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公開日: 2021/5/5(水)

フェアな取引のポイントは「価格」と「生産者組合」――フェアトレード普及の現状と課題(前編)

公開日: 2021/5/5(水)
公開日: 2021/5/5(水)

フェアな取引のポイントは「価格」と「生産者組合」――フェアトレード普及の現状と課題(前編)

公開日: 2021/5/5(水)

途上国の農産物を消費者が適正な価格で購入することで、生産者や労働者の収入を増やし、経済的な自立を促す「フェアトレード」。

 

その言葉自体の知名度は上がってきているが、フェアトレードが広く普及するには、認証商品の拡大や生産者のオーナーシップ向上など、さまざまな課題が存在する。

 

今回はフェアトレードの認証ラベルの管理などを手掛ける、認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンのシニアディレクターを務める中島佳織さんに、普及の現状と課題について聞いた。
  

※本記事の取材は「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた3/18のライブ勉強会「【国際問題を自分ごとに vol.2】フェアトレードを全員が選ぶ社会は実現可能か?」で行われました。リディラバジャーナルの取材の様子は「リディ部」でご覧いただけます。

 

<中島佳織さん>
大学在学中、アフリカ・ケニアにある難民キャンプでのボランティア活動をきっかけに、国際協力の道に進むことを決意。大学卒業後、化学原料メーカー勤務を経て、国際協力NGOに転職。アフリカ難民支援やフェアトレード事業に従事し、タイ・チェンマイでのタイ北部山岳少数民族コーヒー生産者支援プロジェクトの立上げと運営に携わる。その後、在ケニア・ナイロビの日系自動車メーカー勤務を経て、現在は認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンのシニアディレクター。一方的な「援助」ではなく、貧困を生みだす貿易構造から変えていこうとするフェアトレードに賛同し、貧困のない持続可能な未来をビジョンに掲げ、日々、フェアトレードの普及推進に奮闘中。グリーン購入ネットワーク理事。共著に『ソーシャル・プロダクト・マーケティング』(産業能率大学出版部)など。

そもそもフェアトレードとはなにか

近年、発展途上国の貧困や人権課題、環境など、サステナビリティを実現するための取り組みとして認知を広めている「フェアトレード」。

 

直訳すると「公平・公正な貿易」。開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」である。

 

では、なぜ今の社会にフェアトレードが必要とされているのだろうか。

 

たとえば、購買力や価格交渉力で優位な先進国の企業などが、適正とはいえない安い価格で途上国の農産物を買い取れば、現地の生産者の生活は困窮する。

 

そうすると、生産者は農業を続けられず、生計を立てるのが難しくなる。フェアトレードはこうした課題を解決する施策といえる。

 

ただ、中島さんは「フェアという言葉は人によって解釈が変わります。『何をもってフェアなのか』については議論になるポイントですね」と話す。

 

こうした認識の違いがある中でフェアトレードを広げていくためには、一定の基準やルールをつくり、企業に取り組んでもらう必要がある。このような考え方から生まれてきたのが「国際フェアトレード認証ラベル」という仕組みだ。定められた基準をクリアした商品は、その証としてラベルを貼り、フェアトレード商品として販売することができる。

 

ただ、企業や組織が認証を受けるには、いくつかの段階を踏むことが必要だ。定期的な監査を受けて認証、ライセンスを取得。さらに取り扱う製品ごとに認証を申請し、審査が通れば認証ラベルの表示が許可され、認証製品として実際に販売できる。
 

(写真AC)

サステナブルな生活と生産に必要な価格から目を背けては、貧困は解決できない

貿易業者や製造業者などと同様、フェアトレード原料をつくる生産者も、認証を取得する必要がある。取得するための基準は大きく分けて3つ。経済的な基準、人権などを含めた社会的な基準、環境的な基準だ。

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CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
98
no.
99
温暖化対策
no.
100
no.
101
組織論
no.
102
no.
103
キャリア
no.
104
no.
105
復興
no.
106
no.
107
コミュニティナース
no.
108
no.
109
MaaS
no.
110
no.
111
地球温暖化
no.
112
セックスワーカー
no.
113
no.
114
感染症とワクチン
no.
115
no.
116
大学生の貧困
no.
117
no.
118
温暖化対策
no.
119
no.
120
同性婚
no.
121
no.
122
フェアトレード
no.
123
no.
124
シェアハウス
no.
125
no.
126
飲食業
no.
127
感染症とワクチン
no.
128
no.
129
国際報道
no.
130
no.
131
社会的養護
no.
132
no.
133
認知症
no.
134
no.
135
入管法
no.
136
no.
137
国際問題
no.
138
no.
139
コミュニティ
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
吃音
no.
146
no.
147
コンサル×社会課題解決
no.
148
no.
149
いじめ
no.
150
no.
151
社会課題×事業
no.
152
no.
153
社会課題×映画
no.
154
no.
155
感染症とワクチン
no.
156
no.
157
社会教育士
no.
158
no.
159
山岳遭難
no.
160
no.
161
支援者支援
no.
162
no.
163
いじめ
no.
164
no.
165
ゲーム依存
no.
166
no.
167
トランスジェンダーとスポーツ
no.
168
no.
169
うつ病患者の家族
no.
170
no.
171
パラスポーツ
no.
172
no.
173
代替肉
no.
174
no.
175
弱いロボット
no.
176
no.
177
戦争継承
no.
178
no.
179
女性の社会参画
no.
180
no.
181
子どもの居場所
no.
182
no.
183
感染症とワクチン
no.
184
no.
185
デジタル社会
no.
186
no.
187
若年女性の生きづらさ
no.
188
no.
189
ゼブラ企業
no.
190
no.
191
多胎児家庭の困難
no.
192
no.
193
ソーシャルイノベーション
no.
194
no.
195
ジェンダー
no.
196
no.
197
毒親
no.
198
no.
199
葬儀
no.
200
no.
201
感染症とワクチン
no.
202
no.
203
子どもの安全
no.
204
no.
205
優生思想
no.
206
no.
207
感染症とワクチン
no.
208
no.
209
障害
no.
210
no.
211
水産資源
no.
212
no.
213
教育格差
no.
214
no.
215
障害と性
no.
216
no.
217
医療
no.
218
no.
219
シングルマザー
no.
220
no.
221
多文化共生
no.
222
no.
223
誹謗中傷
no.
224
no.
225
児童労働
no.
226
no.
227
不登校
no.
228
no.
229
政治
no.
230
no.
231
食料危機
no.
232
no.
233
お金と社会課題
no.
234
no.
235
震災
no.
236
no.
237
まちづくり
no.
238
no.
239
精子提供
no.
240
no.
241
選挙
no.
242
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
243
クラウドファンディング
no.
244
レイシャルプロファイリング
no.
245
子育てと科学的根拠
no.
246
高齢者雇用
no.
247
介護
no.
248
no.
249