• 新しいお知らせ
    ×
    • 「小児性犯罪」加害者臨床の現場から 後編を公開

      「加害・被害を防ぐには?“包括的性教育”が与える影響——『小児性犯罪』加害者臨床の現場から(後編)」を公開しました。「性の教科書はAVでした」と語る、ある少年事件の加害者。加害・被害を防ぐアプローチの一つである包括的性教育の重要性に迫ります。記事はこちらから。

      2024/4/16(火)
    • 前編公開!「小児性犯罪」加害者臨床の現場から

      「1人の加害者から複数の被害者が…。発覚しづらい子どもへの性加害——『小児性犯罪』加害者臨床の現場から(前編)」を公開しました。性的グルーミング、その巧妙な手口とは?被害が発覚しづらい3つの理由とは?そして「被害が次の被害を生んでしまう構造」とは?記事はこちらから

      2024/4/10(水)
いまこそ学び直し!あべとしきと考える社会問題の構造20
2020年4月。新型コロナウイルスの感染拡大により、すべての人が、ひとつの社会問題の「当事者」となりました。不安に溢れる今だからこそ、困難な状況にある人たちへの想像力をもち、社会全体で「やさしい関心のセーフティネット」が築けたら――そんな思いで、私たちリディラバは、4月5日から毎日毎晩、社会問題に関するオンライン勉強会「リディズバ」をスタートしました。 熱量あふれる勉強会のようすを、記事と動画でお届けします。
公開日: 2020/6/10(水)

誰しもが「当事者」に。安部敏樹が答えるコロナでの「困りごと」大相談会

公開日: 2020/6/10(水)
公開日: 2020/6/10(水)

誰しもが「当事者」に。安部敏樹が答えるコロナでの「困りごと」大相談会

公開日: 2020/6/10(水)

新型コロナウイルスの感染拡大により、誰しもがコロナ問題における「当事者」となった今日、「誰に相談したらいいのかわからない」、「どうすれば解決するのか糸口が見えない」といった行き場のない悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。


リディラバでは、誰にも打ち明けられないけれど重要な困りごとをみんなで一緒に考える「困りごとプロジェクト」を立ち上げました。これは、賛同してくださる皆さんとコミュニティを作り、ざっくばらんに募集したコロナでのお悩みについて、解決の糸口をともに探るプロジェクトです。


今回はその第1弾として、医療・教育現場での問題や、育児をしながらの在宅勤務、家族のあり方といった問題の乗り越え方について、語り手・安部敏樹(あべとしき)とともに考えていきます。

 

 

※上記ダイジェスト動画・本記事は、リディラバ主催のオンライン勉強会「リディズバ」第27回(2020/5/1開催)を要約・編集したものです。

※動画全編は記事末尾にあります。リディラバジャーナル有料会員の方、もしくは有料会員の方によるシェアURLから記事をご覧いただいている方は、ご視聴いただくことができます。新規ご登録はこちら

(非会員の方でも、シェアURLから1週間無料で該当記事を読むことができます)

語ることの罪、語らないことの罪

 

困りごとプロジェクトへ寄せられたご意見:
「発言の自由がなくなったように感じる。冗談も言いにくくなってしまった。芸能人も炎上してしまうこともあり大変そう。」

 

最近では特にポリティカル・コレクトネス(言語表現や創作物、社会制度などからあらゆる差別をなくすべきだという考え方のこと)が、過度に厳しい風潮も感じますよね。


誰かを傷つける発言をしてはいけない。これはもちろん大事である半面、どうしても溜まってしまう“毒”の部分をどう吐き出したらいいのかは、本当に難しい問題ですね。

 

以前、岡村隆史さんが「コロナによって貧困状況に追い込まれた女性が、性風俗店で働くことを望んでいる」といった内容の発言をし、話題になりました。発言内容が不適切なことは間違いないものの、その言葉狩りをする風潮も怖いなと感じましたね。


それに伴って、リディラバジャーナルの構造化特集「性風俗」も再び注目されました。なんでもかんでも叩こうとするのではなく、議論の前にまずは知識を蓄えようとする動きがあったのはありがたかった。


悪意のある発信はもちろん許されません。ただ、問題が語られない、発信されないことで、触れづらい領域により触れづらくなってしまうこともある。問題そのものが忘れられてしまい、補償支援の対象から漏れてしまうこともあったりします。


「語ることの罪」と「語らないことの罪」、両方の側面を理解した上で、問題について少しずつ話したり共有したりしていくことが大事ですし、これは芸能人に限らずあらゆる人に求められる力ですね。

 

また、いまの芸能人にとって政治や社会問題はセンシティブな領域であり、知識がない中で影響力を持って社会的発言をするとたたかれるので、言及するリスクに対してメリットがないと感じてしまっている側面もあります。


