ゲームへの依存を防ぐには――自分の意志ではどうしようもできない依存の実態(後編)
ゲームへの依存を防ぐには――自分の意志ではどうしようもできない依存の実態(後編)
かつて家庭に据え置きされていたゲームはいま、スマートフォンの出現により、いつどこにでも持ち運べるようになった。
その結果としてゲーム依存症の患者数が増加したと言われる一方、アルコールと同じでゲームを適度に楽しめる人も多い。回復施設で生活支援員を務める坂本さんも、「ゲームは基本的には楽しいもの」と話す。
では、ゲームへの依存を防ぐにはどうしたらいいのだろうか。
前編に引き続き、坂本さんに近年のゲームの特性やゲーム依存症になる背景、ゲームへの向き合い方について話を聞いた。
※本記事の取材は「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた2021/7/30のライブ勉強会「何が子どもをゲーム依存にさせるのか」で行われました。リディラバジャーナルの取材の様子は「リディ部」でご覧いただけます。
一般社団法人グレイス・ロード(ギャンブル依存症回復施設)生活支援員。1994年千葉県生まれ。 元看護師。ネット・ゲーム、ギャンブル依存症の当事者。2017年11月に山梨県にあるグレイス・ロードに繋がる。現在は支援者として当事者支援を行っている。2020年4月より現職。 看護師資格以外にASK認定依存症予防教育アドバイザー、令和元年度ギャンブル等依存症回復施設職員研修修了、令和2年度ゲーム・ネット依存症相談対応指導者養成研修修了など依存症に関する資格を取得。
若者たちが目立つゲーム依存症
ゲーム依存症の大きな特徴として、坂本さんは「圧倒的に若い人が多い」ことを指摘する。
政府のゲーム依存症対策関係者会議でも、男女とも最もゲームをしている層は「10~14歳」だと報告されている。結果、若者の依存症が多くなり、坂本さんの元に訪れる相談者も、小学生〜高校生の保護者が6割を占めるという。
「ギャンブルは、基本的に手を出す時期が早ければ早いほど依存症になりやすいと言われています。ゲーム依存も同じで、スマホを持つのが早いほど依存症になる確率は上がります。
あと、僕自身はストレスからゲーム依存になりましたが、自分の現実はコントロールできなくても、ゲームの中の自分はある程度コントロールできます。
自分に似せたアバターをつくったり、そのアバターをうまく操作して思ったように動かしたり。そこで生まれる現実とバーチャルのギャップはすごい。ゲームから抜け出せなくなるんです」
またオンラインゲームが普及したことも、依存を加速させた一つの要因だという。
「昔のゲームは『ボスを倒したら終わり』のようなゴールがありました。でもいまのオンラインゲームは毎週のようにアップデートがあり、終わり際が分からないんです。
ゲームの中では人間関係も生まれます。特に戦闘系のゲームなどチームワークが発生するようなゲームでは、『俺が抜けたら周りになんて言われるだろうか』と考えてしまったり、実際に抜けるときにトラブルが生まれたりすることがあります」

(写真 坂本拳さん)
ゲーム依存は氷山の一角

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