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125
フェアトレード
公開日: 2021/5/5(水)
更新日: 2023/3/27(月)

フェアな取引のポイントは「価格」と「生産者組合」――フェアトレード普及の現状と課題(前編)

公開日: 2021/5/5(水)
更新日: 2023/3/27(月)
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125
フェアトレード
公開日: 2021/5/5(水)
更新日: 2023/3/27(月)

フェアな取引のポイントは「価格」と「生産者組合」――フェアトレード普及の現状と課題(前編)

公開日: 2021/5/5(水)
更新日: 2023/3/27(月)

途上国の農産物を消費者が適正な価格で購入することで、生産者や労働者の収入を増やし、経済的な自立を促す「フェアトレード」。

 

その言葉自体の知名度は上がってきているが、フェアトレードが広く普及するには、認証商品の拡大や生産者のオーナーシップ向上など、さまざまな課題が存在する。

 

今回はフェアトレードの認証ラベルの管理などを手掛ける、認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンのシニアディレクターを務める中島佳織さんに、普及の現状と課題について聞いた。
  

※本記事の取材は「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた3/18のライブ勉強会「【国際問題を自分ごとに vol.2】フェアトレードを全員が選ぶ社会は実現可能か?」で行われました。リディラバジャーナルの取材の様子は「リディ部」でご覧いただけます。

 

<中島佳織さん>
大学在学中、アフリカ・ケニアにある難民キャンプでのボランティア活動をきっかけに、国際協力の道に進むことを決意。大学卒業後、化学原料メーカー勤務を経て、国際協力NGOに転職。アフリカ難民支援やフェアトレード事業に従事し、タイ・チェンマイでのタイ北部山岳少数民族コーヒー生産者支援プロジェクトの立上げと運営に携わる。その後、在ケニア・ナイロビの日系自動車メーカー勤務を経て、現在は認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンのシニアディレクター。一方的な「援助」ではなく、貧困を生みだす貿易構造から変えていこうとするフェアトレードに賛同し、貧困のない持続可能な未来をビジョンに掲げ、日々、フェアトレードの普及推進に奮闘中。グリーン購入ネットワーク理事。共著に『ソーシャル・プロダクト・マーケティング』(産業能率大学出版部)など。

そもそもフェアトレードとはなにか

近年、発展途上国の貧困や人権課題、環境など、サステナビリティを実現するための取り組みとして認知を広めている「フェアトレード」。

 

直訳すると「公平・公正な貿易」。開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」である。

 

では、なぜ今の社会にフェアトレードが必要とされているのだろうか。

 

たとえば、購買力や価格交渉力で優位な先進国の企業などが、適正とはいえない安い価格で途上国の農産物を買い取れば、現地の生産者の生活は困窮する。

 

そうすると、生産者は農業を続けられず、生計を立てるのが難しくなる。フェアトレードはこうした課題を解決する施策といえる。

 

ただ、中島さんは「フェアという言葉は人によって解釈が変わります。『何をもってフェアなのか』については議論になるポイントですね」と話す。

 

こうした認識の違いがある中でフェアトレードを広げていくためには、一定の基準やルールをつくり、企業に取り組んでもらう必要がある。このような考え方から生まれてきたのが「国際フェアトレード認証ラベル」という仕組みだ。定められた基準をクリアした商品は、その証としてラベルを貼り、フェアトレード商品として販売することができる。

 

ただ、企業や組織が認証を受けるには、いくつかの段階を踏むことが必要だ。定期的な監査を受けて認証、ライセンスを取得。さらに取り扱う製品ごとに認証を申請し、審査が通れば認証ラベルの表示が許可され、認証製品として実際に販売できる。
 

(写真AC)

サステナブルな生活と生産に必要な価格から目を背けては、貧困は解決できない

貿易業者や製造業者などと同様、フェアトレード原料をつくる生産者も、認証を取得する必要がある。取得するための基準は大きく分けて3つ。経済的な基準、人権などを含めた社会的な基準、環境的な基準だ。

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