しかし、そういった影響力を持つ人たちが発信することで、問題の認知につながることもあると思うんです。今後、影響力を持つ人たちが発信しやすい世の中を作ったり、知識面での支援をしてあげることも重要だなと感じています。

「あるべき論」ではなく、小さなストレスや悩みを打ち明けられることの重要性

 

困りごとプロジェクトへ寄せられたご意見:
「恋人と逢えない、逢うのが困難になっている状況を、「(いま現在)家族じゃないんだから仕方ない」「家族にしてもらえてない(法律婚していないことを指しているようです)んだから、その程度」と指摘されるのがツラいです。「家族が最後の砦」「優先順位トップは家族」というのは嘘ではないでしょうが、ここぞとばかりに一夫一婦制と法律婚を正当化されても…と思います。そんなに家族が最高の絆なら「世帯主一括振込」に断固反対!する法律婚妻たちは、何なんでしょう。」

 

家族主義をベースとする法律婚が聖域としてあるがゆえに、その枠にあてはまらないパートナーや同性婚が認められていないカップルなどは、家族としては不適切という風潮になってしまい、有事の際に障壁となることが増えてしまう。


たとえば、何十年も連れ添っているパートナーの一人が集中治療室に入ってしまったときに、法律婚をしていないがゆえにもう一方のパートナーは同席を許されず、死に際に立ち会えないといったこともあるんです。


「家族」という形を一つの枠で決め込みすぎていて、それ以外を排除しようとする動きが根底に広がってしまっている感じもありますよね。

 

また、逆のパターンもあって、「家族だからこうあるべき」という枠組みで苦しくなってしまう家族もいるかもしれないですね。「家族なんだから家で子どもの面倒を見なければいけない」など、「べき」論を強く押し付けている側面もあるかもしれない。


すべてを100点満点でできる。それを当たり前にされると、苦しくてもまわりに助けを求める声をあげられなくなってしまいますよね。結果的に、まわりに相談したくても言い出せずに、抱え込んでしまうことも想像できます。

 

もし、周りからこういった悩みを打ち明けられたときは、まずは受け入れてあげることが大切です。もちろん、言いたいこともあるかもしれないので指摘することは悪いことではないと思いますが、相談している段階で悩んでいるわけで、まずは寄り添ってあげることが大事ですね。

自分の何気ない行動が、大変な渦中にいる誰かを救うことにつながっている

上記のほかにも、難民申請者の給付金問題、学生の経済苦、地方私立病院の経営難、医療従事者やその家族に対する差別など、身近なものからニュースでもあまり取り上げられていないものまで、幅広い相談をいただきました。


今回いただいた困りごとの多くに、「誰に相談していいのかわからない」「小さな悩みだから外に出してはいけないのでは?」という、みなさんの中での葛藤や孤独があったように思います。


確かにすべてを解決できるわけではないかもしれませんが、こういった問題は共有するだけで気持ちが楽になると思います。現に、社会問題の当事者であった自分の原体験としても、人に共感してもらえるだけで救われることがありました。

 

自分にできることは少ないと思っている方も多いかもしれません。しかし話を聞いたり、社会に広めたりすることが、実は当事者たちを救うことにつながっていると、ぜひ知ってほしいです。

 

また、医療従事者や教員など、コロナ対応の最前線にいる人たちの声を代弁してあげることも大切です。

 

変化のタイミングでは、誰しもがさまざまな問題の「当事者」であり、個別の体験に基づくいろいろな情報を持っていると思うのですが、これが全体に共有されることによって問題が解決したり、深刻な状況が緩和されたりする可能性があると思うんです。


どんな社会貢献ができるのか、わからなくなってしまうこともあるかもしれません。しかし個別の事例を聞くことで、自分の行動が誰かの支えになっている実感が持ちやすく、ますます協力したいと思えるようになることもあるのではないでしょうか。


いつも以上に日々感じている困りごとを社会に発信して、情報をシェアすることが、直接は知っているわけではない、大変な状況にある誰かを救うことになっている状態が広まっていったらいいですよね。

 

(動画全編につづく)

 

リディラバジャーナル有料会員の方、もしくは有料会員の方によるシェアURLから記事をご覧いただいている方は、以下の動画全編をご視聴いただくことができます。 ※有料会員の新規ご登録はこちら。(非会員の方でも、シェアURLから1週間無料で該当記事を読むことができます)

 


【オンライン勉強会「リディズバ」第27回(2020/5/1開催)】

・テーマ:コロナでの困りごと、みんなで考える大相談会

・語り手:安部敏樹

・時間:約75分間

 

▼動画全編▼

 

※リディラバジャーナルについてもっと知りたい方はコチラ
note
リディラバジャーナル編集部
noteのicon
動物の虐待摘発過去最多。「保護犬・保護猫」前進の裏で生まれる課題
2024年4月12日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず。

