「地域の課題は人口減少じゃない」 国・自治体・民間から見る「官民連携」のツボ
「地域の課題は人口減少じゃない」 国・自治体・民間から見る「官民連携」のツボ
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「ただでさえ多額の負債があるこの国で、全ての社会課題を『官』の力で解決するのは、無理があります」
内閣官房・内閣府時代に「地方創生」の立ち上げに貢献してきた現デジタル庁統括官の村上敬亮さんは、官民連携の必然性をこう語る。
人口が増え、経済が成長していた昭和の時代と、人口が減り、経済成長が鈍化したいま、課題解決のアプローチはどう変わったのか。
官民連携の難しさはどこにあり、官民それぞれにはどんな変化が求められているのか。
リクルートで不動産情報誌「スーモマガジン」の編集長を務めた後、大阪府四條畷(しじょうなわて)市の副市長を勤め、官民それぞれの立場を理解する林・小野有理さんをモデレーターに、国の立場から改革を進めてきた村上さんと、民間の立場から課題解決に取り組むリディラバ代表の安部敏樹が、これからの時代に求められる「官民連携」のあり方を議論。
「地域の課題は『人口減少』ではない」
「目の前の1人を救っているうちに、その先の10人を救えない社会になっている」
など、国・自治体・民間それぞれの立場で官民連携に挑んできた3人が、これからの官民連携のエッセンスを語った。
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「優秀な立候補者が増えても議席は増えない」
官と民の違いとは
林・小野有理 モデレーターを務めます、林・小野有理と申します。
リクルートで「スーモマガジン」の編集長などを経験した後、2021年の9月まで大阪府の四條畷市で副市長を務めておりました。
(林さん)
「官」と「民」それぞれを経験した立場として、お二人のお話をお伺いしていこうと思います。
では、「官」代表の村上さんから、自己紹介をお願いします。
村上敬亮 村上敬亮です。
1990年から30年以上、行政官をやってきまして、直近8年ほどは「地方創生」に代表されるような地域関連の政策に携わってきました。
今は、デジタル庁の統括官という役割をいただき、デジタル田園都市国家構想の実現という立場から、地方とデジタルを掛け合わせた仕事をさせていただいています。
この30年で、国も地方自治体も、役割が大きく変わってきたと感じています。
今日は名編集者の林さんにモデレートいただけるということで(笑)思う存分、官民連携についてお話できたらと思います。
林 プレッシャーがすごいですが…(笑)頑張ります。
では続いて、「民」代表の安部さん、自己紹介をお願いします。
安部 リディラバの安部敏樹です。
リディラバは、「社会課題を、みんなのものに」を掲げて、多くの人に社会課題を知ってもらうためのwebメディアやスタディツアーなどを行なっています。
知ってもらった次のステップとして、実際に課題の解決をやらねばということで、企業や省庁と一緒に事業立案や政策立案も行う中で、「どうやったらこの国に社会課題解決のマーケットを作れるのか」と思うようになりました。
今、日本のGDPは約550兆円ですが、うち110兆円ほどは政府支出が占めています。
すごく大雑把に言うと、110兆円の政府支出の大部分は社会課題解決のために使われています。
政府支出だけで考えても、社会課題解決はGDPの20%ほどを占める一大マーケットなはずです。
しかし、「民」側が社会課題解決にどんどん参入し、課題解決が進んでいるかというと、実際はそうでもない。
これまで課題解決の担い手だった「官」と、大きなマーケットを求める「民」が連携することで、「民」側の400兆円超がもっと社会課題解決に使われていくのでは、という問題意識で、このセッションを用意しました。
このまま、ちょっと新自由主義の話をしてもいいですか?(笑)
林 新自由主義?早速、安部さん節が全開ですが、ぜひ、お願いします。
安部 新自由主義とは、端的に言うと公共サービスを縮小、規制も緩和する「小さな政府」をつくり、市場原理に任せましょう、という経済思想です。
批判も多い思想なんですが、「官民の違い」について言及している部分はすごく的確だなと思ったんです。
一言で言うと、「官」はパイが増えない中で、限られた椅子を奪い合うゲームで、「民」はパイを増やしていくゲームだということです。
林 パイを奪い合うか増やすか、どういう意味でしょうか。
安部 「民」側は、マーケットに新たな需要を創造し、需要を拡げることで成長していきます。
一方で、「官」側は違います。
例えば、選挙で優秀な候補者がたくさんいたとしても、「議席を増やそう!」とはならないですよね。最初からパイが決まっていて、パイを誰が取るのか、パイを何に使うのか、という考え方になります。
両者の根幹にある違いが、官民連携を議論する上でのポイントになると思っています。
(安部)
村上 安部さんのおっしゃる通りで、「民」はパイを増やす、「官」は増えないパイを分配することをそれぞれ得意にしてきました。
ですが、日本社会において言えば、2008年を境に人口は減少を始めており、もうパイが増えないんですよね。
