誰でも、いつからでも社会課題解決に携わることはできる――ユーグレナ副社長が考える「社会課題解決とキャリア」(後編)
誰でも、いつからでも社会課題解決に携わることはできる――ユーグレナ副社長が考える「社会課題解決とキャリア」(後編)
「社会を変えたい」「自分が働いて社会をよくしていきたい」と考え、学生時代から社会課題解決のために行動を起こす人たちもいる。
しかし、株式会社ユーグレナ取締役副社長の永田暁彦さんは、何歳からでもどんな人でも社会課題解決に携わることはできるし、それをもっと社会が許容していくべきだと考えている。
今回は永田さんとリディラバ代表の安部敏樹が、社会課題解決とキャリアについて討論。後編では、社会課題解決に対する世の中の捉え方への課題や、社会をよくしていくための取り組みを仕事にするうえで意識していることについて語った。
※本記事の取材は「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた2/5のライブ勉強会『私は、社会課題解決を仕事にする。~社会貢献の視点からキャリアを考える~』で行われました。リディラバジャーナルの取材の様子は「リディ部」でご覧いただけます。
株式会社ユーグレナ取締役副社長。慶応義塾大学商学部卒。独立系プライベート・エクイティファンドに入社し、プライベート・エクイティ部門とコンサルティング部門に所属。2008年にユーグレナ社の取締役に就任。 ユーグレナ社の未上場期より事業戦略、M&A、資金調達、資本提携、広報・IR、管理部門を管轄。技術を支える戦略、ファイナンス分野に精通。現在はCOO 兼ヘルスケアカンパニー長 としてユーグレナ社の食品から燃料、研究開発など全ての事業執行を務めるとともに、日本最大級の技術系 VC「リアルテックファンド」の代表を務める。
株式会社ユーグレナHP:https://www.euglena.jp/
社会課題解決に携わるのはいつからでもいい
安部敏樹 社会課題を仕事にしていくことを考えた人がぶつかりがちなことのひとつに、いわゆる「原体験ハラスメント」があります。
社会課題解決の活動をしようとしたとき、「それをやろうと思ったあなたの原体験はなんですか」と聞かれることがありますよね。でも、そんなに派手な原体験がないといけないのか、そもそも必要不可欠なものなのかと疑問に思います。
永田暁彦 たとえば、大学入学を機に外見やキャラを変えたりすることを大学デビューと呼びますが、「別にいつからデビューしたっていいじゃん」と思います。大学デビューをするよりも、中学からイケてた人のほうが偉いみたいな風潮がありますよね。
社会貢献もそうで、解決に取り組みたい人は中高生のころから問題意識を持っていて、早い段階で行動してきた人なんだろう、というイメージを持たれがちだなとは思います。
ほかにも「社会貢献をする人は、人間として正しくなくてはならない」「急に社会問題を解決したいなんて思うはずがない。嘘なんじゃないか」という捉え方をされることもありますよね。
でも、たとえば35歳までお金を稼ぐことしか考えてなかった人が、36歳から社会のために生きると決めたとしたら、それは肯定すべきことだと思うんです。
安部 そうですね。「お金を稼ぐことが一番」という価値観でいた人が、ある程度年齢を重ねてから「本当の価値はそうではない」と路線変更できるのは、むしろ褒められるべきことなんじゃないのかなと思います。
(pixabay)
永田 私は研究者の支援をしていますが、日本の場合「研究者とは清貧であるべき」という風潮があると感じます。
でも、研究を成功させたらお金持ちになるとかすごくモテるようになるとか、そういうモチベーションがあるほうが絶対にいいと思うんですね。そのほうがやりたいと思う人が増えて、人もお金もそちらに流れていくことになりますから。
社会貢献においても、行動したら人からすごく褒めてもらえたり、周囲から当たり前のように「素晴らしいことをしているね」と評価される社会になったほうがいいと思っています。
いまは世の中が社会問題解決を高尚なものと考えすぎていて、それが参加をむずかしくしていると感じます。どんな人でも、どんなきっかけからでも参加できればいいと思います。
結果よりもプロセスそのものが幸せ
安部 僕は、社会貢献に関する組織で働くと「人生のピークを後ろに持って来やすい」ところがすごくいいなと思うんです。たとえば野球選手だったら、30〜40代の頃にはピークを迎えることが多いですよね。
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