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155
社会課題×事業
公開日: 2021/7/14(水)
更新日: 2023/3/27(月)

いかに事業を生み出し、どう伸ばしていくか――キリンホールディングスが推進する社会課題×事業(後編)

公開日: 2021/7/14(水)
更新日: 2023/3/27(月)
no.
155
社会課題×事業
公開日: 2021/7/14(水)
更新日: 2023/3/27(月)

いかに事業を生み出し、どう伸ばしていくか――キリンホールディングスが推進する社会課題×事業(後編)

公開日: 2021/7/14(水)
更新日: 2023/3/27(月)

日本でいち早くCSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)経営を打ち出し、社会課題を事業で解決することを目指してきたキリンホールディングス株式会社。

 

前編に引き続き、キリンホールディングス株式会社 ブランド戦略部 Kirin Well-being Design Labシニアフェローの太田恵理子さんに、CSV戦略を立てる上で行っているシナリオプランニングの意義や、今後の企業と社会課題の関係性などについて聞いた。
 

※本記事の取材は「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた2021/4/30のライブ勉強会「『社会課題を事業で解決』のリアル社会課題に挑む大企業の実態に迫る」で行われました。リディラバジャーナルの取材の様子は「リディ部」でご覧いただけます。

 

<太田恵理子さん>
キリンホールディングス株式会社 ブランド戦略部 Kirin Well-being Design Labシニアフェロー。東京大学社会心理学科卒業、キリングループでリサーチ・商品開発・メディアプランニングなどマーケティング全般に携わった後、2007年新設のキリン食生活文化研究所所長に就任。2017年10月よりシニアフェロー。2020年4月組織名称をKirin Well-being Design Labに変更。並行して社内の新規事業開発や、社外のアクセラレータープログラムにおける大企業メンターとして、スタートアップの支援も行っている。著書『消費トレンド2014-2018』(日経BP社)。

未来のシナリオをもとにアイデアを生み出す

前編で触れた「シナリオプランニング」を通じて、Kirin Well-being Design Labは現在、起きてほしくないが起こりうる不都合な未来も含めて、4つの異なる未来のシナリオを描いている。

 

・巨大テック企業が牛耳る、超競争社会
・中国が席巻する、行動監視と技術革新の社会
・無秩序な競争で深刻化した、格差社会
・サステナビリティに向かう、共助の社会

 

この4つのシナリオの中で、社会や生活者にどんな課題が起きてくるのかを考えることがキリンのビジネスに活きているという。

 

「戦略策定部門においては、現行戦略が将来も有効かどうかを調べられます。もしもこのままではまずいなというときには、プランB、プランCを発想するためにもこれらのシナリオは使えます。

 

一方、事業創造部門においては、新規事業をつくるといっても、現状の世界の枠組みのなかではなかなか新しいチャンスを見つけにくい。未来のシナリオの生活に自分の身を置いてみたときに新しいビジネスの種が見つかるんじゃないかということでやっています」
 

(pixabay)

ビジネスと社会課題がつながった瞬間

そもそも、太田さんたちがシナリオプランニングを始めたのは、社内のR&D(研究開発)部門から相談を受けたことがきっかけだったという。

 

「R&D部門は研究開発していくテーマを探していました。それまではテクノロジーがどう進歩していくのかという視点で考えていたけれど、それだけじゃダメ。社会や生活者がどう変わっていくのかという変化を捉えなければ、なにを研究するべきかわからないと相談されたんですね。

 

じゃあ変化ってなにかというと、どんな課題が生まれてくるのかということだなと。つまり、社会課題と地続きだとわかったんです」

 

同じ頃、社内ではそれまでのCSR活動を革新したいという動きもあった。

 

「その当時はCSVではなくまだCSRと言っていましたが、たとえば酒類メーカーとしてアルコール問題に取り組まなければいけないというような社会的責務はもちろんのこと、もっと事業に貢献するアグレッシブなCSRに生まれ変わっていきたいという話もありました。

 

そのあたりから社会に目が向くと同時に、一人ひとりの生活者にも目が向くという両方の意味での探索が起こってきました」

 

社会課題から事業が生まれ、事業で社会課題を解決するキリンのCSV活動の始まりだった。

 

社会課題への取り組みというと、17あるSDGsの目標のうち、自社のビジネスに近いSDGs目標に取り組もうとしている企業が少なくないが、太田さんは次のように話す。

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ホームレス
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若年介護
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人工妊娠中絶
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海上自衛隊
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プロジェクト
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ソーシャルビジネス
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ワクチン
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薬物依存
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地方創生
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66
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67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
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69
地方創生
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70
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71
地方創生
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72
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非正規雇用と貧困
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74
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75
他者とのコミュニケーションを考える
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76
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77
家族のかたち
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78
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79
他者とのコミュニケーションを考える
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地球温暖化対策
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82
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83
就労支援
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動物との共生
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88
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89
行政のデジタル化
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90
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91
温暖化対策
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92
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93
動物との共生
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94
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95
地方移住
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96
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97
動物との共生
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温暖化対策
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食料危機
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236
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震災
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238
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まちづくり
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240
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精子提供
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