあとに加害者から「もうやらないから」「おまえのためだ」と言われると、「もともと好きな相手だから」と、どうしても期待してしまう。それで「暴力」と「順応」という構造ができてしまいます。

 

一方で、加害者側にもむずかしさがありまして、「このぐらいだったら(暴力をふるっても)大丈夫だろう」と、暴力の容認のラインを広めに取ってしまっていることがあります。

 

その原因としてよくあるのは、子どものときに親が暴力をふるっているのを見ていたケースです。皆さんの中にも、父親が母親に加害をしているのを見たことのある人が、一定数いるかもしれません。


親のDVを見た経験から、他人への暴力を許容してしまうようになったり、不安障害やひきこもりになってしまったりする……そう指摘する専門家もいます。


子どものときに見たDVの経験を、親になってもそのまま引き継いでしまい、加害してしまう。このループを繰り返してしまうんです。

エスカレートする家庭内暴力をどこで食い止めるか

DVって直接的なトリガーが存在しているようなイメージがあるじゃないですか。実は、トリガーはかなり見つけづらいです。


たとえば、このコロナの状況下で、家族そろってみんなで家にいるときに、子どもがテーブルにお皿を強く置いてしまった、この音が耳障りだったから、最終的に手をあげてしまった。そうした些細なこともトリガーになりうるんですよ。


そして、子どもはトリガーを学ぶんですよね。ああ、こういうふうにやったらお父さんは怒るんだ、と思って、なるべくやらないようにするんだけど、問題の根本はそこじゃないでしょう。結局そのトリガーの背景に、決壊直前のダムみたいな状態があるということなんです。

 

その決壊を抑え込むには、地域コミュニティの存在が大事だと思っています。

 

たとえば、親が子どもを殴っちゃって、でも本人としては、しつけという文脈でやってます、みたいな家庭があるとします。こうした家庭は、地域のコミュニティになじんでいくと、だんだん落ち着いてきたりする。


「それはちょっと殴んない方がいいんじゃない?」という感じで、批判までいかなくても、周囲からの目線が入ってくる。すると、やっている本人もブレーキをかけやすくなるし、子どもも逃げやすくなる。


DV加害者更生プログラムの中には、認知行動療法(※)をベースにしているものがありますが、こうした地域コミュニティがあると、認知行動療法を住民みんなで担保し合う状況に近づいていくんですよ。


専門家の人が、ひとりの加害者に対して、一対一で更生プログラムをやっていくのってめちゃくちゃコストがかかって、それを完璧に行きわたらせることってむずかしいんです。


それを担保するのは、コミュニティのひとつの役目なんじゃないかと思いますね。

 

※認知療法・認知行動療法:人間の気分や行動が認知のあり方(ものの考え方や受け取り方)の影響を受けることから認知の偏りを修正し、問題解決を手助けすることによって精神疾患を治療することを目的とした構造化された精神療法。(NPO法人認知行動療法推進協会HPより)

 

(動画全編につづく)

 

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【オンライン勉強会「リディズバ」第10回(4/14開催)】

・テーマ:「60分でゼロからわかる!」DV(ドメスティック・バイオレンス)の構造

・語り手:安部敏樹

・時間:約67分間

 

▼動画全編▼

 

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