なぜ加害者の同意が必要?――性犯罪と医療現場(前編)
なぜ加害者の同意が必要?――性犯罪と医療現場(前編)
国内の人工妊娠中絶の件数は年間約16万件。その中には、性的暴行を受けて妊娠し、中絶せざるを得ないケースも含まれている。
しかし、性的暴行を受けたにも関わらず、被害者が中絶を希望した際に、医師から加害者の同意を求められる例が相次いでいることが明らかになった。
2020年6月26日、「犯罪被害者支援弁護士フォーラム」は日本医師会に対し、適切な対応と実態調査をもとめる要望書を提出した。
なぜ、加害者の同意が必要だったのか。同フォーラムのメンバーでもある上谷さくら弁護士に、中絶をめぐる法制度の問題や中絶医療の現場で起きている問題について伺った。
※本記事は、「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた7/31のライブ勉強会「なぜ加害者の同意が必要?中絶から考える社会問題」の内容をもとに記事化した前編です。
犯罪被害者支援弁護士フォーラム事務次長。第一東京弁護士会犯罪被害者に関する委員会委員。元法科大学院実家教員。福岡県出身。青山学院大学法学部卒。毎日新聞記者を経て、平成19年弁護士登録。保護司。
レイプされたのに中絶手術を拒否されるケースが…
今回の問題が発覚するきっかけとなったのは、西日本で起きた強制性交等被疑事件だった。未成年の女性がレイプされ妊娠。被害者はワンストップ支援センターで保護され、提携病院で中絶手術を希望した。
「しかし、加害者の同意が必要であるという理由で中絶手術を拒否されたのです。加害者が逃げていると説明しても病院側は納得せず、被害者はいくつもの病院をたらい回しにされました。その間も女性のお腹はどんどん大きくなっていって。精神的にも追い込まれる中、ようやく中絶できたそうです。長年、性被害の相談を受けてきましたが、このような問題があることを初めて知りました。当然のことながら、なぜなの?と疑問が湧きました」
上谷弁護士はこう説明する。調査を始めると、こうした事例が特定の地域だけで起きている問題ではないことが分かった。

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