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公開日: 2021/7/15(木)

「きょうだい」を伝えるために映画を選んだ――プロデューサーと監督が語る「映画が伝える社会課題」(前編)

公開日: 2021/7/15(木)
公開日: 2021/7/15(木)

「きょうだい」を伝えるために映画を選んだ――プロデューサーと監督が語る「映画が伝える社会課題」(前編)

公開日: 2021/7/15(木)
オーディオブック(ベータ版)

社会課題を世の中に伝える手法の一つとして、映画やドキュメンタリー、TVニュースなどの「映像」がある。

 

特に映画はフィクションとして気軽に楽しめるコンテンツでありながら、作品のテーマや描き方を通じて、社会に問題提起できるという側面を持つ。
 

映画『ふたり〜あなたという光〜』は、精神障害の妹を持つ姉、つまり「きょうだい(※)」という社会課題の当事者を主人公にした映画だ。前編では、本作品のプロデューサーである三間瞳さんと、脚本・監督を担当した佐藤陽子さんに、きょうだいという存在が抱えがちな問題や、映画作品を通じて社会課題を伝えようと考えた経緯などについて話を聞いた。

 

※きょうだい:障害のある兄弟姉妹を持つ健常者

※本記事の取材は「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた2021/6/17のライブ勉強会「映画が伝える社会課題」で行われました。リディラバジャーナルの取材の様子は「リディ部」でご覧いただけます。

 

 

<三間 瞳さん>
映画プロデューサー/社会起業家。青森県出身。一橋大学卒業。BP&Co.株式会社 代表取締役。
自身の5歳下の実妹が統合失調症と診断された15歳の頃から、「障がい者」を取り巻く社会課題に関心を持つ。一方、自身もNY留学中にパニック障害になったことをきっかけに、障がい者本人も障がい者の家族も含めた全ての人が「情熱を解き放つ社会」を創ることを理念に掲げて活動している。初プロデュース作品である「きょうだい」を主役にした短編映画『ふたり〜あなたという光〜』は、制作費を募集するクラウドファンディングで531名の方に支援され、204%の600万以上を達成、各種メディアにも取り上げられるなど注目を浴びる。

<佐藤 陽子さん>
映画監督。2019年4月 ENBUゼミナール監督コース卒業。
女性×働くに興味があり、2013年~2017年まで働くママのロールモデルを紹介する勉強会を主催。より多くの方に情報を届けるために、映像制作という手法に切り替えることを思い立ち、2017 年から映像制作を学び始める。 興味のあるテーマはジェンダー、夫婦のパートナーシップ、女性×仕事など。

病気をきっかけに「きょうだい」の生きづらさに気づく

内閣府「令和元年版 障害者白書」によれば、日本にいる障害者は身体障害者436万人、知的障害者108万2000人、精神障害者419万3000人というデータが出ている。

 

障害者に関する問題は、障害者本人にフォーカスされることが多いが、その「きょうだい」もたくさんいて、彼ら特有の生きづらさや課題もあることは世の中にまだまだ知られていない。

 

三間さんは、精神障害(統合失調症)と知的障害がある5歳下の妹を持つ、きょうだいの当事者だ。10歳のときに統合失調症であると診断された妹が、症状の一つである幻聴・幻覚などが原因で急に暴れ出したりする様子を、日常的に見て育ってきたという。

 

「妹は家のなかだけでなく、外でも突然暴れてしまうことがよくあって。周囲の視線も痛くて、気づいたときには、私は人の顔色や言葉づかいなどにとても敏感な子どもになっていました。

 

妹につきっきりで大変そうな両親の姿を見ていたので、私は自分ひとりでがんばらなくてはいけない、困ったことが起きても親に相談してはだめなんだ、と思い込んでいました。

 

妹のことに関して悩んではいたのですが、それをどう言語化していいのかわかりませんでした。妹の存在や行動を、どう捉えていいかわからないところもあったと思います。

 

そういう環境で育ったこともあり、学生時代から『どうせわかってもらえない』という思いが強く、学校の友だちや先生など、周囲の人たちや社会への信頼感を持てずにいました」(三間さん)

 

(写真 三間瞳さん)

