no.
53
LGBT
公開日: 2020/11/2(月)
更新日: 2023/3/27(月)

自分はどうなってしまうのだろう…という不安を抱えて――トランスジェンダー当事者に聞く「配慮」と「特別扱い」のバランス【前編】

公開日: 2020/11/2(月)
更新日: 2023/3/27(月)
no.
53
LGBT
公開日: 2020/11/2(月)
更新日: 2023/3/27(月)

自分はどうなってしまうのだろう…という不安を抱えて――トランスジェンダー当事者に聞く「配慮」と「特別扱い」のバランス【前編】

公開日: 2020/11/2(月)
更新日: 2023/3/27(月)

性的マイノリティとされる「トランスジェンダー」。最近では、LGBTの存在が認知されてきたことにより、多様なセクシャリティにどう向き合うかが議論になっている。一方で配慮だと思っていることでも、当事者にとっては自分だけ特別扱いされることへの違和感があることも……。

 

前編では、トランスジェンダー当事者である鈴木比呂さんに、性自認にまつわる葛藤や学校生活で困っていたこと、周囲の“配慮”に対して感じたことなどを聞いていく。

 

※本記事は、「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた10/2のライブ勉強会『トランスジェンダー当事者に聞く、「配慮」と「特別扱い」のバランス』の内容をもとに記事化した前編です。

 

<鈴木比呂さん>
MtFトランスジェンダー。男子高時代に性別違和を覚え不登校になる。その後紆余曲折の後に性別適合手術を受け、現在は女性として生活する。明治学院大学在学中にLGBTサークル「カラフル」への参加がきっかけで、自身のセクシャリティをオープンにした活動を始める。トランスジェンダー学生の受け入れを決めたお茶の水女子大学や日本女子大学、母校である明治学院大学での講演活動のほか、在学中にインターンを行なっていた株式会社JobRainbowでは企業向けのLGBT研修などを行なってきた。現在は会社員として働きつつ、引き続きLGBTに関わる活動にも携わっている。

トイレや制服、髪型の規定もストレスだった

電通ダイバーシティ・ラボ「LGBT調査2018」によると、国内20〜59歳の調査対象6万人の中で、LGBT層に該当する人は8.9%。約11人に1人いることになる。この数は、日本にいる左利きの人の割合と同じぐらいだという。

 

一方で、同調査では、65.1%のLGBT層の人が「誰にもカミングアウトしていない」と回答している。セクシャリティをオープンにしていくことに、抵抗を感じている人が多いのが現状だ。

 

男性として生まれ、現在は女性として生きている鈴木比呂さんの場合は、どうだったのか。

 

鈴木さんは、「MtF(Male to Female)」トランスジェンダーであり、大学3年生の時に、タイに渡り性適合手術を受け、戸籍を女性に変更した。

 

「私は中学生までは、男の子として過ごしてきました。自分の性について、特別意識することはなかったのですが、いま思うと、保健体育の授業を受けた時に、自分には生理が来るのではないかと感じていました。

 

意識が変わってきたのは、高校1年生のころ。当時は、中高一貫の男子校に通っていました。身長が急に伸びて、ヒゲが濃くなり、声も低くなって『自分はどうなってしまうのだろう……』と、それまでにない不安な気持ちになったことを覚えています。

 

決定的だったのは、必修だった柔道の授業で、男性と組むのが嫌でたまらなくなったこと。制服や髪型についての校則も嫌になって、学校へ行けなくなってしまいました」

 

心と体の性が一致しないトランスジェンダーの人びとにとっては、トイレの問題も深刻だ。「男女別のトイレしかないと利用できない」「周囲の目が気になる」といった問題がある。

※リディラバジャーナルについてもっと知りたい方はコチラ
イシューから探す
×
CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
100
no.
101
温暖化対策
no.
102
no.
103
組織論
no.
104
no.
105
キャリア
no.
106
no.
107
復興
no.
108
no.
109
コミュニティナース
no.
110
no.
111
MaaS
no.
112
no.
113
地球温暖化
no.
114
セックスワーカー
no.
115
no.
116
感染症とワクチン
no.
117
no.
118
大学生の貧困
no.
119
no.
120
温暖化対策
no.
121
no.
122
同性婚
no.
123
no.
124
フェアトレード
no.
125
no.
126
シェアハウス
no.
127
no.
128
飲食業
no.
129
感染症とワクチン
no.
130
no.
131
国際報道
no.
132
no.
133
社会的養護
no.
134
no.
135
認知症
no.
136
no.
137
入管法
no.
138
no.
139
国際問題
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
コミュニティ
no.
146
no.
147
吃音
no.
148
no.
149
コンサル×社会課題解決
no.
150
no.
151
いじめ
no.
152
no.
153
社会課題×事業
no.
154
no.
155
社会課題×映画
no.
156
no.
157
感染症とワクチン
no.
158
no.
159
社会教育士
no.
160
no.
161
山岳遭難
no.
162
no.
163
支援者支援
no.
164
no.
165
いじめ
no.
166
no.
167
ゲーム依存
no.
168
no.
169
トランスジェンダーとスポーツ
no.
170
no.
171
うつ病患者の家族
no.
172
no.
173
パラスポーツ
no.
174
no.
175
代替肉
no.
176
no.
177
弱いロボット
no.
178
no.
179
戦争継承
no.
180
no.
181
女性の社会参画
no.
182
no.
183
子どもの居場所
no.
184
no.
185
感染症とワクチン
no.
186
no.
187
デジタル社会
no.
188
no.
189
若年女性の生きづらさ
no.
190
no.
191
ゼブラ企業
no.
192
no.
193
多胎児家庭の困難
no.
194
no.
195
ソーシャルイノベーション
no.
196
no.
197
ジェンダー
no.
198
no.
199
毒親
no.
200
no.
201
葬儀
no.
202
no.
203
感染症とワクチン
no.
204
no.
205
子どもの安全
no.
206
no.
207
優生思想
no.
208
no.
209
感染症とワクチン
no.
210
no.
211
障害
no.
212
no.
213
水産資源
no.
214
no.
215
教育格差
no.
216
no.
217
障害と性
no.
218
no.
219
医療
no.
220
no.
221
シングルマザー
no.
222
no.
223
多文化共生
no.
224
no.
225
誹謗中傷
no.
226
no.
227
児童労働
no.
228
no.
229
不登校
no.
230
no.
231
政治
no.
232
no.
233
食料危機
no.
234
no.
235
お金と社会課題
no.
236
no.
237
震災
no.
238
no.
239
まちづくり
no.
240
no.
241
精子提供
no.
242
no.
243
選挙
no.
244
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
245
クラウドファンディング
no.
246
レイシャルプロファイリング
no.
247
子育てと科学的根拠
no.
248
高齢者雇用
no.
249
介護
no.
250
no.
251