no.
87
1年の振り返り
公開日: 2021/2/12(金)
更新日: 2023/3/27(月)

日々のニュースから切り開く未来の社会——激動の2020年を振り返る(後編)

公開日: 2021/2/12(金)
更新日: 2023/3/27(月)
no.
87
1年の振り返り
公開日: 2021/2/12(金)
更新日: 2023/3/27(月)

日々のニュースから切り開く未来の社会——激動の2020年を振り返る(後編)

公開日: 2021/2/12(金)
更新日: 2023/3/27(月)

ジャーナリストの津田大介さんとリディラバ代表の安部敏樹が2020年を振り返る対談。

 

コロナ禍に右往左往した2020年に流れた日々のニュースからどんな問題が見えるのか。私たちはそこにどう関わっていくことができるのか。

 

後編では個別のニュースをひもときながら、現代社会の問題の構造や今後の展望について、自らメディアをつくり、社会への働きかけを続ける二人が縦横無尽に語り合った。

 

※本記事は、「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた12/25のライブ勉強会「2020年総集編!1年を振り返るあべとしきのニュース解説」の内容をもとに記事化した後編です。

 

<津田大介さん>
ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ポリタス編集長。1973年生まれ。東京都出身。早稲田大学社会科学部卒。早稲田大学文学学術院教授。大阪経済大学情報社会学部客員教授。テレ朝チャンネル2「津田大介 日本にプラス+」キャスター。J-WAVE「JAM THE WORLD」ニュース・スーパーバイザー。一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)代表理事。メディアとジャーナリズム、著作権、コンテンツビジネス、表現の自由などを専門に執筆活動を行う。近年は地域課題の解決や社会起業、テクノロジーが社会をどのように変えるかをテーマに取材を続ける。

ナイキのCMに対する批判をどう見るか

 安部敏樹  後編では、最近話題になったことやニュースになったことをいくつか取り上げたいと思います。

 

まずは、ナイキのCM「動かしつづける。自分を。未来を。 The Future Isn’t Waiting. | Nike」が話題になった件についてです。

 

3人の少女が、サッカーをすることで、エスニシティを理由とした差別やいじめからから解放されていくことを表現したCMで、アスリートの実体験に基づいたストーリーとされています。このCMについて賛否がわかれていますが、津田さんはどのように見ていますか。

 

 津田大介  良いCMだと思いましたが、クレームをつけている人たちは、「日本人全員が差別しているわけでもないのに、日本に差別が蔓延しているかのように描くのは問題だ」と言っています。

 

しかしYouTubeのコメント欄には差別的な言葉も多く、やはり日本に差別が蔓延していることの証明になってしまっていますよね。

 

(写真 津田大介さん)

 

また、こうした問題に向き合っていること自体は素晴らしいと思うのですが、ひどい抑圧やヘイトクライムなどに向き合っている当事者や僕からすると、「ぬるい」とも感じます。

 

たとえば川崎市の多文化交流施設に、「在日韓国朝鮮人をこの世から抹殺しよう」と書かれた年賀状が届いたというようなことは伝わってこないですし、「いろいろ大変だったけどスポーツの力で乗り切ろう」という話ですから。

 

ちなみにナイキは、90年代に児童労働など労働環境に問題があって、アメリカの大学生の不買運動によって経営的にかなりダメージを受けてから変わっていったという歴史があります。

 

トランプ大統領が就任した頃に、星条旗に敬礼しないでひざまずいたことでバッシングされNFLから追放されたアメフト選手を、2年後にナイキの有名なスローガン「Just Do It」の30周年記念キャンペーン広告塔に起用したら、ナイキのオンライン売上がすごく上がって、かつ、株価も最高になった。

 

あくまでもマーケティングなんですよ。それに、アメリカには若い人が多いから、あのCMに怒るような人には「じゃあ買わなくていいですよ」と言えると思います。

 

 安部  若い世代がどんどん減っていく日本で、こういったCMがどれぐらい機能し続けるかは結構悩ましいですね。

 

 津田  機能しないので、別のやり方をしなきゃいけないですよね。最近関心があって調べているのは、アメリカの社会運動家のラルフ・ネーダーです。

※リディラバジャーナルについてもっと知りたい方はコチラ
イシューから探す
×
CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
100
no.
101
温暖化対策
no.
102
no.
103
組織論
no.
104
no.
105
キャリア
no.
106
no.
107
復興
no.
108
no.
109
コミュニティナース
no.
110
no.
111
MaaS
no.
112
no.
113
地球温暖化
no.
114
セックスワーカー
no.
115
no.
116
感染症とワクチン
no.
117
no.
118
大学生の貧困
no.
119
no.
120
温暖化対策
no.
121
no.
122
同性婚
no.
123
no.
124
フェアトレード
no.
125
no.
126
シェアハウス
no.
127
no.
128
飲食業
no.
129
感染症とワクチン
no.
130
no.
131
国際報道
no.
132
no.
133
社会的養護
no.
134
no.
135
認知症
no.
136
no.
137
入管法
no.
138
no.
139
国際問題
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
コミュニティ
no.
146
no.
147
吃音
no.
148
no.
149
コンサル×社会課題解決
no.
150
no.
151
いじめ
no.
152
no.
153
社会課題×事業
no.
154
no.
155
社会課題×映画
no.
156
no.
157
感染症とワクチン
no.
158
no.
159
社会教育士
no.
160
no.
161
山岳遭難
no.
162
no.
163
支援者支援
no.
164
no.
165
いじめ
no.
166
no.
167
ゲーム依存
no.
168
no.
169
トランスジェンダーとスポーツ
no.
170
no.
171
うつ病患者の家族
no.
172
no.
173
パラスポーツ
no.
174
no.
175
代替肉
no.
176
no.
177
弱いロボット
no.
178
no.
179
戦争継承
no.
180
no.
181
女性の社会参画
no.
182
no.
183
子どもの居場所
no.
184
no.
185
感染症とワクチン
no.
186
no.
187
デジタル社会
no.
188
no.
189
若年女性の生きづらさ
no.
190
no.
191
ゼブラ企業
no.
192
no.
193
多胎児家庭の困難
no.
194
no.
195
ソーシャルイノベーション
no.
196
no.
197
ジェンダー
no.
198
no.
199
毒親
no.
200
no.
201
葬儀
no.
202
no.
203
感染症とワクチン
no.
204
no.
205
子どもの安全
no.
206
no.
207
優生思想
no.
208
no.
209
感染症とワクチン
no.
210
no.
211
障害
no.
212
no.
213
水産資源
no.
214
no.
215
教育格差
no.
216
no.
217
障害と性
no.
218
no.
219
医療
no.
220
no.
221
シングルマザー
no.
222
no.
223
多文化共生
no.
224
no.
225
誹謗中傷
no.
226
no.
227
児童労働
no.
228
no.
229
不登校
no.
230
no.
231
政治
no.
232
no.
233
食料危機
no.
234
no.
235
お金と社会課題
no.
236
no.
237
震災
no.
238
no.
239
まちづくり
no.
240
no.
241
精子提供
no.
242
no.
243
選挙
no.
244
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
245
クラウドファンディング
no.
246
レイシャルプロファイリング
no.
247
子育てと科学的根拠
no.
248
高齢者雇用
no.
249
介護
no.
250
no.
251