量的な拡大による従来型の経済成長が見込めなくなった日本において、「民」側がこれまでのように、量が増える前提でマーケットに向き合って競争をしていると、みんなで負けてしまう。
人口減で、パイが増えない社会をどう生き抜くのか、官民連携が求められる背景には、社会環境の変化があると思っています。
チラシ改善でがんを早期発見
官民連携の成功事例とは
林 人口減によって国内のマーケットは停滞する中で、これまで政府支出で対応してきた社会課題解決を、「民」側の新たなマーケットにできないか、という問題提起だと思いますが、何か具体的な成功事例はあるんでしょうか。
安部 キャンサースキャンという会社が、八王子市と連携して乳がんの検診率を高めた事例があります。
乳がんは、早期発見によって生存率が大きく高まる病気ですので、とにかく早期発見ができるよう、各自治体が定期検診を行なっています。
しかし、検診は任意なので全員が受けてくれるわけではありません。
キャンサースキャンでは、検診を促すチラシのデザインや通知方法を改善して、受診率を数倍から時には100倍以上にまで高めました。
受診者が増えると、がんの早期発見も増えます。
早期発見が増えると、医療費が削減されることになります。
例えば、大腸がんの場合は、早期発見によって1人あたり180万円ほどの医療費が削減されるそうです。
キャンサースキャンによって増えた受診者から、削減された医療費を計算して、削減分の半分ほどを八王子市がキャンサースキャンに支払う、という成果報酬型のモデルを構築しました。
このモデルはまさに、官民が連携して社会課題解決のマーケットを作った事例として、各自治体に広がりつつあります。
村上 実は今、世界的にはこういった社会的な事業に金融マーケットのお金が流れやすくなっています。
背景としては、金融市場における投資資金のだぶつきがあります。
利回りが期待できるプロジェクトの数が足りない。であれば、利回りは低くてもいいから、世の中に良いことのためにお金を使いたい。背景には、こうしたお金の需給の問題があると僕はにらんでいます。
欧米では、おそらく数十兆円規模のお金が社会課題に投資されていますが、まだ日本では1/10もないと思います。
こうしたソーシャルインパクトファイナンスのお金が、どうやったら日本でももっと、社会課題解決の現場に結びついていくのかというテーマは、とても重要な課題になっていると感じています。
(村上さん)
安部 マーケットというのは、参加する個々人の好き嫌いを排除して、いくべき場所にお金が流れていく仕組みです。
例えば、JRは好きだけどメトロは嫌いだから、全ての移動にJRを使っている人って、多分いないと思うんです。
お互い、好き嫌いは割り切って、みんなで得をして豊かになろうよ、という役割をマーケットは担ってきました。
物質的に豊かになった現代社会において、マーケットは「みんなで豊かになる」という役割を失って、次の役割を模索しています。
村上さんが言うように、次は豊かさではなくて、社会をいい場所にしようというマーケットの動きが生まれつつありますが、社会的なマーケットのルールはまだ定まっていません。
つまり、ルール作りを日本が先導できるチャンスがあるんです。
日本が世界に先立って、ルールメイキングをできる領域はそれほど多く残されていません。その意味でも、課題解決型のマーケットづくりには、大きなポテンシャルがあると思います。
「目の前の1人を救うと、先の10人が救えない」
変わる「官」の役割
林 市場環境から見ても、社会課題解決のマーケット化には追い風が吹いているわけですよね。
「民」側は既存のマーケットが縮小する中で、新しいマーケットを探している、そして課題解決のマーケットには投資マネーが入りやすい環境になっている時に、これまで課題解決を担ってきた「官」の役割はどうなるのか、村上さんに聞きたいです。
村上 「民間同士の助け合いのお膳立て」が重要な役割になってくると思います。
これまで、社会は「官」による「公助」のマーケットと、「民」による「自助」のマーケットで成立してきました。道路は公助、その上を走る輸送車両や運輸サービスは自助、ですね。
人口が増え、経済が成長するうちは、自助のマーケットに余裕があったので、ある程度の課題解決を担う余力がありました。
それでも解決できない、広く全員に裨益する課題は、公助が担いました。つまり、税金を原資に、自分で事業をしたり補助金支援などを行うことで、行政自身が課題解決を担ってきました。
ですが、人口減の社会の下では、自助のマーケットに余力がなくなります。
例えば、終身雇用が維持できなかったり、多様な下請け取引先の取引の継続まで面倒見れないよとなったり、自助でカバーしていた領域がどんどん手薄になり始めています。
では、その分を公助が担えるのかと言うと、行政の側にもそこまで余裕はありません。
多額の財政赤字を抱える国が、今まで以上に、社会課題に対する支援領域を増やしていくことは、コロナ対応のような緊急事態を除けば、あまり現実的ではないと思います。
林 公助も自助も難しいとなると、どうしたらいいんですか。
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