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公開日: 2021/7/27(火)

住民一人ひとりの当事者意識を育む「社会教育士」とは――地域課題を解決に導く存在とその使命(前編)

公開日: 2021/7/27(火)
公開日: 2021/7/27(火)

住民一人ひとりの当事者意識を育む「社会教育士」とは――地域課題を解決に導く存在とその使命(前編)

公開日: 2021/7/27(火)

2020年度、文部科学省(以下文科省)は「社会教育士」という制度を新設した。 

 

文科省のホームページによれば、社会教育士には「地域の思いに寄り添った長期的な地域づくりのビジョンを持ち、地域活動や市民活動を持続的に展開していく役割が期待されている」とある。

 

では、そもそも社会教育士とはどのようなものなのか。今回は社会教育士や社会教育の振興に関する業務に携わっている文科省の吉村奏さんと、実際に社会教育士として島根県益田市で活動している山﨑萌果さんに話を聞いた。 

 

(提供 文部科学省)

 

※本記事の取材は「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた2021/6/18のライブ勉強会「『社会教育士』の仕事に迫る」で行われました。リディラバジャーナルの取材の様子は「リディ部」でご覧いただけます。

 

<山﨑萌果さん>
1996年生まれ。大阪府出身。高校で出会った先生に憧れ、高校の英語科教員を志す。大学在学中に、教育を学びたいと1年間フィンランドに留学したことを転機に、公教育だけでない教育のあり方に関心を持つように。卒業後Demo(武田緑事務所)に参画し、エデュコレ・EDUTRIPなどの運営に関わる中で、島根県の魅力化事業に出会う。コーディネーターという立場で探究学習に関わることを通して、人と人が共に学び合い続ける社会を創っていきたいと思うようになり、2020年4月より島根県益田市に移住。同時期に立ち上がった一般社団法人豊かな暮らしラボラトリー(ユタラボ)の職員となる。その後半年間、島根大学の社会教育主事講習を受講し、社会教育士・地域教育魅力化コーディネーターの称号を取得(※地域教育魅力化コーディネーターは島根大学独自の称号)。今年度は本講習にサポーターとして、運営にも携わっている。

 

<吉村奏さん>
2019年文部科学省入省。学びを通じた地域づくりをミッションにする地域学習推進課で、社会教育の振興に関する様々な業務に携わる。社会教育士制度の推進を担当し、全国の社会教育主事・社会教育士の話を聞き、実践に密着しながら、PR動画や特設サイト等の制作、noteの記事執筆などの広報を展開し、社会教育士や社会教育の魅力発信に向け日々奮闘中。趣味は週末農業。 

豊かな地域をつくる「社会教育士」 

社会には、学校教育以外にも多く学びの場が設けられており、それらは「社会教育」と呼ばれている。

 

教育基本法によれば、社会教育とは「学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーションの活動を含む)」とされている。

 

地域の課題を解決するために場をつくって話し合うのも、カルチャースクールや図書館・公民館でイベントを開催したりそれに参加するのも、すべて「社会教育」に当てはまる。 

 

「社会教育という言葉は知らないけれど、実は社会教育活動をしているという人はたくさんいます」と吉村さんは話す。 

 

もともと教育委員会には、こうした社会教育活動を行う者に対して専門的・技術的な助言、指導をする「社会教育主事」という職員を置くこととされている。

 

社会教育士制度は、この社会教育主事になるために修得すべき科目等を定めた社会教育主事講習等規程の一部改正によってできた制度だ。

 

改正のポイントは大きく二つあり、一つは修得すべき科目が変更・改善されたこと、そしてもう一つは講習を修了した者等が「社会教育士」という称号を名乗れるようになったこと。

 

特に後者について、吉村さんは「これまでは『社会教育士』というような称号が無かったことで、その存在の必要性を伝えたり、講習で身につけた社会教育の専門性を認知してもらえないという課題がありました」と話す。

 

