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公開日: 2021/10/12(火)

市場価値の追求だけが目指すべき姿ではない――「利益」と「社会貢献」の両立を目指すゼブラ企業(前編)

公開日: 2021/10/12(火)
公開日: 2021/10/12(火)

市場価値の追求だけが目指すべき姿ではない――「利益」と「社会貢献」の両立を目指すゼブラ企業(前編)

公開日: 2021/10/12(火)

「ゼブラ企業」がにわかに注目を集め出している。


利益のみを追求する考え方とは一線を画し、持続可能な範囲で成長し、利益の先によりよい社会を生み出すことを目的とするゼブラ企業。


この認知を広め、ゼブラ企業に対する投資や経営支援を行うことで「ゼブラ経営」の社会実装を目指しているのが陶山裕司さんだ。今回は陶山さんに、そもそもゼブラ企業とはどういうものなのか、詳しく伺った。

 

※本記事の取材は「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた2021/9/22のライブ勉強会「100年続く持続可能なビジネスとは〜ゼブラ企業のあり方から考える〜」で行われました。リディラバジャーナルの取材の様子は「リディ部」でご覧いただけます。

 

<陶山祐司さん>
Zebras and Company 共同創業者 / 代表取締役。
(1) 社会課題解決と事業成長の両立、(2)株主のみならずステークホルダー全体への貢献、(3)短期的な時価総額向上よりも長期的な価値創出拡大を行う「ゼブラ企業」の普及拡大に取り組む。
元々は経産省で3.11を踏まえたエネルギー政策見直し、電機メーカーの競争力強化を担当。その後、VC/新規事業のコンサルタントとして、100億超の資金調達をした宇宙開発ベンチャーやIoTベンチャーの事業戦略策定、資金調達、サービス開発、営業の支援や政策提言等を実施。2018年に独立し、SIIF(社会変革推進財団)におけるインパクト投資の促進や、ガバメント・リレーションズの普及に従事。2021年にZebras and Companyを共同創業。

「ユニコーン企業」と「ゼブラ企業」

近年のビジネス界で注目を浴びてきたのは、「ユニコーン企業」と呼ばれる「時価総額10億ドル以上の未上場のスタートアップ」だ。


スタートアップ企業の動向を調査・分析する米CBインサイツによれば、2021年9月時点で世界にはアメリカ・中国を筆頭に800を超えるユニコーン企業が存在。日本ではスマートニュースやSmartHRなど、6社が該当する。
 
政府も2020年の成長戦略で「2025年までにユニコーン企業を50社創出する」との目標を示し、スタートアップ支援に力を入れる。
 
ユニコーン企業は「投資家へのリターンを最大化するために、市場を独占し、とにかく自分たちの時価総額を高くしようと考えがちです」と陶山さんは話す。

 
一方、ユニコーン企業のアンチテーゼとして、アメリカの4人の女性起業家によって提唱されたのが「ゼブラ企業」だ。
 
「たとえば日本でもそうですが、シリコンバレーなどでも顕著なのが、投資する側もお金を受け取る起業家もほとんどが男性ということです。
 
アメリカでは白人男性にとにかくお金が集まりやすい構造があります。そして彼らが短期的で爆発的な成長を目指し、低い成功確率の中、ハイリスクハイリターンの事業に挑戦します。
 
そのような金融やスタートアップの仕組みがいかにおかしいかということを、2016年に女性起業家たちがブログに書いたところ世界中でバズったんです」
 
想像上の生き物であるユニコーンに対し、あくまで実在し、黒と白という対極のカラーを身にまとうゼブラ。その姿に「地道な経済成長」と「社会貢献」の両立を目指す企業の姿を重ね合わせた。

 

(写真AC)

 
共感の輪は草の根的に広がっており、現在、世界中に2万人ほどのコミュニティがあるという。
 
陶山さんは、ゼブラ企業には明確な定義はないものの、共通の特徴があると指摘する。

 

