no.
143
コミュニティ
2021/6/17(木)
頼ったり助けてもらったりすることが相手の喜びになる――為末大と考えるコミュニティの意義(後編)
2021/6/17(木)
no.
143
コミュニティ
2021/6/17(木)
頼ったり助けてもらったりすることが相手の喜びになる――為末大と考えるコミュニティの意義(後編)
2021/6/17(木)

コミュニティに参加するとき、「役に立たなければ」「価値を提供しなければ」と考える人も少なくない。しかし実際には、ほかのメンバーに教えを乞うたり相談したりするなどの「人を頼るという行為」こそが、相手に幸せをもたらしているケースもある。

 

今回は、陸上競技にてオリンピック大会連続3回の出場経験を持ち、現在は執筆活動や会社経営、指導者として幅広く活動する為末大さんと、リディラバ代表の安部敏樹が対談。後編では、コミュニティにおけるルールの決め方やオーナーシップを持つことの重要性、コミュニティに参加する際に心がけておくべきことなどについて語った。
 

※本記事の取材は「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた2021/5/14のライブ勉強会『リディ部1周年お祝いイベント 理想の学校を語ろう公開対談③』で行われました。リディラバジャーナルの取材の様子は「リディ部」でご覧いただけます。

 

<為末大さん>
1978年広島県生まれ。スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2021年5月現在)。現在は執筆活動、会社経営を行う。DeportarePartners代表。新豊洲Brilliaランニングスタジアム館長。Youtube為末大学(Tamesue Academy)を運営。主な著作に『Winning Alone』『走る哲学』『諦める力』など。

ルールに従うことと納得していることは別

 安部敏樹  人が集まってコミュニティがつくられていったとき、そこにはコミュニティのカルチャーに合ったルールが必要になってきますよね。コミュニティにおけるルールのつくりかたについて、為末さんはどう考えていますか。

 

参加しているメンバーの声だけを反映して決めるのも実際にはむずかしいし、とはいえ、どこまでトップダウンにすべきかという点もあります。

 

 為末大  僕は会社経営もしていますが、社内で明文化しているのは、まずルールは守ろうということ、だけどそのルールがおかしいと思ったら誰でも異議を唱えて良いということ、ルールが現実にそぐわないものであれば変更を提案できることの三つです。

 

つまり「ルールはいつでも変えることができるもの」という前提なんです。そういうふうにやっていると、最終的には「我々にとっての善とは何なのか」という話になり、組織のビジョンを考えることにもつながっていきますね。

 

ただ、確かに議論してルールを決めるのは簡単ではないとは感じます。たとえば「遅刻は絶対禁止」というルールを定めようとしたときに、賛成する人ばかりではなくて、「きっちり時間を決めると堅苦しくなって嫌だ」と主張する人もいますから。
 

 安部  リディラバがボランティア団体だったとき、玄関で自分が脱いだ靴を並べるか並べないかについて、1か月ほど議論したことがあります。

 

「玄関が汚れているのは嫌だから並べるというルールにすべき」という意見もあれば「並べなければいけないと決められるのは嫌」という意見もあり、全然決まりませんでしたね。

 

 為末  僕はそもそも「ルールを守っている=そのルールに賛同している」とは限らないと考えているんですね。「別に自分としては納得していないけれど、ルールだから守る」というふうにしなければいけないこともあるじゃないですか。

 

たとえば、いまは東京オリンピックの出場選手に対して「辞退すべき」という声があがっていたりもしますよね。でも僕は、選手たちは開催に向けて練習をがんばって、最終的に開催するかどうかはしかるべき人が決めて、選手たちはその決定に従うというかたちでいいと思うんです。

 

いまの状況でのオリンピック開催の是非については、選手たちにもさまざまな考えがあると思います。でもオリンピックが開催予定である限り、大会に向けて練習をするというのがルールですよね。選手たちは決められたことに沿って行動しているだけなのですが、そういう選手たちのあり方に批判的な目を向ける人が一定数いる。

 

ルールを守るという「行動」の部分と、個人の「感情」の部分を分けて考えるという訓練は、いまの社会に必要だと思っています。

 

(写真 為末大さん)

コミュニティにおいてオーナーシップを持つことの大切さ

※リディラバ会員登録はコチラ
編集長からのメッセージ
×
CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
100
no.
101
温暖化対策
no.
102
no.
103
組織論
no.
104
no.
105
キャリア
no.
106
no.
107
復興
no.
108
no.
109
コミュニティナース
no.
110
no.
111
MaaS
no.
112
no.
113
地球温暖化
no.
114
セックスワーカー
no.
115
no.
116
感染症とワクチン
no.
117
no.
118
大学生の貧困
no.
119
no.
120
温暖化対策
no.
121
no.
122
同性婚
no.
123
no.
124
フェアトレード
no.
125
no.
126
シェアハウス
no.
127
no.
128
飲食業
no.
129
感染症とワクチン
no.
130
no.
131
国際報道
no.
132
no.
133
社会的養護
no.
134
no.
135
認知症
no.
136
no.
137
入管法
no.
138
no.
139
国際問題
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
コミュニティ
no.
146
no.
147
吃音
no.
148
no.
149
コンサル×社会課題解決
no.
150
no.
151
いじめ
no.
152
no.
153
社会課題×事業
no.
154
no.
155
社会課題×映画
no.
156
no.
157
感染症とワクチン
no.
158
no.
159
社会教育士
no.
160
no.
161
山岳遭難
no.
162
no.
163
支援者支援
no.
164
no.
165
いじめ
no.
166
no.
167
ゲーム依存
no.
168
no.
169
トランスジェンダーとスポーツ
no.
170
no.
171
うつ病患者の家族
no.
172
no.
173
パラスポーツ
no.
174
no.
175
代替肉
no.
176
no.
177
弱いロボット
no.
178
no.
179
戦争継承
no.
180
no.
181
女性の社会参画
no.
182
no.
183
子どもの居場所
no.
184
no.
185
感染症とワクチン
no.
186
no.
187
デジタル社会
no.
188
no.
189
若年女性の生きづらさ
no.
190
no.
191
ゼブラ企業
no.
192
no.
193
多胎児家庭の困難
no.
194
no.
195
ソーシャルイノベーション
no.
196