「クズを弾圧する側には回らない」エリート街道を捨てた先の「大地の芸術祭」誕生秘話
「クズを弾圧する側には回らない」エリート街道を捨てた先の「大地の芸術祭」誕生秘話
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「同級生がマンションを買ったりする中、僕は26歳になっても働いていなかった。僕はこのまま、ホームレスになるのかな、と思った」
新潟県越後妻有(えちごつまり)地域で開催される、世界最大級のアートイベント「大地の芸術祭」。
人口5万人程度の農村地域に、世界中から50万人以上が訪れる、地域に劇的な変化を生んだ芸術祭の裏側には、立役者、原蜜(はら・みつ)さんの存在があった。
原さんは、京都駅ビルや札幌ドームを作った建築家、原広司さんを父に持ち、自身も神奈川で最も偏差値の高い進学校に通う、いわゆる「エリート街道」のど真ん中にいた。
しかし、「いい大学に入り、いい会社に勤め、結婚して家と車を持つのが幸せなんだ」と口を揃える周囲の大人に違和感を覚え、大学には進学せず、いつしか街の「チンピラ」たちと過ごすようになったという。
「母親をバットで殴ってしまって、家にいられなくなって、路上で暮らすようになった。周囲の大人たちから『クズ』と言われた」
「社会課題を、みんなのものに」を掲げ、社会課題の現場に足を運ぶスタディツアーや課題解決に向けた政策・事業立案などに取り組むリディラバ。
代表の安部敏樹がリディラバを始めた背景には、順風満帆ではない子供時代に感じた社会への「怒り」があったという。
「地域で暮らし、農業を支える人が、差別されコンプレックスを抱えて生きるなんて、あってはならないと思った」
「路上生活中に一緒にいた仲間には、親にレイプされた子や、虐待された子がいた。不良と呼ばれるけど、俺たちのせいじゃなくない?」
「社会への違和感は、みんなある。僕たちに違いがあるとするなら、その違和感を諦めずに、自分の中に消さずに50年やるぞ、と思っている」
社会のため、地域のため、独自の取り組みを続けてきた「大地の芸術祭」と「リディラバ」。それぞれの取り組みには、原さん・安部のどんな思いがあったのか。
両者をよく知る、株式会社マクアケ 共同創業者・取締役の坊垣佳奈さんをモデレーターに迎え、ふたりの活動の背景に迫った。
「課題を当事者に押し付けない」
リディラバが考える解決の3ステップ
坊垣佳奈 株式会社マクアケ 共同創業者・取締役の坊垣佳奈と申します。
私は8年ほど前から、原さんが取り組んでいる「大地の芸術祭」のオフィシャルサポーターをやらせてもらっています。
安部さんも同じく芸術祭のオフィシャルサポーターということで、おふたりを知っている私が、本日はモデレータをさせていただきます。
原蜜 坊垣さんは芸術祭の「お姉さん」的な役割で、今日も僕たちは坊垣さんについていきたいと思います。
安部敏樹 全ては坊垣さんに任せましたので、よろしくお願いします。
坊垣 すごい雑なフリを受けていますが(笑)
「大地の芸術祭」「リディラバ」の取り組みには、おふたりの「生き様」が投影されていると思っていまして、今日はその「生き様」を紐解いていけたらと思っています。
まずはそれぞれ、芸術祭とは何か、リディラバとは何か、活動を紹介いただけますか。
(坊垣佳奈さん)
安部 改めて、リディラバの安部です。
リディラバは、「社会課題を、みんなのものに」をミッションに掲げていますが、そもそも社会課題とは、困っている当事者だけでは解決が難しいから「社会」課題と呼ばれるわけです。
「社会」課題が、第三者の関心がないと解決しないならば、関心を持ってもらうための活動をしよう、ということで始まったのがリディラバです。
現在は、課題解決を大きく3ステップで考えています。
ステップ1は、「問題の発見」です。
まずは、世の中にいまどんな困りごとがあるのか、色々な人に話を聞きに行って調査します。
その中で、これは個人の責任でもなく、企業の経営課題でもなくて、社会で解決していく必要があるよね、という問題を見つけるのが、「問題の発見」です。
ステップ2は「問題の社会化」です。
世の中の問題を見つけても、多くの人はその存在を知らなかったり、関心が無かったりします。
修学旅行や企業の研修を通して、問題の現場に足を運んでもらったり、メディアで報じたりすることで、問題を知り、関心を持ってもらうのが「問題の社会化」です。
ステップ3は「資源投入」です。
問題を見つけ、みんなに関心を持ってもらったら、最後には具体的な解決を推進しようということで、企業と一緒に事業立案を行ったり、省庁と一緒に政策立案・実行を行ったりと、パートナーと共に具体の課題解決に取り組むのが「資源投入」です。
坊垣 世の中に様々な社会課題がある中で、この3ステップはどの課題にも適用できるなと感じたのですが、「この課題に注力するぞ!」みたいな取り組む領域はどう決めているのですか。
安部 社会課題に優劣をつけず、どの課題にも取り組みます、というのが僕らのスタンスです。
現実的な選定としては、パートナーの企業さんから「この課題に取り組みたいんだけど…」とテーマを持ち込んでもらったり、国から「この領域で政策を進めたいんだけど…」と相談を受けたりするケースが多いです。
(安部敏樹)
坊垣 じゃあ、これを読んでいる皆さんもリディラバに取り組みたい課題を持ち込んでよいわけですね。
安部 もちろんです。
原 僕も気になったことがあるんですけど、聞いてもいいですか。
