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公開日: 2021/2/25(木)

「獣害被害に遭う地域に住むのは高齢者ばかり」という課題――獣害対策の専門家が考える野生動物との共存とは(後編)

公開日: 2021/2/25(木)
公開日: 2021/2/25(木)

「獣害被害に遭う地域に住むのは高齢者ばかり」という課題――獣害対策の専門家が考える野生動物との共存とは(後編)

公開日: 2021/2/25(木)

野生動物が出没する地域は山側や農村部などが多く、そこに暮らす人たちの高齢化も問題になっている。獣害被害につながる農地や木、空き家などを、適切に管理することがむずかしくなっているのだ。

 

「若者がその地で農業で稼ぎ、安心して生活できれば農地も活用でき、ひいては野生動物を守ることにもつながるのではないか」。そう考えるのは、長岡技術科学大学准教授であり、野生動物の獣害対策支援に取り組む株式会社うぃるこ代表取締役の山本麻希さんだ。

 

後編では山本さんに、都会と田舎の野生動物に対する考え方の違いや、獣害被害を受けやすい地域における課題、獣害問題を解決するためにできることなどについて話を聞いた。
 

※本記事は、「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた2/3のライブ勉強会『【動物との共生vol.2〜駆除される動物〜】「害獣」を「野生動物」に戻す獣害対策とは』の内容をもとに記事化した後編です。

 

<山本麻希さん>
長岡技術科学大学の准教授として地域の獣害対策に関わる傍ら、2011年に獣害対策の支援団体(現NPO法人新潟ワイルドライフリサーチ)を設立。また2015年より、一般社団法人ふるさとけものネットワークの代表として、獣害対策のプロをつくる「けもの塾 」を開催している。2018年、VCファンドからシード出資を受け株式会社うぃるこを設立し代表取締役に就任。科学的アプローチと、培ってきた現場力を武器に「野生動物と人間の共存」を目指して活動している。

過疎高齢化と獣害対策の関係性

獣害対策について考えるとき、都会と田舎に暮らす人では、やはり当事者意識に温度差があると山本さんは言う。

  

「私が住む新潟県長岡市の山側の地域では、庭にある柿の木に毎日のように熊が来ている、という人もいます。住人も『また来たか』という感じで、いちいち驚かない。一方で、都会に熊やイノシシが出るとみんなとてもびっくりしたり、目撃談が出て話題になったりしますよね。

 

都会の人が野生動物を殺す映像などを見ると『かわいそう』という気持ちが芽生えるかもしれません。ですが、獣害の被害に遭っている農村部の人は必ずしも同じ気持ちではなくて『野生動物は殺すべき』『山に熊や猿を放つな』という発想をする人も少なくないんです。

 

私は、農作物を守るためだけに動物の命が失われるのは違うと思っています。電気柵を張るなど、殺さずに撃退する方法がある。現在は国の補助金で導入できるのですから、少し手間をかけてでも設置する労力を惜しまないほうが、人間も動物も幸せになると思うんです。

 

それに、有害捕獲の費用も税金で賄われていますし、たとえば猿の場合、むやみに殺すとかえって管理がうまくいかなくなることもある。結局、殺すことが命と税金の無駄遣いになってしまいます」と、山本さんは話す。

 

また、野生動物が生息するような地域で暮らしたり、そこで農業を営んだりしている人のほとんどが、高齢者という現状もある。

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CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
98
no.
99
温暖化対策
no.
100
no.
101
組織論
no.
102
no.
103
キャリア
no.
104
no.
105
復興
no.
106
no.
107
コミュニティナース
no.
108
no.
109
MaaS
no.
110
no.
111
地球温暖化
no.
112
セックスワーカー
no.
113
no.
114
感染症とワクチン
no.
115
no.
116
大学生の貧困
no.
117
no.
118
温暖化対策
no.
119
no.
120
同性婚
no.
121
no.
122
フェアトレード
no.
123
no.
124
シェアハウス
no.
125
no.
126
飲食業
no.
127
感染症とワクチン
no.
128
no.
129
国際報道
no.
130
no.
131
社会的養護
no.
132
no.
133
認知症
no.
134
no.
135
入管法
no.
136
no.
137
国際問題
no.
138
no.
139
コミュニティ
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
吃音
no.
146
no.
147
コンサル×社会課題解決
no.
148
no.
149
いじめ
no.
150
no.
151
社会課題×事業
no.
152
no.
153
社会課題×映画
no.
154
no.
155
感染症とワクチン
no.
156
no.
157
社会教育士
no.
158
no.
159
山岳遭難
no.
160
no.
161
支援者支援
no.
162
no.
163
いじめ
no.
164
no.
165
ゲーム依存
no.
166
no.
167
トランスジェンダーとスポーツ
no.
168
no.
169
うつ病患者の家族
no.
170
no.
171
パラスポーツ
no.
172
no.
173
代替肉
no.
174
no.
175
弱いロボット
no.
176
no.
177
戦争継承
no.
178
no.
179
女性の社会参画
no.
180
no.
181
子どもの居場所
no.
182
no.
183
感染症とワクチン
no.
184
no.
185
デジタル社会
no.
186
no.
187
若年女性の生きづらさ
no.
188
no.
189
ゼブラ企業
no.
190
no.
191
多胎児家庭の困難
no.
192
no.
193
ソーシャルイノベーション
no.
194
no.
195
ジェンダー
no.
196
no.
197
毒親
no.
198
no.
199
葬儀
no.
200
no.
201
感染症とワクチン
no.
202
no.
203
子どもの安全
no.
204
no.
205
優生思想
no.
206
no.
207
感染症とワクチン
no.
208
no.
209
障害
no.
210
no.
211
水産資源
no.
212
no.
213
教育格差
no.
214
no.
215
障害と性
no.
216
no.
217
医療
no.
218
no.
219
シングルマザー
no.
220
no.
221
多文化共生
no.
222
no.
223
誹謗中傷
no.
224
no.
225
児童労働
no.
226
no.
227
不登校
no.
228
no.
229
政治
no.
230
no.
231
食料危機
no.
232
no.
233
お金と社会課題
no.
234
no.
235
震災
no.
236
no.
237
まちづくり
no.
238
no.
239
精子提供
no.
240
no.
241
選挙
no.
242
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
243
クラウドファンディング
no.
244
レイシャルプロファイリング
no.
245
子育てと科学的根拠
no.
246
高齢者雇用
no.
247
介護
no.
248
no.
249