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公開日: 2023/1/10(火)

「ドレッドヘアの人は薬物をやっている」 不当な職務質問「レイシャルプロファイリング」の実態

公開日: 2023/1/10(火)
公開日: 2023/1/10(火)

「ドレッドヘアの人は薬物をやっている」 不当な職務質問「レイシャルプロファイリング」の実態

公開日: 2023/1/10(火)


「ドレッドヘアの人は薬物をやっている割合が多いので」

これは、アフリカ系にルーツを持つファッションモデル、エイベル中尾さんがある日、職務質問をしてきた警察官にかけられた言葉だ。

「友人たちと歩いていると、僕だけが警察官に止められて職務質問を受けました。3人の日本にルーツがある友人たちは声をかけられなかったのに、僕だけがです」

ドレッドヘアはアフリカにルーツを持つ人たちにとって、文化的・伝統的背景を持つ髪型だ。その髪型を薬物と結びつけた警察官の発言に中尾さんは驚いたという。

このように人種的・文化的特徴を理由として職務質問をすることは「レイシャルプロファイリング」と呼ばれ、差別的な行為として問題視されている。

中尾さんは日本で20回以上も職務質問を受けたが、イギリスに拠点を移して以降、職務質問を受けたことは一度もないという。

中尾さんは、日本で数々の職務質問を受けてきた背景を、次のように推察する。

「人種に限らず、特性やセクシュアリティなど、『人と違う』ということ対する理解がもう少し深まれば、レイシャルプロファイリングも自ずとなくなってくるんじゃないかと思います」

レイシャルプロファイリングをはじめ、警察の人種差別的な捜査や行為は、世界的に問題になっており、アメリカをはじめとする欧米諸国では、警察の実態調査も行われるようになった。

しかし日本では警察の人種差別的な職務質問について実態調査は行われず、その実態は明らかになっていなかった。

そこで「ハフポスト日本版」では、日本におけるレイシャルプロファイリングについて独自に調査を始めたという。調査を担当した、記者の國崎万智さんは次のように話す。

「ハフポストとして調査をしたところ、海外にルーツを持つ方やその家族等が職務質問の際に人権侵害だと感じたり嫌だと思ったりした体験が、329人の方々から寄せられました。

これほどたくさんの声が集まったのは正直驚きました」

レイシャルプロファイリングを受けた当事者の中尾さん、そして日本で初めて本格的に問題を調査した國崎さん。
ふたりのインタビューからは、日本社会に潜む人種差別の問題が浮かび上がってきた。

財布の中を執拗に嗅がれた
当事者の証言

中尾さんが頻繁に職務質問にあうようになったのは、中学3年生の頃だったという。

「初めて職務質問に遭ったのは、中学3年生の終わり頃でした。制服を着て自転車で地元の家電量販店に向かっているところだったと思います。

その当時は警察と関わる機会はなかったので、突然職務質問をされた時のショックは大きかったですね」

なぜ制服を着た中学生が、夜遅くでもないのに職務質問を受けたのか。中尾さんは警察官に理由を聞いたという。

「自転車の盗難がこの地域で流行っているので、自転車を調べさせてほしいと言われました。
ただ、正直なところ取ってつけたような理由で、今にして思えば建前のようなものだったと思います」

その後都心に引越した中尾さんは、中学3年の終わりから10回〜20回の職務質問を経験する。
夜に街を歩いている時に声をかけられることが多かったというが、都心で夜出歩いている人は決して珍しくない。