 

三間さんは大学進学後、留学先のニューヨークでパニック障害を発症する。カウンセリングを受け、そこではじめて、発症の大きな要因が、自身がきょうだいであったことによるものだと知った。幼いころから自分の感情に蓋をして無理をしながら生きてきたことに、ようやく気がついたのだという。

 

「世界にはもっと恵まれない人たちもいるし、障害のある妹がいることによる悩みというのは、ぜいたくなものなんじゃないかと思っていたんですね。なので、それまでは自分の境遇を特別視したり、嘆いたりすることはありませんでした。

 

でも自分が病気になったことで、きょうだいとして育ってきたなかで本当は戸惑いや悲しみを感じていたのだということ、これまでの人生で、そういった感情と向き合ってこなかったのだということに気づかされたんです。

 

世の中のきょうだいの人たちのなかには、自分よりももっとつらい経験をしている人もいるのかもしれないと考えるきっかけになりました」(三間さん)

社会の価値観を変えるために「映画」で伝えたい

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CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
98
no.
99
温暖化対策
no.
100
no.
101
組織論
no.
102
no.
103
キャリア
no.
104
no.
105
復興
no.
106
no.
107
コミュニティナース
no.
108
no.
109
MaaS
no.
110
no.
111
地球温暖化
no.
112
セックスワーカー
no.
113
no.
114
感染症とワクチン
no.
115
no.
116
大学生の貧困
no.
117
no.
118
温暖化対策
no.
119
no.
120
同性婚
no.
121
no.
122
フェアトレード
no.
123
no.
124
シェアハウス
no.
125
no.
126
飲食業
no.
127
感染症とワクチン
no.
128
no.
129
国際報道
no.
130
no.
131
社会的養護
no.
132
no.
133
認知症
no.
134
no.
135
入管法
no.
136
no.
137
国際問題
no.
138
no.
139
コミュニティ
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
吃音
no.
146
no.
147
コンサル×社会課題解決
no.
148
no.
149
いじめ
no.
150
no.
151
社会課題×事業
no.
152
no.
153
社会課題×映画
no.
154
no.
155
感染症とワクチン
no.
156
no.
157
社会教育士
no.
158
no.
159
山岳遭難
no.
160
no.
161
支援者支援
no.
162
no.
163
いじめ
no.
164
no.
165
ゲーム依存
no.
166
no.
167
トランスジェンダーとスポーツ
no.
168
no.
169
うつ病患者の家族
no.
170
no.
171
パラスポーツ
no.
172
no.
173
代替肉
no.
174
no.
175
弱いロボット
no.
176
no.
177
戦争継承
no.
178
no.
179
女性の社会参画
no.
180
no.
181
子どもの居場所
no.
182
no.
183
感染症とワクチン
no.
184
no.
185
デジタル社会
no.
186
no.
187
若年女性の生きづらさ
no.
188
no.
189
ゼブラ企業
no.
190
no.
191
多胎児家庭の困難
no.
192
no.
193
ソーシャルイノベーション
no.
194
no.
195
ジェンダー
no.
196
no.
197
毒親
no.
198
no.
199
葬儀
no.
200
no.
201
感染症とワクチン
no.
202
no.
203
子どもの安全
no.
204
no.
205
優生思想
no.
206
no.
207
感染症とワクチン
no.
208
no.
209
障害
no.
210
no.
211
水産資源
no.
212
no.
213
教育格差
no.
214
no.
215
障害と性
no.
216
no.
217
医療
no.
218
no.
219
シングルマザー
no.
220
no.
221
多文化共生
no.
222
no.
223
誹謗中傷
no.
224
no.
225
児童労働
no.
226
no.
227
不登校
no.
228
no.
229
政治
no.
230
no.
231
食料危機
no.
232
no.
233
お金と社会課題
no.
234
no.
235
震災
no.
236
no.
237
まちづくり
no.
238
no.
239
精子提供
no.
240
no.
241
選挙
no.
242
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
243
クラウドファンディング
no.
244
レイシャルプロファイリング
no.
245
子育てと科学的根拠
no.
246
高齢者雇用
no.
247
介護
no.
248
no.
249