制度のゆくえは? AIが人をケアする未来とは? 安部が「技能実習制度」と「ChatGPT」を語る
制度のゆくえは? AIが人をケアする未来とは? 安部が「技能実習制度」と「ChatGPT」を語る
毎週水曜日、Twitterスペースでお届けしている「#あべラジオ」。
今回のテーマの一つ目は、前々回に安部さんが「制度を廃止すべき」と語った技能実習制度。その後、政府の有識者会議の中間報告書(たたき台)で、廃止や新制度創設を求める提言が示されました。今後の制度のあり方について、安部さんと引き続き議論します。
二つ目のテーマは「ChatGPT」。社会課題の領域で、ChatGPTをはじめとするAIはどんな影響をもたらすのか。課題解決×テクノロジーの可能性を探ります。
聞き手はリディラバジャーナル編集部の井上です。
※記事は「#あべラジオ」を編集してお届けしています。全編を聞きたい方はこちらから↓。
みなさんに支えられて生きています
井上 安部さん、テレビ出演お疲れ様でした。なんかギリギリ笑えるくらいの悲惨な写真あげてましたね。
(安部のTwitterより)
安部 ギックリ腰でね。いまもけっこう痛いのよ。
今日さ、テレビ局の前でタクシーから降りようとしたら、体がプルプルして歩けなくて。近くのガードマンの方に「すみませんスタッフの方を呼んでもらっていいですか」って。
そしたら番組スタッフやプロデューサーの方が降りてきてくれて、すぐに車椅子を用意してくれてね。なんとかスタジオに行くことができました。
井上 その後も激痛が走り続けているわけですよね。
安部 うん。「痛え」って思いながら打ち合わせしてたら、浜田さんがロキソニンくれて。途中でトイレに行きたくなったら、玉川さんが車椅子を押して連れて行ってくれて。
井上 いいチームワークだ(笑)
安部 みなさんに支えられて生きています(笑)
「文化に触れたい」という思いも
技能実習生の置かれる現状
井上 さて、今日の一つ目のテーマは「技能実習制度」です。
4月10日に開かれた政府の有識者会議で、技能実習制度の廃止や、新制度創設の検討などを求める「中間報告書のたたき台」が示されました。
前々回のあべラジオで安部さんが「クソみたいな制度」「廃止すべき」と言っていましたが、けっこう大きく動いたなと。
安部 うん。
井上 内容を読んでみたんですけど、人権侵害の温床となっている転籍のあり方が検討されているのは、評価できるなと思いました。
安部 そこがずっと問題だからね。
技能実習制度は(中略)転籍を原則として認めていない。このために、雇用主が無理なことを言っても技能実習生は従わざるを得ず、それが技能実習生への様々な人権侵害を発生させる基礎的な背景・原因となっている。(より詳しくは前々回のあべラジオへ)
井上 一方で、転籍不可は緩めつつも、制限は一定残し続けると書いてあるんですよね。今後、実質的に転籍ができる制度になるかは、注視するポイントだなと思います。
安部 そうだね。
井上 前にお話しした通り、技能実習制度は建前としては「日本で技能を学んで途上国に持ち帰る」みたいな目的で、技能を学ぶためには一定期間の実習が必要だから同じところで働く(転籍不可)、と。
でも実際は「国内の労働力不足の解消をしたい」というのが本音で。特に地方の中小企業・一次産業は人材不足が深刻で、働き手がいないから技能実習生を受け入れている。
転籍できると、給与が高い都市部に実習生が流出しちゃって、人手不足の解消に繋がらないから、いまだに禁止されているという話をしました。
安部 当然ながら給与が良い方に人は移っていくからね。別の産業に行ってしまったり、同じ産業内でも給与の良い都市部に集中していくと。
都市部への人材流出については、給与とは別の背景として「カルチャー」もあると思っていて。
これまで何人かインタビューさせていただいたんだけど、実習生の若者には「秋葉原に行きたい」みたいなニーズもあるんだよね。
井上 日本の娯楽やカルチャーに触れたい、ということですね。
安部 そうそう。むしろそういうところが好きで日本に来てたりもするから。
実習生の中には借金して日本に来られる人も多い。なるべく稼ぎたいってなったときに、給与・カルチャーの両面で魅力を感じる都市部に行くと。
(リディラバジャーナルでは構造化特集「外国人技能実習制度」も配信中。よろしければぜひ合わせてお読みください)
地方創生、移民政策――。
制度の背景にある課題は一つではない
安部 地方の中小企業・一次産業は人材不足で、働き手がほしい。でも働き手にとったら、都市部の仕事や生活の方に魅力を感じるから、地方から流出していく。
やっぱり働き盛りの人が行きたい場所は都市部だよねって話になったときに、これって地方をどうするのか。地方創生に関する問題だと思うじゃん。
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