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公開日: 2021/6/9(水)

なぜいま、アフリカの貧困問題に立ち向かうのか――若きアントレプレナーが見たサブサハラ・アフリカ(前編)

公開日: 2021/6/9(水)
公開日: 2021/6/9(水)

なぜいま、アフリカの貧困問題に立ち向かうのか――若きアントレプレナーが見たサブサハラ・アフリカ(前編)

公開日: 2021/6/9(水)

サハラ砂漠より南に位置する、通称サブサハラ・アメリカと呼ばれる国々は、世界で最も貧しい地域として知られている。

世界銀行の統計によると、1日2ドル未満で生活する貧困層は、世界全体では1995年から2015年にかけて19億人から8億人以下に減少した一方、サブサハラ・アフリカでは世界で唯一、貧困層が増加した。現在でも、人口の約4割もの人々が貧困の中にいる。 

そんな現状を変えようと、現地の農業のあり方を根本から改革しようと挑む日本人がいる。Degas株式会社代表取締役、牧浦土雅さんだ。1993年生まれの牧浦さんは現在、ガーナを拠点に小規模農家向けのサプライチェーン効率化事業を展開している。 

前編では、サブサハラ・アフリカで貧困がなくならない理由をはじめ、牧浦さんがアフリカで事業を行うに至った経緯や背景などについて、リディラバ代表の安部敏樹と対談を行った。 
 

※本記事の取材は「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた2021/3/4のライブ勉強会『【国際問題を自分ごとにVol.1】「援助」は途上国を豊かにするのか〜理想論で終わらせない国際協力〜』で行われました。リディラバジャーナルの取材の様子は「リディ部」でご覧いただけます。

 

<牧浦土雅さん>
Degas株式会社 代表取締役。2012年以降、東アフリカはじめ5ヶ国以上(ルワンダ、インドネシア、フィリピンetc)に住み、オンライン教育からヘルスケアまで幅広い事業を立ち上げる。国連と共同開発した人工衛星解析サービス“Next Space”の代表も務める。第28回国家戦略特別区域諮問会議に出席し、サンドボックス特区創設を首相・関係閣僚に、カルロス・ゴーン日産自動車会長(当時)らと共に提言。Wedge誌『平成から令和へ 新時代に挑む30人』等に選出。趣味は能楽と農学。 

「援助」だけでは貧困はなくならない 

 安部敏樹  まずお聞きしたいんですが、なぜサブサハラ・アフリカだけ貧困層が増大したんでしょうか。

 

 牧浦土雅  これまでさまざま国際機関が支援してきましたが、根本的に農家の生活を変えることができなかったんです(※)。
 
世界銀行によれば、現在サブサハラ・アフリカの最貧困層は、30年前の2億500万人の2倍以上にあたる4億1400万人を数える。
 
どうしても国際機関の仕事は地域と時間が限定的になってしまう上、数値的なKPIが求められます。たとえば農家に5年間で1万台のトラクターを配っても、その後トラクターのエンジンやハンドルまで、売れるものは全部売られてしまった、という話があります。 
 
農家にとって本当に必要だったのは、資材を配って、もっと多くの農作物を作って、バイヤーと繋げて、さらに輸送経路も提供して…ということだったのではと、よく議論しています。 

 

 安部  国際機関って、担当者のポジションがどんどん変わってしまうことがありますよね。公的資金を提供した後にそれを次に活かせる人が少ない、ということも影響しているんでしょうか。 

 

 牧浦  そうですね。それに国際機関などは基本的に「ギブ&テイクはダメ」という考え方のところが多いので、一方的な援助がなくならなかったんですね。 
 
また、農家もみんな「援助慣れ」をしているんですよ。 
 
2011年までは現地の銀行も農家に直接融資をしていたんですが、もう全員債務不履行みたいな状態になっちゃったんです。みんないい顔して「マイクロファイナンス」なんて言いますけど、金利が40%とかありましたから、返せない。 
 