続きをみる
スクールカウンセラー約250人が雇い止め。子どもの心の健康を支える専門職なのに任期は1年?【ニュースから読み取る社会課題!リディラバジャーナル】
2024年4月4日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず。

続きをみる
依存症の人に必要なのは「反省や刑罰」ではなく「治療と仲間」
2024年3月29日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
「同性婚を認めないのは違憲」互いの違いを尊重できる成熟した社会へ
2024年3月18日

ニュースに潜む社会課題をキャッチ! リディラバジャーナル

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

続きをみる
能登半島地震、深刻なボランティア受け入れ態勢不足が課題
2024年3月8日

ニュースに潜む社会課題をキャッチ!リディラバジャーナル

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

続きをみる
学校の死亡事故の7割が国に未報告。求められる事故検証システム
2024年3月1日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
「思いこみ」も背景に?女性管理職への道を阻むもの【なぜ少ない?学校教育現場の女性管理職】
2024年2月23日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。こちらの記事の最後には、全文無料で読める!「学校経営の新時代、女性管理職の可能性 ~ロールモデル・取り組み事例資料集~」もご紹介しています。ぜひご活用ください!

続きをみる
旭川いじめ事件から3年。再発防止が進まない訳は…
2024年2月16日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
DVから逃げられなくなる!?「共同親権」このまま進めて本当に大丈夫?
2024年2月2日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
「被災地へボランティアに行くのは迷惑?」悩んでいる人にこそ読んでほしい!【3.11から学ぶ。構造化特集を全記事お届け!】
2024年1月12日

みなさん、こんにちは。リディラバジャーナルです。

1月1日、能登半島地震が発生しました。亡くなられた方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われたすべての方にお見舞い申し上げます。

続きをみる
市販薬を覚せい剤代わりにする若者たち。その背景には孤独孤立か?
2023年12月22日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
万引きを繰り返すのは手癖が悪いのか、それとも?「万引き依存症」をご存知ですか?
2023年12月15日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
大学進学は親の財力やきょうだいの数によって左右されていいのか?
2023年12月11日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず。

続きをみる
反ワクチン情報を流す医師がいるのはなぜ?【ニュースから読み取る社会課題!リディラバジャーナル】
2023年12月1日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
病院の約半数、公立病院は98%が赤字。診療報酬の引き下げは医療レベルの引き下げに?【ニュースから読み取る社会課題!リディラバジャーナル】
2023年11月24日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
構造化特集「地域医療」の内容を一部公開します
2023年6月9日

みなさんこんにちは、リディラバの鈴木です!今回は、リディラバジャーナルで公開中の構造化特集「地域医療」の冒頭をこちらのnoteでも公開します。何かあったら病院で治療が受けられる。私たちの「当たり前」を維持するために、様々な課題を抱えながら尽力する医療現場の姿を知ってもらえたら嬉しいです。


続きをみる
6月の構造化特集「地域医療」への思い
2023年6月9日

この投稿はリディラバジャーナル会員限定のFBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。

******みなさん、こんにちは!担当した構造化特集「地域医療 超高齢化社会に必要な『撤退戦』」が本日より公開となりました!今日は特集内には書いていない、特集に込めた思いをご紹介させてください。

続きをみる
子どもの発達障害、構造化マップを公開
2023年4月16日

※この投稿はリディラバジャーナルの会員限定FBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。*****みなさん、こんにちは!!!リディラバジャーナルの井上です。

今週はとても嬉しいことがあったので、ご報告させてくださいm(_ _)m

続きをみる
構造化。テーマは「子どもの発達障害」
2023年4月7日

この投稿はリディラバジャーナル会員限定のFBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。******みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルの井上です。

早くも4月ですね。あっという間に過ぎ去る日々に「!?!?」という感じですが、今日も今日とて、リディラバジャーナルのご案内です。

続きをみる
編集部メンバーの想いを公開しました
2023年3月26日

※この記事はリディラバジャーナルの会員限定Facebookグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。******皆さん、こんにちは〜!

編集部の井上です。今日は、

続きをみる
「無戸籍」当事者の声を聞いてほしい。
2023年3月26日

※この記事はリディラバジャーナルの会員限定Facebookグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。ーーーみなさん、こんにちは!リディラバジャーナル編集部の井上です。

2〜3月は3年ぶりの構造化特集の復活ということで、「無戸籍」をテーマに構造化特集をお届けしてきました。

続きをみる
×
CONTENTS
intro
いまこそ学び直し!あべとしきと考える社会問題の構造20
no.
1
no.
2
no.
3
no.
4
no.
5
no.
6
no.
7
no.
8
no.
9
no.
10
no.
11
no.
12
no.
13
no.
14
no.
15
no.
16
no.
17
no.
18
no.
19
no.
20