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公開日: 2023/8/29(火)

自然災害多発!!自分の街で災害が起こったら?その前に考えておきたいこと

公開日: 2023/8/29(火)
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自然災害多発!!自分の街で災害が起こったら?その前に考えておきたいこと

公開日: 2023/8/29(火)
オーディオブック(ベータ版)

毎週水曜日、X(旧Twitter)スペースでお届けしている「#あべラジオ」。

 

今日のテーマは「自然災害への対応

 

毎年のように豪雨災害が起き、巨大地震のリスクも抱えている私たち。

 

災害が起きた時、誰がどのように地域を守るのか?その際の構造的な課題とは?被災地支援に携わった経験もある安部さんが語ります。

 

聴き手はリディラバジャーナル編集部の井上です。

 

※記事は「#あべラジオ」を編集してお届けしています。全編を聞きたい方はこちらから↓

 

 


国難災害には「的確に対応できない」!?
我が国における災害対応

井上

今年も豪雨被害が相次いでいます。

 

福岡県久留米市では3700棟の家屋が浸水、秋田県では約3万世帯に影響が及ぶなど、甚大な被害が出ていますよね。

 

誰もが被災者になり得るにも関わらず、災害時にどのような対応がなされるのか、どのような課題があるのか、私自身、ほとんど分かっていないなと思いまして。

 

今回は「自然災害への対応」をテーマに取り上げたいと思います。

 

安部 

南海トラフ巨大地震が、30年以内に70パーセントの確率で発生するとも言われているし、災害対応は文字通り誰もが当事者となるテーマだよね。

 

井上

今回のテーマを話すにあたり、少しリサーチをしていたら、総務省の「国難災害における国・地方間関係について」という資料を見つけました。

 

読んでみて、「日本の災害対応、厳しいんじゃないかな?」と思う部分がありました。

 

その辺りを先にお伝えした後、災害対応の課題について安部さんに伺っていきたいと思います。

 

安部

はい。宜しくお願いします。

 

井上

資料では、国難災害が起きた際に、国と地方がどういう役割で対応にあたるかについて「4つの特徴」としてまとめられています。

 

  • 災害発生時には市町村単位で事態にあたるという「市町村第一主義」
     
  • 災害救助法が適用されるレベルの災害発生時には「都道府県が主体」
     
  • 大規模災害においては、消防、警察、自衛隊等は、行政から、「分立的・分離的」に応急対策
     
  • 災害対応においては、国・都道府県との垂直的連携に加えて、地方公共団体間の「水平的連携」が重要


これらを見ると、しっかり役割分担がなされ、対応の方針が定められているように見えますが、驚いたのはこの後。

 

「広域かつ甚大な国難被害には、現行の災対法等に基づく市町村第一の応急対策のシステムでは、的確に対応できない可能性がある」と書かれているんです。

 

具体的には、有識者たちからこのようなコメントが並んでいます。

 

「現行の災対法は、大災害では間尺に合わないということがわかってきた」

 

「南海トラフ巨大地震においては(中略)従来の応急対策やこれまであった国の支援システム、地方公共団体間の応援システムが機能しなくなる

 

「巨大災害時には国が直接対応できるような仕組みについて災対法の改正等の検討を行う必要がある


この資料自体が2021年時点のものなので、その後もより良い体制に向けた議論は続いていると思いますが、個人的には日本の災害対応に不安を覚えました。

 

ソフト面に予算を投じるべき
災害対応のプロフェッショナル育成が急務

井上
こういった現状も踏まえて、安部さんの所感を聞いてみたいと思います。


安部

資料にあった「自治体間の横の連携が重要」というのは本当にその通りで、自治体間で協定を締結して、災害時に職員の派遣などを定めている所も増えてきました。

 

背景には「災害対応のプロがいない」という課題があります。

 

災害が発生した際に、迅速且つ的確な対応をするためには、陣頭指揮を取れる人材が必要になる訳だけど、災害対応のプロはほとんどいない。

 

いるとすれば既に災害被害を経験した自治体の職員。

 

しかし、自治体職員は自地域のために働くことが前提となっているため、行政区を超えた活動を行うのは難しい。

 

この問題をクリアするために、先ほどの協定を自治体間で結んでいるんだけど、根本的には災害対応のプロを育成する必要があると思う。

 

井上
なるほど。防災対応のプロフェッショナルを育てていくにはどうしたら良いでしょうか。


安部

人を育てることも含めて「ソフト」の領域に、もっと予算を投じていくべきです。

 

被害が発生してから対応するよりも、被害を最小限に押さえるための「予防」に予算を投じた方が、資本効率は遥かに良い訳です。

 

しかし、現状は、土木工事等のハード面に対しては予算が投じられる一方で、有事に対応するための「人を育てる」だったり「仕組みを整える」だったりといったソフト面に対して、なかなか予算が回っていない。

 

例えば、災害支援に集まってくれたボランティアの情報を一元管理できるような「基盤ソフト」を作ろうと動いたことがあったんだけど、予算が付かなかった。

 

有事の際に、集まってくれたボランティアの全体像を把握し、的確に差配するための仕組みを整えておくことは、とても意味のあることだと思うんだけどね。

 

井上
いや本当にそうですよね。

 

災害発生時に、より迅速に復興できれば、企業にとってもありがたい話ですから、企業が災害対策に資金を拠出し合うというのも、合理的だと思います。

災害報道の在り方を見直すべき
メディアとボランティアの関係性

井上

他にはどのような課題を感じてますか。

 

安部

メディアとボランティア」の話も大事なんだよね。

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リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
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