坊垣 ぜひぜひ。
原 リディラバって、どうやって儲けているんですか?(笑)
安部 お金は…簡単じゃないんですけど。(笑)
例えば、修学旅行で9000円払ってディズニーランドに行く代わりに、僕たちと社会課題の現場に行きませんか、という考えに賛同してスタディツアーを導入してくれた学校さんからとか、企業の社員研修の予算からとか、それぞれのパートナーさんに合わせた形でお金をいただいています。
どう儲けるかよりも、とにかく課題解決を進めたいという思いが中心にあって、そのためには、課題を当事者本人に押し付けていてはダメだと。
あなたのせいだよ、と言って手を差し伸べないうちに、他の人も同じ課題に苦しむことになってしまう。
誰かの課題は社会で、みんなで引き受けて、解決していこうということで、「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに活動しているのがリディラバです。
「効率や利益を考えたらやらない」
芸術祭が農業に取り組む理由
坊垣 続いて原さん、「大地の芸術祭」の紹介をお願いします。
原 原蜜(はら・みつ)と申します。
みなさんアートと聞くと、美術館にある作品を鑑賞するところをイメージすると思いますが、僕たちは、新潟県の「越後妻有(えちごつまり)」と呼ばれる農村地域のあちこちに、300以上(※)の作品を展示しています。
(※)約200点の常設作品に加え、トリエンナーレ時には新作を加えた300以上の作品を展示
越後妻有は東京23区の1.2倍とかなり広いのですが、地域全体が美術館になっている、そんな場所です。
こちらが代表作のひとつ、イリヤ&エミリア・カバコフの『棚田』です。田んぼの中に作品が置いてあります。
(イリヤ&エミリア・カバコフ「棚田」Photo Nakamura Osamu)
この『棚田』のように、地域の営み、暮らしの中で作品が生まれていくのが、「大地の芸術祭」の特徴です。
いまでは全国に200以上の芸術祭があるそうですが、「大地の芸術祭」はそのパイオニアで、20年以上前からアートを活用した地域づくりに取り組んでいます。
始めた当初、芸術界からは「こんなもの美術じゃない」と言われ、地域からは「意味がわからない」と言われていました。
20年以上経って、人口約5万人の地域に、年間57万人ほどが訪れてくれるようになりました。
(原蜜さん)
坊垣 これだけ聞くと、地域を活用したアート事業に取り組む人なのかな、と思いますが、そうではないんですよね。
原 活動を重ねていくと、越後妻有の課題に直面します。例えば農業。
ご存知の通り、新潟県はお米が有名で、田んぼがあらゆる場所にあるんですが、高齢化で担い手が年々減ってきていると。
行政も地域の人も、どうにもできなくて、耕作放棄地が増えていく。
じゃあ、誰に頼まれたわけでもないけれど、僕たちがやりましょうということで引き受けるようになって、気づけば40人近くいるスタッフのほとんどが何かしら農業に携わっています。
(FC越後妻有 Photo Nakamura Osamu)
僕らが勝手に始めたことなので、スタッフの誰ひとり農業の経験がありません。それでも、年間20トンほどのお米を作っています。
さらに、僕たちが何者か分かりづらくなるかもしれませんが、女子サッカーチームも持っています。
農業の担い手も必要だし、地域で若い人が活躍できる場所も必要だということで、女子サッカーと農業を掛け合わせました。
ありがたいことに本当に多くの人たちに応援をいただいて、今年、北信越2部リーグを無敗で優勝しました。
(Photo 日本大学藝術学部 田中里実、鞍掛純一)
そして最後に、越後妻有の冬の写真です。見ての通り、本当に雪深い。
人口3万人以上のエリアとしては、世界一雪が降ると聞いたこともあります。
(Photo Nakamura Osamu)
冬の間は、一円にもならない地域の雪かきをみんなでやります。
こんな感じで、地域づくりをやっているのが、「大地の芸術祭」ということになります。
坊垣 皆さん気になるのは、どうして芸術祭だけをやらないのでしょうか。
どうして大変な農業や雪かきを、わざわざ引き受けるのでしょうか。
原 確かに、効率や利益を考えると、農業もやらずに、冬の間は東京に事務所を構えるのが、楽だし、合理的だと思います。
でも、農業と雪が、この地域が抱える最も苦しいところなんです。
僕らがやっているのは「アートフェス」ではなく地域づくり、地域の苦しいところを一緒にやるんだ、というスタンスが根幹にはあります。
「夜逃げバック」を持ち歩く
安部の異質な少年時代
坊垣 ここまで、お二人から真面目に事業の紹介をしてもらいましたが、ここからは真面目じゃない話を聞きたいなと思っています。(笑)
おふたりがなぜこんな取り組みをしているのか、リディラバと大地の芸術祭に至るまでの歩みを聞いてみたいと思っています。
まずは、安部さんから。
こんな年表をご用意いただきました。
原 「教育放棄」とか「バットで殴る」とか書いてありますけど、こんな情報、公開して大丈夫なんですか。
安部 大丈夫かはわかりません。(笑)
まずですね、僕は10歳の頃から「夜逃げバック」を持たされていました。
皆さんも経験があると思うので、説明は飛ばしてもいいですかね。
坊垣 経験、無いです。(笑)説明をお願いします。
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