「一つ目は、まずは経済的な成長ではなく『こういう社会をつくりたいという思いが目的としてある』こと。利益はあくまで手段で、その先に目指すべき社会的価値があるんだという思いです。
 
次は『お金だけで成長できる企業ではない』ことです。たとえば、SNSなどはネットワーク効果が効くため、『お金で時間を買う』という発想が必要で、早い段階で大きな資金投下をできるか否かが競争力を左右します。
 
しかし、たとえば農業ではいくらお金を投入しても、作物が取れる回数が劇的に増えることはありません。人材育成だってお金だけではなく、時間をかけないと難しいですよね。
 
そして、三つ目の特徴が『株主だけではなく従業員や取引先、地域の人々などを包摂した長期的でインクルーシブな経営姿勢を掲げている』こと。最後に『ビジョンが共有され、行動が一貫している』ことです」

挑戦できる仕組みづくり

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CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
98
no.
99
温暖化対策
no.
100
no.
101
組織論
no.
102
no.
103
キャリア
no.
104
no.
105
復興
no.
106
no.
107
コミュニティナース
no.
108
no.
109
MaaS
no.
110
no.
111
地球温暖化
no.
112
セックスワーカー
no.
113
no.
114
感染症とワクチン
no.
115
no.
116
大学生の貧困
no.
117
no.
118
温暖化対策
no.
119
no.
120
同性婚
no.
121
no.
122
フェアトレード
no.
123
no.
124
シェアハウス
no.
125
no.
126
飲食業
no.
127
感染症とワクチン
no.
128
no.
129
国際報道
no.
130
no.
131
社会的養護
no.
132
no.
133
認知症
no.
134
no.
135
入管法
no.
136
no.
137
国際問題
no.
138
no.
139
コミュニティ
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
吃音
no.
146
no.
147
コンサル×社会課題解決
no.
148
no.
149
いじめ
no.
150
no.
151
社会課題×事業
no.
152
no.
153
社会課題×映画
no.
154
no.
155
感染症とワクチン
no.
156
no.
157
社会教育士
no.
158
no.
159
山岳遭難
no.
160
no.
161
支援者支援
no.
162
no.
163
いじめ
no.
164
no.
165
ゲーム依存
no.
166
no.
167
トランスジェンダーとスポーツ
no.
168
no.
169
うつ病患者の家族
no.
170
no.
171
パラスポーツ
no.
172
no.
173
代替肉
no.
174
no.
175
弱いロボット
no.
176
no.
177
戦争継承
no.
178
no.
179
女性の社会参画
no.
180
no.
181
子どもの居場所
no.
182
no.
183
感染症とワクチン
no.
184
no.
185
デジタル社会
no.
186
no.
187
若年女性の生きづらさ
no.
188
no.
189
ゼブラ企業
no.
190
no.
191
多胎児家庭の困難
no.
192
no.
193
ソーシャルイノベーション
no.
194
no.
195
ジェンダー
no.
196
no.
197
毒親
no.
198
no.
199
葬儀
no.
200
no.
201
感染症とワクチン
no.
202
no.
203
子どもの安全
no.
204
no.
205
優生思想
no.
206
no.
207
感染症とワクチン
no.
208
no.
209
障害
no.
210
no.
211
水産資源
no.
212
no.
213
教育格差
no.
214
no.
215
障害と性
no.
216
no.
217
医療
no.
218
no.
219
シングルマザー
no.
220
no.
221
多文化共生
no.
222
no.
223
誹謗中傷
no.
224
no.
225
児童労働
no.
226
no.
227
不登校
no.
228
no.
229
政治
no.
230
no.
231
食料危機
no.
232
no.
233
お金と社会課題
no.
234
no.
235
震災
no.
236
no.
237
まちづくり
no.
238
no.
239
精子提供
no.
240
no.
241
選挙
no.
242
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
243
クラウドファンディング
no.
244
レイシャルプロファイリング
no.
245
子育てと科学的根拠
no.
246
高齢者雇用
no.
247
介護
no.
248
no.
249