また、社会教育士の役割を吉村さんは次のように説明する。 

 

「地域では住民同士のつながりが弱まり、孤立化や子どもの貧困など、たくさんの課題が出てきています。これらの課題は当事者だけが努力すれば解決できるものではなく、地域に住む一人ひとりが当事者意識を持たないと解決できないと考えています。 

 

そのためには『忙しい』『面倒だ』『自分には関係ない』と思っている人たちにも前向きな気持ちを持ってもらうことが必要で、社会教育士はそのためのきっかけづくりを『学びを仕掛ける』ということを通して行っています。 

 

そして、そういったきっかけとなる『学び』を社会のいたるところに仕掛け、豊かな地域づくりへの展開を支援していく。それが社会教育士の役割です」 

 

(写真 吉村奏さん)

先生ではない立場でも教育に携われる

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CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
98
no.
99
温暖化対策
no.
100
no.
101
組織論
no.
102
no.
103
キャリア
no.
104
no.
105
復興
no.
106
no.
107
コミュニティナース
no.
108
no.
109
MaaS
no.
110
no.
111
地球温暖化
no.
112
セックスワーカー
no.
113
no.
114
感染症とワクチン
no.
115
no.
116
大学生の貧困
no.
117
no.
118
温暖化対策
no.
119
no.
120
同性婚
no.
121
no.
122
フェアトレード
no.
123
no.
124
シェアハウス
no.
125
no.
126
飲食業
no.
127
感染症とワクチン
no.
128
no.
129
国際報道
no.
130
no.
131
社会的養護
no.
132
no.
133
認知症
no.
134
no.
135
入管法
no.
136
no.
137
国際問題
no.
138
no.
139
コミュニティ
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
吃音
no.
146
no.
147
コンサル×社会課題解決
no.
148
no.
149
いじめ
no.
150
no.
151
社会課題×事業
no.
152
no.
153
社会課題×映画
no.
154
no.
155
感染症とワクチン
no.
156
no.
157
社会教育士
no.
158
no.
159
山岳遭難
no.
160
no.
161
支援者支援
no.
162
no.
163
いじめ
no.
164
no.
165
ゲーム依存
no.
166
no.
167
トランスジェンダーとスポーツ
no.
168
no.
169
うつ病患者の家族
no.
170
no.
171
パラスポーツ
no.
172
no.
173
代替肉
no.
174
no.
175
弱いロボット
no.
176
no.
177
戦争継承
no.
178
no.
179
女性の社会参画
no.
180
no.
181
子どもの居場所
no.
182
no.
183
感染症とワクチン
no.
184
no.
185
デジタル社会
no.
186
no.
187
若年女性の生きづらさ
no.
188
no.
189
ゼブラ企業
no.
190
no.
191
多胎児家庭の困難
no.
192
no.
193
ソーシャルイノベーション
no.
194
no.
195
ジェンダー
no.
196
no.
197
毒親
no.
198
no.
199
葬儀
no.
200
no.
201
感染症とワクチン
no.
202
no.
203
子どもの安全
no.
204
no.
205
優生思想
no.
206
no.
207
感染症とワクチン
no.
208
no.
209
障害
no.
210
no.
211
水産資源
no.
212
no.
213
教育格差
no.
214
no.
215
障害と性
no.
216
no.
217
医療
no.
218
no.
219
シングルマザー
no.
220
no.
221
多文化共生
no.
222
no.
223
誹謗中傷
no.
224
no.
225
児童労働
no.
226
no.
227
不登校
no.
228
no.
229
政治
no.
230
no.
231
食料危機
no.
232
no.
233
お金と社会課題
no.
234
no.
235
震災
no.
236
no.
237
まちづくり
no.
238
no.
239
精子提供
no.
240
no.
241
選挙
no.
242
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
243
クラウドファンディング
no.
244
レイシャルプロファイリング
no.
245
子育てと科学的根拠
no.
246
高齢者雇用
no.
247
介護
no.
248
no.
249