問題の認知、支援を広げていくためには――若年介護の苦悩(後編)
問題の認知、支援を広げていくためには――若年介護の苦悩(後編)
「なんとか、家族で乗り越えてきました」「その場が暗くなるのでカミングアウトできなくて」「自分がヤングケアラーだと知って、はじめて人生が肯定された気がしました」――。
高校生の頃から母親の介護に携わってきた宮﨑成悟さんは、そう話す。
宮﨑さんはいま、Yancle(ヤンクル)という事業を立ち上げ、自身と同じような経験を持つヤングケアラー・若者ケアラーの就職・転職支援や、オンラインコミュニティの運営などを行っている。
ヤングケアラー・若者ケアラーとは、要介護状態の家族のために大人が担うようなケアの責任を引き受け、家事や家族の世話、感情面のサポートも行う子どもや若者のことを指す。
後編では、法整備が進むイギリスと支援の遅れる日本との違い、若年介護と他の社会問題との連関性や、「ラベリングに救われた」という宮﨑さんの思いについて聞いていく。
※本記事は、「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた5/20のライブ勉強会「当事者が語る『若年介護』のリアルな実態」の内容をもとに記事化した後編です。
1989年生まれ。日本光電工業株式会社、株式会社エス・エム・エス、医療系ベンチャー企業を経て、現在に至る。日本ケアラー連盟ヤングケアラープロジェクトに参加。ボーダレスジャパンアカデミー1期生。ジャパンソーシャルビジネスサミットにて最優秀賞とオーディエンス賞をW受賞。
法整備が進むイギリスと、いまだ支援が十分でない日本
日本ではヤングケアラー・若者ケアラーの社会的支援がまだまだ足りていないのが現状だ。2020年3月31日、埼玉県で日本初のケアラー支援条例が成立したが、法整備に関してはいまだ国内で十分に進められていない。
埼玉のケアラー支援条例の趣旨:ケアラーの支援に関し、基本理念を定め、県の責務並びに県民、事業者及び関係機関の役割を明らかにするとともに、ケアラーの支援に関する施策の基本となる事項を定めることにより、ケアラーの支援に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって全てのケアラーが健康で文化的な生活を営むことができる社会の実現を目指すもの
一方、たとえばイギリスでは「2014年子どもと家族に関する法律」により、家族の介護をしている18歳未満のヤングケアラーが要支援児童として位置付けられ、自治体によるアセスメントの実施、適切なサービスの提供が義務付けられている。
また、18歳以上の若者ケアラーについても「2014年ケア法」により、アセスメント等の実施が義務付けられている。
宮﨑さんは日本とイギリスの違いについて、次のように話す。

ニュースに潜む社会課題をキャッチ!リディラバジャーナル
続きをみるこんにちはリディラバジャーナルです。もうすぐ、子どもたちの夏休みが始まります。いまや子どもたちの居場所は、公園や図書館だけではありません。SNSやオンラインゲームを通じて、友達と話したり、学校や家庭とは異なるつながりを得たりする機会も増えています。SNSやゲームそのものが悪いわけではありません。好きなものでつながれる相手に出会えたり、学校や家庭とは違う関係に救われたりすることもあります。ただ、そのつながりが、思わぬ被害の入り口になってしまうこともあります。警察庁の統計では、SNSをきっかけとする性被害は高い水準で推移し、とりわけ小学生の被害は近年増加しています(※1)。
「知らない人とやり取りしなければ、防げるのではないか?」「自分で撮って送ったなら、本人にも責任があるのではないか?」そう感じる人もいるかもしれません。ただ、自画撮り被害の背景には、相手が時間をかけて関係を築き、子どもを断りにくい状況へ追い込んでいく過程があること。そして被害に遭った子どもが、「怒られる」「責められる」と感じて、誰にも言い出せなくなっていくことがあります。この記事では、自画撮り被害を子どもの不注意や自己責任だけで捉えず、その手前で何が起きているのか、そして被害を防ぐために周囲や社会に何ができるのかを考えていきます。
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