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公開日: 2021/1/20(水)

正規と非正規の雇用格差を埋めるために、何ができるのか――日本の非正規雇用を考える(後編)

公開日: 2021/1/20(水)
公開日: 2021/1/20(水)

正規と非正規の雇用格差を埋めるために、何ができるのか――日本の非正規雇用を考える(後編)

公開日: 2021/1/20(水)
オーディオブック(ベータ版)

コロナショックの影響で、女性を中心とする非正規雇用の労働者が苦境に立たされ、社会的な問題になっている。

 

前編では、日本女子大学 人間社会学部 現代社会学科教授の大沢真知子さんと、NPO法人POSSEの茨木哲さんに、非正規雇用の労働者が直面している現状について話を聞いた。

 

後編では、非正規雇用という働き方が成り立ってきた背景や非正規雇用の問題点、セーフティネットの在り方について、引き続き大沢さんと茨木さんに解説していただいた。
 

 

※本記事は、「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた12/16のライブ勉強会「日本の非正規雇用と貧困って何が問題なの?ーーコロナショックの今、ジェンダーと現場の視点から考える』の内容をもとに記事化した後編です。

 

<大沢真知子さん>
日本女子大学 人間社会学部 現代社会学科教授。同現代女性キャリア研究所所長。南イリノイ大学経済学部博士課程修了。Ph. D(経済学)。シカゴ大学ヒューレットフェロー。ミシガン大学ディアボーン校助教授、亜細亜大学助教授・教授を経て現職。専門は労働経済学。近著書は『女性はなぜ活躍できないのか』(東洋経済新報社、2015a)『なぜ女性は仕事を辞めるのか』共編著(青弓社、2015b)『21世紀の女性と仕事』(左右社、2018)『なぜ女性の管理職は少ないのか』(青弓社、2019)内閣府「仕事と生活の調和連携推進評価部会」委員。東京都女性活躍推進会議専門委員。

時代の変化とともに、雇用実態がミスマッチに

日本でそもそも非正規雇用という働き方が始まったのはいつなのか。大沢さんは、こう解説する。

 

「高度経済成長期に製造業の労働力不足が深刻化したときに、主婦がパートタイムで働くような労働が始まりました。その際、『主婦は家事や育児を主に行うという前提で働き方が自由になる代わりに、賃金は安くてもいいだろう』という名目で、最低賃金に近い賃金での処遇が決まったんです」

 

80年代には、主婦パートに対する年金の特別配偶者控除や、ある一定の年収を超えなければ社会保険料の負担を免除する(第3号被保険者制度)制度が導入された。

 

さらに90年代になると、企業がコスト削減のため、主婦パートだけでなく若者も非正規労働者とするようになり、非正規雇用が増えていった。

 

離婚率も上がり、パートタイムとして働きながら母子家庭を支える女性が増えたにもかかわらず、社会保障制度は(男性)正社員を対象として作られているため、非正規労働者は仕事を失うと生活に困ってしまうことになった。

 

また、結婚している場合であっても、家計における女性の収入の位置づけはここ数十年で変化してきた。高度経済成長期に主婦が働き始めたときは、家計の補助的な収入を目的とした就労が多かったが、いまでは男性の賃金が下がってきたことを背景に、夫婦そろって働きに出ることでようやく世帯の収入を賄えるという家庭も増えた。

 

このように、時代とともに非正規雇用で働く人の境遇が変わったにもかかわらず、処遇は変わらないまま今に至っている。

 

「そのうえ、主婦パートだから、女性だからという理由で会社から軽視され、簡単に切り離されてしまうという事態も起こっており、それが現代の非正規雇用の問題につながっています」と、茨木さんは指摘する。

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リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
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CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
98
no.
99
温暖化対策
no.
100
no.
101
組織論
no.
102
no.
103
キャリア
no.
104
no.
105
復興
no.
106
no.
107
コミュニティナース
no.
108
no.
109
MaaS
no.
110
no.
111
地球温暖化
no.
112
セックスワーカー
no.
113
no.
114
感染症とワクチン
no.
115
no.
116
大学生の貧困
no.
117
no.
118
温暖化対策
no.
119
no.
120
同性婚
no.
121
no.
122
フェアトレード
no.
123
no.
124
シェアハウス
no.
125
no.
126
飲食業
no.
127
感染症とワクチン
no.
128
no.
129
国際報道
no.
130
no.
131
社会的養護
no.
132
no.
133
認知症
no.
134
no.
135
入管法
no.
136
no.
137
国際問題
no.
138
no.
139
コミュニティ
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
吃音
no.
146
no.
147
コンサル×社会課題解決
no.
148
no.
149
いじめ
no.
150
no.
151
社会課題×事業
no.
152
no.
153
社会課題×映画
no.
154
no.
155
感染症とワクチン
no.
156
no.
157
社会教育士
no.
158
no.
159
山岳遭難
no.
160
no.
161
支援者支援
no.
162
no.
163
いじめ
no.
164
no.
165
ゲーム依存
no.
166
no.
167
トランスジェンダーとスポーツ
no.
168
no.
169
うつ病患者の家族
no.
170
no.
171
パラスポーツ
no.
172
no.
173
代替肉
no.
174
no.
175
弱いロボット
no.
176
no.
177
戦争継承
no.
178
no.
179
女性の社会参画
no.
180
no.
181
子どもの居場所
no.
182
no.
183
感染症とワクチン
no.
184
no.
185
デジタル社会
no.
186
no.
187
若年女性の生きづらさ
no.
188
no.
189
ゼブラ企業
no.
190
no.
191
多胎児家庭の困難
no.
192
no.
193
ソーシャルイノベーション
no.
194
no.
195
ジェンダー
no.
196
no.
197
毒親
no.
198
no.
199
葬儀
no.
200
no.
201
感染症とワクチン
no.
202
no.
203
子どもの安全
no.
204
no.
205
優生思想
no.
206
no.
207
感染症とワクチン
no.
208
no.
209
障害
no.
210
no.
211
水産資源
no.
212
no.
213
教育格差
no.
214
no.
215
障害と性
no.
216
no.
217
医療
no.
218
no.
219
シングルマザー
no.
220
no.
221
多文化共生
no.
222
no.
223
誹謗中傷
no.
224
no.
225
児童労働
no.
226
no.
227
不登校
no.
228
no.
229
政治
no.
230
no.
231
食料危機
no.
232
no.
233
お金と社会課題
no.
234
no.
235
震災
no.
236
no.
237
まちづくり
no.
238
no.
239
精子提供
no.
240
no.
241
選挙
no.
242
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
243
クラウドファンディング
no.
244
レイシャルプロファイリング
no.
245
子育てと科学的根拠
no.
246
高齢者雇用
no.
247
介護
no.
248
no.
249