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都市とコロナ
公開日: 2020/7/29(水)
更新日: 2023/3/27(月)

コロナで「都市」の価値がリスクに変わった――都市社会学の専門家が考えるwithコロナ(前編)

公開日: 2020/7/29(水)
更新日: 2023/3/27(月)
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13
都市とコロナ
公開日: 2020/7/29(水)
更新日: 2023/3/27(月)

コロナで「都市」の価値がリスクに変わった――都市社会学の専門家が考えるwithコロナ(前編)

公開日: 2020/7/29(水)
更新日: 2023/3/27(月)

「今回の新型コロナウイルス感染拡大が起きるまで、私たちは『感染症』という、都市における最大のリスクを忘れてしまっていたのです」

 

筑波大学准教授で、都市社会学や地域社会学を専門とする五十嵐泰正(やすまさ)さんは、こう語る。

 

東京都の「新型コロナウイルス対策サイト」によれば、これまでの東京都内の新型コロナウイルス陽性者数の数は計11,861人と、全国でも圧倒的に多い(2020年7月29日時点)。

 

※本記事は、「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた7/9のライブ勉強会「『新しい生活様式』は『新しい倫理』になるのか」の内容をもとに記事化した前編です。

 

<五十嵐泰正(いがらしやすまさ)さん>
筑波大学大学院人文社会系准教授。都市社会学/地域社会学。地元の柏や、学生時代からフィールドワークを進めてきた上野で、まちづくりに実践的に取り組むほか、原発事故後の福島県の農水産業をめぐるコミュニケーションにも関わる。主著に『上野新論』(せりか書房、2019)、『原発事故と「食」』(中公新書、2018)、編著に『常磐線中心主義』(共編著、河出書房新社、2015)、『みんなで決めた「安心」のかたち―ポスト3.11の「地産地消」をさがした柏の一年』(共著、亜紀書房、2012)ほか。

「都市」が持つ価値が一転してリスクに

 五十嵐さんによれば、そもそも都市の定義は「異質性の高い人が高度に集積した場所のこと」だという。都市には、地方の農村部などにはまずいないような職業の人も多く暮らし、その中で新たな文化も生まれる。さまざまな国籍の人やセクシャルマイノリティなどもいて多様性があり、人々が流動的に出入りしている。

 

「不特定多数の人々が集まる」ことで、犯罪や公害、交通渋滞などの問題も起きていた。しかし、テクノロジーの進化や大気汚染の改善などによってひとつずつ問題が解決していったことで、都市で暮らすリスクはほとんど意識されないようになっていった。

 

「1980〜90年代半ばくらいまでのいわゆるバブルの時代は、都市ではなく郊外で暮らすことがトレンドになっていました。いまでは多くの人が暮らす中央区や千代田区なども、当時は人口が減少局面にありました。

 

今回のコロナをきっかけにリモートワークを導入した企業が増えましたが、実は当時から、郊外の自宅でも都市部のオフィスで働くのと同じように仕事ができる環境が整えば、都市部に人が集まる必要はなくなり、世界はフラット化すると考えられていたんです」と、五十嵐さんは話す。

 

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CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
100
no.
101
温暖化対策
no.
102
no.
103
組織論
no.
104
no.
105
キャリア
no.
106
no.
107
復興
no.
108
no.
109
コミュニティナース
no.
110
no.
111
MaaS
no.
112
no.
113
地球温暖化
no.
114
セックスワーカー
no.
115
no.
116
感染症とワクチン
no.
117
no.
118
大学生の貧困
no.
119
no.
120
温暖化対策
no.
121
no.
122
同性婚
no.
123
no.
124
フェアトレード
no.
125
no.
126
シェアハウス
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127
no.
128
飲食業
no.
129
感染症とワクチン
no.
130
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131
国際報道
no.
132
no.
133
社会的養護
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134
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135
認知症
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136
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137
入管法
no.
138
no.
139
国際問題
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
コミュニティ
no.
146
no.
147
吃音
no.
148
no.
149
コンサル×社会課題解決
no.
150
no.
151
いじめ
no.
152
no.
153
社会課題×事業
no.
154
no.
155
社会課題×映画
no.
156
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157
感染症とワクチン
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158
no.
159
社会教育士
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160
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161
山岳遭難
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162
no.
163
支援者支援
no.
164
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165
いじめ
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166
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167
ゲーム依存
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168
no.
169
トランスジェンダーとスポーツ
no.
170
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171
うつ病患者の家族
no.
172
no.
173
パラスポーツ
no.
174
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175
代替肉
no.
176
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177
弱いロボット
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178
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179
戦争継承
no.
180
no.
181
女性の社会参画
no.
182
no.
183
子どもの居場所
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184
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185
感染症とワクチン
no.
186
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187
デジタル社会
no.
188
no.
189
若年女性の生きづらさ
no.
190
no.
191
ゼブラ企業
no.
192
no.
193
多胎児家庭の困難
no.
194
no.
195
ソーシャルイノベーション
no.
196
no.
197
ジェンダー
no.
198
no.
199
毒親
no.
200
no.
201
葬儀
no.
202
no.
203
感染症とワクチン
no.
204
no.
205
子どもの安全
no.
206
no.
207
優生思想
no.
208
no.
209
感染症とワクチン
no.
210
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211
障害
no.
212
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213
水産資源
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214
no.
215
教育格差
no.
216
no.
217
障害と性
no.
218
no.
219
医療
no.
220
no.
221
シングルマザー
no.
222
no.
223
多文化共生
no.
224
no.
225
誹謗中傷
no.
226
no.
227
児童労働
no.
228
no.
229
不登校
no.
230
no.
231
政治
no.
232
no.
233
食料危機
no.
234
no.
235
お金と社会課題
no.
236
no.
237
震災
no.
238
no.
239
まちづくり
no.
240
no.
241
精子提供
no.
242
no.
243
選挙
no.
244
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
245
クラウドファンディング
no.
246
レイシャルプロファイリング
no.
247
子育てと科学的根拠
no.
248
高齢者雇用
no.
249
介護
no.
250
no.
251