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公開日: 2021/6/10(木)

貧困の連鎖から脱却するために必要なこと――若きアントレプレナーが見たサブサハラ・アフリカ(後編)

公開日: 2021/6/10(木)
公開日: 2021/6/10(木)

貧困の連鎖から脱却するために必要なこと――若きアントレプレナーが見たサブサハラ・アフリカ(後編)

公開日: 2021/6/10(木)

前編では通称サブサハラ・アメリカと呼ばれる国々の現状に触れたが、特にガーナ国内の貧困の格差は根強く残っている。
 
世界銀行によると、2016年時点の国内の貧困率は、首都がある地域では5.2%にとどまる一方、北部の農村地帯では45.2%となっている。 
 
現地で小規模農家向けの事業を営む牧浦土雅さんは、その原因の一つに「教育の格差」があると訴える。都市部に比べ農村部の就学率が低いことが、農村に支援が行き届かず、貧困から抜け出せない仕組みが変わらない要因となっているという。
 
後編では、なぜ農村地帯での教育が進まないのか、リディラバ代表の安部敏樹と対談。新型コロナウイルスの影響で海外に行く機会が減少する中での国際協力の意義や、牧浦さんの事業の今後の展望についても聞いた。
 

※本記事の取材は「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた2021/3/4のライブ勉強会『【国際問題を自分ごとにVol.1】「援助」は途上国を豊かにするのか〜理想論で終わらせない国際協力〜』で行われました。リディラバジャーナルの取材の様子は「リディ部」でご覧いただけます。

 

<牧浦土雅さん>
Degas株式会社 代表取締役。2012年以降、東アフリカはじめ5ヶ国以上(ルワンダ、インドネシア、フィリピンetc)に住み、オンライン教育からヘルスケアまで幅広い事業を立ち上げる。国連と共同開発した人工衛星解析サービス“Next Space”の代表も務める。第28回国家戦略特別区域諮問会議に出席し、サンドボックス特区創設を首相・関係閣僚に、カルロス・ゴーン日産自動車会長(当時)らと共に提言。Wedge誌『平成から令和へ 新時代に挑む30人』等に選出。趣味は能楽と農学。 

格差を生み続ける 「貧困な教育」

 牧浦土雅  貧困問題に関しては、とにかく教育水準を上げていくことが一番大切なことだと思っています。現地では「時間を守らない」とか「借りたものを返さない」とか、さまざまな課題がありますが、それはそもそもの基礎教育がなってないからだというところがあります。 
 
農村では「村長の長男だけが唯一高校を出た」とか、都市部との格差も大きいです。教育水準が低いと返済の話ができなかったり、新しいことにチャレンジしなくなったりする。
 
たとえば、我々はとうもろこしの生産量を上げるため、輸入した種を農家に提供しているのですが、2020年は干ばつで全然雨が降らなくて、収穫量が下がってしまった。 
 
雨が理由なのに、農家からすると「お前たちのせいだ」となるわけですよ。そういう間違った固定概念みたいなのが結構あります。 
 
彼ら彼女らの考えを教育を通じて変えていくのは大変です。ただ、国として見たときに、比較的教育水準の高いルワンダは、人件費は高いけれども良質な人材が生まれている側面があります。

 

 安部敏樹  とはいえ、現状としては「そもそも現地に学校がない」ということもありますよね。 

 

(写真 安部敏樹)

 

 牧浦  「学校をつくることが最優先課題なのか」という話はあると思います。 
 
現地では、親御さんが農家で、子どもは収穫とか種まきのときに一か月ぐらい手伝わなきゃいけないというケースがとても多い。これがいわゆる「児童労働」と世界中のNPOからバッシングされています。でも、親御さんたちもさせたくてさせてるわけじゃないんです。 
 
現地の人はみんな、「3食きちんと食べられて、子ども全員が大学に行けて、家族が幸せになる」という希望を言います。 
 
ただ小学校すら卒業できなくて、親の手伝いをしてそのまま農地も引き継いで、農家でやっていくという負のサイクルがあるので、これを脱却しないといけません。 
 
それを考えると「所得水準の底上げ」が急務です。我々としては、まず自助的で持続的なモデルを現地でつくって落とし込むことが大事なのではないかと思っています。

海外への関心で生まれる主体性

 安部  国際協力の話をすると、「日本だってこんなに問題あるんだから、寄付するのではなくそちらにお金を使うべき」という批判がよく出ますが、それについてはどう思われますか。

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CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
98
no.
99
温暖化対策
no.
100
no.
101
組織論
no.
102
no.
103
キャリア
no.
104
no.
105
復興
no.
106
no.
107
コミュニティナース
no.
108
no.
109
MaaS
no.
110
no.
111
地球温暖化
no.
112
セックスワーカー
no.
113
no.
114
感染症とワクチン
no.
115
no.
116
大学生の貧困
no.
117
no.
118
温暖化対策
no.
119
no.
120
同性婚
no.
121
no.
122
フェアトレード
no.
123
no.
124
シェアハウス
no.
125
no.
126
飲食業
no.
127
感染症とワクチン
no.
128
no.
129
国際報道
no.
130
no.
131
社会的養護
no.
132
no.
133
認知症
no.
134
no.
135
入管法
no.
136
no.
137
国際問題
no.
138
no.
139
コミュニティ
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
吃音
no.
146
no.
147
コンサル×社会課題解決
no.
148
no.
149
いじめ
no.
150
no.
151
社会課題×事業
no.
152
no.
153
社会課題×映画
no.
154
no.
155
感染症とワクチン
no.
156
no.
157
社会教育士
no.
158
no.
159
山岳遭難
no.
160
no.
161
支援者支援
no.
162
no.
163
いじめ
no.
164
no.
165
ゲーム依存
no.
166
no.
167
トランスジェンダーとスポーツ
no.
168
no.
169
うつ病患者の家族
no.
170
no.
171
パラスポーツ
no.
172
no.
173
代替肉
no.
174
no.
175
弱いロボット
no.
176
no.
177
戦争継承
no.
178
no.
179
女性の社会参画
no.
180
no.
181
子どもの居場所
no.
182
no.
183
感染症とワクチン
no.
184
no.
185
デジタル社会
no.
186
no.
187
若年女性の生きづらさ
no.
188
no.
189
ゼブラ企業
no.
190
no.
191
多胎児家庭の困難
no.
192
no.
193
ソーシャルイノベーション
no.
194
no.
195
ジェンダー
no.
196
no.
197
毒親
no.
198
no.
199
葬儀
no.
200
no.
201
感染症とワクチン
no.
202
no.
203
子どもの安全
no.
204
no.
205
優生思想
no.
206
no.
207
感染症とワクチン
no.
208
no.
209
障害
no.
210
no.
211
水産資源
no.
212
no.
213
教育格差
no.
214
no.
215
障害と性
no.
216
no.
217
医療
no.
218
no.
219
シングルマザー
no.
220
no.
221
多文化共生
no.
222
no.
223
誹謗中傷
no.
224
no.
225
児童労働
no.
226
no.
227
不登校
no.
228
no.
229
政治
no.
230
no.
231
食料危機
no.
232
no.
233
お金と社会課題
no.
234
no.
235
震災
no.
236
no.
237
まちづくり
no.
238
no.
239
精子提供
no.
240
no.
241
選挙
no.
242
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
243
クラウドファンディング
no.
244
レイシャルプロファイリング
no.
245
子育てと科学的根拠
no.
246
高齢者雇用
no.
247
介護
no.
248
no.
249