安部敏樹のソーシャルビジネス入門 【後編:地域の中小企業編】
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安部敏樹のソーシャルビジネス入門 【後編:地域の中小企業編】
毎週水曜日、Twitterスペースでお届けしている「#あべラジオ」。
今回お届けするテーマは「社会的起業を整理する」です。
中小企業が社会課題に関わりだしたきっかけとは。さまざまなプレイヤーがどう地域を盛り上げてきたのか。現在のトレンドも含めて安部さんが語ります。
聞き手はリディラバジャーナル編集部の井上です。
※記事は「#あべラジオ」を編集してお届けしています。全編を聞きたい方はこちらから↓
「これまで馴染みがなかった」
地域が社会課題に向き合うようになったわけ
井上
今日は前回に引き続き「社会的起業を整理する」をお届けします。
あべラジオ初の前編・後編、2回に渡っての放送ということで、前編ではどんな話をしたか、簡単に振り返らせてもらいますね。
ひとつは、社会課題を担ってきたNPOが生まれた背景と現状について。
もうひとつは、社会的起業には「スタートアップ」「大企業」「地方の中小企業」の3つのプレイヤーが居るよというお話から、「スタートアップ」「大企業」が社会的起業に取り組むようになった背景をお伝えしました。
今日は、前回話しきれなかった「地方の中小企業」が社会的起業に向かう背景について、掘り下げていきたいと思います。
井上
ツイートでは、地方の中小企業が社会課題に向かう上で、3パターンの人物が登場してましたね。
①地域の中小企業
②ローカル×社会起業
③跡継ぎUターン者
この3パターンそれぞれの文脈を聞いてみたいと思います。
安部
まず一つ目、地域の中小企業。
「中小企業」の対義語って「大企業」で、大企業の果たす役割が「社会貢献」であるならば、俺たち中小企業は「地域貢献」を担うぞ、といったマインドがあって。
世の中全般の課題を指す「社会課題」という言葉は、地域企業にとってこれまであまり馴染みがなかった。
ただ、昨今の人口減少局面では、昔は自地域の中だけで循環が可能だった経済も、商圏範囲を広げていかないと立ちいかなくなってきた。
地理的に区切られた「地域課題」という視点から、より広範囲にわたって考える「社会課題」に考え方をシフトせざるを得なくなってきたわけだね。
そこに更に登場したのがSDGsという言葉。世界的に見てもこんなにSDGsが通用する国は日本ぐらい。
なぜ日本でここまで浸透したのかと言えば、青年会議所や商工会など地域に昔からある事業体のコミュニティが反応して、こぞってSDGsバッチを付けたことが要因のひとつだと見てるんだけど。
いずれにせよ、地域内だけで経済が完結しなくなったところに、SDGsという概念が急速に広まったことで、地域の中小企業も「社会課題」に目を向ける流れが生まれていった。
井上
なるほど。では次にローカル×社会起業。これはどのような文脈ですか。
安部
2000年代頃から、社会課題を事業で解決しましょうという機運が高まってきた。この流れが地方にも波及していく中で、起業して地域の課題に取り組む移住者が出始めたんだよね。
この移住・起業の動きを支えたのが、「TURNS」や「ソトコト」といったメディア。
これらのメディアが画期的だったのは、移住者目線で地域の暮らしを捉えなおして、新たな「ライフスタイル」として提唱したこと。
地域で生まれ育った人たちとは異なる世界観を提唱した影響は大きかったなと。
井上
ライフスタイル型の移住者による起業は、デザインセンスが高いことも特徴ですよね。これまで地域に無かったオシャレなカフェや宿が出来たことで、観光客の目的地になったりする事例も増えたと思います。
これは、人口減に喘ぐ地方にとっては、めちゃくちゃ大きかったんじゃないですか?
安部
そもそも、移住者が定住してくれると、長きにわたって地域にお金が落ちることが大きいよね。加えて、観光客を惹きつけるコンテンツも生み出してくれる。移住者が来てくれるとメリットが多そうだということに、地域の方も気付き始めるわけだよね。
ただ、何となくイメージが沸くと思うのですが、この移住者コミュニティと、先ほど紹介した地域の中小企業コミュニティでは、文化が異なるため、必ずしも上手く交流が進むとは限らないんですよ。
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1月1日、能登半島地震が発生しました。亡くなられた方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われたすべての方にお見舞い申し上げます。
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