そこにいろんな国際機関が来て、欧米のマネーをドカッと入れ込んでいきました。それで、「返さなくてもいいよ」という援助に慣れてしまいました。 
 
我々も支援に入って1年目、ある農家の農地に行ったんですけど、その農家だけ我々に対する返済率がすごく低かったんですね。 
 
私も彼らからすると「白人」の部類に入るので、私を見ると「何かもらえる」と、それで終わりだと思っちゃうんですね。なので2年目以降はなるべく現場に行かず、「あくまで現地の会社ですよ」という形にしました。

 

(pixabay)

使命感とビジネスチャンスの両方で課題解決に立ち向かう

 安部  そもそも、なぜアフリカに行かれたんですか。

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CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
98
no.
99
温暖化対策
no.
100
no.
101
組織論
no.
102
no.
103
キャリア
no.
104
no.
105
復興
no.
106
no.
107
コミュニティナース
no.
108
no.
109
MaaS
no.
110
no.
111
地球温暖化
no.
112
セックスワーカー
no.
113
no.
114
感染症とワクチン
no.
115
no.
116
大学生の貧困
no.
117
no.
118
温暖化対策
no.
119
no.
120
同性婚
no.
121
no.
122
フェアトレード
no.
123
no.
124
シェアハウス
no.
125
no.
126
飲食業
no.
127
感染症とワクチン
no.
128
no.
129
国際報道
no.
130
no.
131
社会的養護
no.
132
no.
133
認知症
no.
134
no.
135
入管法
no.
136
no.
137
国際問題
no.
138
no.
139
コミュニティ
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
吃音
no.
146
no.
147
コンサル×社会課題解決
no.
148
no.
149
いじめ
no.
150
no.
151
社会課題×事業
no.
152
no.
153
社会課題×映画
no.
154
no.
155
感染症とワクチン
no.
156
no.
157
社会教育士
no.
158
no.
159
山岳遭難
no.
160
no.
161
支援者支援
no.
162
no.
163
いじめ
no.
164
no.
165
ゲーム依存
no.
166
no.
167
トランスジェンダーとスポーツ
no.
168
no.
169
うつ病患者の家族
no.
170
no.
171
パラスポーツ
no.
172
no.
173
代替肉
no.
174
no.
175
弱いロボット
no.
176
no.
177
戦争継承
no.
178
no.
179
女性の社会参画
no.
180
no.
181
子どもの居場所
no.
182
no.
183
感染症とワクチン
no.
184
no.
185
デジタル社会
no.
186
no.
187
若年女性の生きづらさ
no.
188
no.
189
ゼブラ企業
no.
190
no.
191
多胎児家庭の困難
no.
192
no.
193
ソーシャルイノベーション
no.
194
no.
195
ジェンダー
no.
196
no.
197
毒親
no.
198
no.
199
葬儀
no.
200
no.
201
感染症とワクチン
no.
202
no.
203
子どもの安全
no.
204
no.
205
優生思想
no.
206
no.
207
感染症とワクチン
no.
208
no.
209
障害
no.
210
no.
211
水産資源
no.
212
no.
213
教育格差
no.
214
no.
215
障害と性
no.
216
no.
217
医療
no.
218
no.
219
シングルマザー
no.
220
no.
221
多文化共生
no.
222
no.
223
誹謗中傷
no.
224
no.
225
児童労働
no.
226
no.
227
不登校
no.
228
no.
229
政治
no.
230
no.
231
食料危機
no.
232
no.
233
お金と社会課題
no.
234
no.
235
震災
no.
236
no.
237
まちづくり
no.
238
no.
239
精子提供
no.
240
no.
241
選挙
no.
242
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
243
クラウドファンディング
no.
244
レイシャルプロファイリング
no.
245
子育てと科学的根拠
no.
246
高齢者雇用
no.
247
介護
no.
248
no.
249