そして中尾さんがもっとも「ひどかった」と語るのが、冒頭でも紹介した警察官による職務質問だ。

「友達といつも通り街を歩いていたら、職務質問をされたんです。
僕は、友達も一緒に全員で職務質問を受けるのかなと思っていました。

ですが、一緒にいた友達3人は声をかけられずに、自分1人だけが対象となりました。

なぜ自分だけなんだと聞くと、警察官は『髪型だ』と答えました。

ドレッドヘアの人は薬物を使っている割合が多いので、声をかけさせてもらったと、はっきり言われました」

これはルーツや文化に紐づく特徴を理由とした、典型的なレイシャルプロファイリングだといえる。

中尾さんが受けてきた職務質問は、どのような内容だったのか。

「まず身分証を提出させられて、次に『お札を入れる場所になにか隠していることが多いから』と言われ、財布の中身を見られる。

次に、さらに手荷物も開けて見られ、最終的に身体検査みたいな感じで体を触られる。

徐々に要求レベルを上げていく、一連の流れを警察官の側が持っているように思えます」

そうして10〜20回も職務質問を受けてきた中尾さんだが、中にはこんな不快な体験もあったという。

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CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
98
no.
99
温暖化対策
no.
100
no.
101
組織論
no.
102
no.
103
キャリア
no.
104
no.
105
復興
no.
106
no.
107
コミュニティナース
no.
108
no.
109
MaaS
no.
110
no.
111
地球温暖化
no.
112
セックスワーカー
no.
113
no.
114
感染症とワクチン
no.
115
no.
116
大学生の貧困
no.
117
no.
118
温暖化対策
no.
119
no.
120
同性婚
no.
121
no.
122
フェアトレード
no.
123
no.
124
シェアハウス
no.
125
no.
126
飲食業
no.
127
感染症とワクチン
no.
128
no.
129
国際報道
no.
130
no.
131
社会的養護
no.
132
no.
133
認知症
no.
134
no.
135
入管法
no.
136
no.
137
国際問題
no.
138
no.
139
コミュニティ
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
吃音
no.
146
no.
147
コンサル×社会課題解決
no.
148
no.
149
いじめ
no.
150
no.
151
社会課題×事業
no.
152
no.
153
社会課題×映画
no.
154
no.
155
感染症とワクチン
no.
156
no.
157
社会教育士
no.
158
no.
159
山岳遭難
no.
160
no.
161
支援者支援
no.
162
no.
163
いじめ
no.
164
no.
165
ゲーム依存
no.
166
no.
167
トランスジェンダーとスポーツ
no.
168
no.
169
うつ病患者の家族
no.
170
no.
171
パラスポーツ
no.
172
no.
173
代替肉
no.
174
no.
175
弱いロボット
no.
176
no.
177
戦争継承
no.
178
no.
179
女性の社会参画
no.
180
no.
181
子どもの居場所
no.
182
no.
183
感染症とワクチン
no.
184
no.
185
デジタル社会
no.
186
no.
187
若年女性の生きづらさ
no.
188
no.
189
ゼブラ企業
no.
190
no.
191
多胎児家庭の困難
no.
192
no.
193
ソーシャルイノベーション
no.
194
no.
195
ジェンダー
no.
196
no.
197
毒親
no.
198
no.
199
葬儀
no.
200
no.
201
感染症とワクチン
no.
202
no.
203
子どもの安全
no.
204
no.
205
優生思想
no.
206
no.
207
感染症とワクチン
no.
208
no.
209
障害
no.
210
no.
211
水産資源
no.
212
no.
213
教育格差
no.
214
no.
215
障害と性
no.
216
no.
217
医療
no.
218
no.
219
シングルマザー
no.
220
no.
221
多文化共生
no.
222
no.
223
誹謗中傷
no.
224
no.
225
児童労働
no.
226
no.
227
不登校
no.
228
no.
229
政治
no.
230
no.
231
食料危機
no.
232
no.
233
お金と社会課題
no.
234
no.
235
震災
no.
236
no.
237
まちづくり
no.
238
no.
239
精子提供
no.
240
no.
241
選挙
no.
242
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
243
クラウドファンディング
no.
244
レイシャルプロファイリング
no.
245
子育てと科学的根拠
no.
246
高齢者雇用
no.
247
介護
no.
248
no.
249