no.
200
毒親
公開日: 2021/11/16(火)
更新日: 2023/3/27(月)

毒親のもとで育った子どもたち――毒親相談の現場から

公開日: 2021/11/16(火)
更新日: 2023/3/27(月)
no.
200
毒親
公開日: 2021/11/16(火)
更新日: 2023/3/27(月)

毒親のもとで育った子どもたち――毒親相談の現場から

公開日: 2021/11/16(火)
更新日: 2023/3/27(月)

「親ガチャ」「アダルトチルドレン」など、生きづらさが家庭環境や親に起因することを示す言葉の一つに「毒親」がある。WebやSNSを中心に話題になることの多い言葉だが、その背景には何があるのか。そして「毒親」のもとで育つというのはどういうことなのか。毒親専門カウンセラーとして多くの相談者を支援する「おとなの親子関係相談所」代表、川島崇照さんに話を聞いた。

 

※本記事の取材は「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた「『毒親』相談の現場から〜カウンセラーが見るリアル〜」で行われました。
リディラバジャーナルの取材の様子は「リディ部」でご覧いただけます。

 

川島崇照さん(おとなの親子関係相談所代表)
1974年生まれ、新潟県出身。
家のなかでは日常的に怒鳴り声が飛び交っており、ストレスを抱えた親から毎日のように否定や罵倒を受けていた。そのせいか、いつもビクビクしながら親の顔色を伺っていた。
社会人になってから自信のない自分を変えたいと考え、あるとき受けたカウンセリングをきっかけに自分の親の不健全さに気づく。それまでに悩み続けてきたことの原因が見つかった瞬間。自分が回復していくなかで、同じように親子関係で悩む人を救いたいと考え、会社を辞職しカウンセリングを学び始める。2011年にカウンセラーとして独立し、その後『おとなの親子関係相談所』を設立する。妻と子ども2人をこよなく愛す。

「毒親」が生まれ拡がるまで

毒親という言葉は、アメリカのセラピストであるスーザン・フォワードが1989年に出版した書籍『Toxic Parents, Overcoming Their Hurtful Legacy and Reclaiming Your Life』で初めて登場した。
同書は翌年に『毒になる親 一生苦しむ子供』として翻訳・出版され、国内でも毒親という言葉が知られるようになる。

同書では毒親について、過干渉、ネグレクト、身体的・精神的・性的虐待などによって「子どもの人生を支配し、子どもに害悪を及ぼす親」としている。
「毒親」は学術的用語ではなく、その定義は一定しない。
虐待も含めた不適切な養育全般を含むこともあれば、ドラマ『過保護のカホコ』や『凪のお暇』などで描かれた「虐待とまでは言えないが、過干渉で過保護な親」を毒親と呼ぶ場合もある。

毒親論がここまで広く認知されるに至った要因には、平成12年の児童虐待防止法の改正もあると考えられる。
この改正により児童虐待に暴言や面前DVなどの心理的虐待が含まれるようになった。
虐待防止の全国的な活動を行っているオレンジリボン運動によれば、令和2年度に児童相談所が対応した案件のうち、全体の59.2%が心理的虐待だったという。

家庭での子どもへの抑圧や支配が、いま注目を集めるようになった背景には、毒親・アダルトチルドレン・心理的虐待などの概念によって「ラベリング」をされ、当事者が声を上げられるようになった点が挙げられる。

 

 

毒親を持つ子どもの、あるエピソード

「私の母親は劣等感が強く、とてもヒステリックでした。私はとにかく親の恥にならないように行動しなければならなかったし、私が自由に考えて決めたことでも、それが親にとって都合が悪ければ全部制限されました」

現在毒親専門カウンセラーとして多くの相談者を支援する川島さんは、自身も毒親の被害者であったと振り返る。


(川島崇照さん)
 

※リディラバジャーナルについてもっと知りたい方はコチラ
イシューから探す
×
CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
100
no.
101
温暖化対策
no.
102
no.
103
組織論
no.
104
no.
105
キャリア
no.
106
no.
107
復興
no.
108
no.
109
コミュニティナース
no.
110
no.
111
MaaS
no.
112
no.
113
地球温暖化
no.
114
セックスワーカー
no.
115
no.
116
感染症とワクチン
no.
117
no.
118
大学生の貧困
no.
119
no.
120
温暖化対策
no.
121
no.
122
同性婚
no.
123
no.
124
フェアトレード
no.
125
no.
126
シェアハウス
no.
127
no.
128
飲食業
no.
129
感染症とワクチン
no.
130
no.
131
国際報道
no.
132
no.
133
社会的養護
no.
134
no.
135
認知症
no.
136
no.
137
入管法
no.
138
no.
139
国際問題
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
コミュニティ
no.
146
no.
147
吃音
no.
148
no.
149
コンサル×社会課題解決
no.
150
no.
151
いじめ
no.
152
no.
153
社会課題×事業
no.
154
no.
155
社会課題×映画
no.
156
no.
157
感染症とワクチン
no.
158
no.
159
社会教育士
no.
160
no.
161
山岳遭難
no.
162
no.
163
支援者支援
no.
164
no.
165
いじめ
no.
166
no.
167
ゲーム依存
no.
168
no.
169
トランスジェンダーとスポーツ
no.
170
no.
171
うつ病患者の家族
no.
172
no.
173
パラスポーツ
no.
174
no.
175
代替肉
no.
176
no.
177
弱いロボット
no.
178
no.
179
戦争継承
no.
180
no.
181
女性の社会参画
no.
182
no.
183
子どもの居場所
no.
184
no.
185
感染症とワクチン
no.
186
no.
187
デジタル社会
no.
188
no.
189
若年女性の生きづらさ
no.
190
no.
191
ゼブラ企業
no.
192
no.
193
多胎児家庭の困難
no.
194
no.
195
ソーシャルイノベーション
no.
196
no.
197
ジェンダー
no.
198
no.
199
毒親
no.
200
no.
201
葬儀
no.
202
no.
203
感染症とワクチン
no.
204
no.
205
子どもの安全
no.
206
no.
207
優生思想
no.
208
no.
209
感染症とワクチン
no.
210
no.
211
障害
no.
212
no.
213
水産資源
no.
214
no.
215
教育格差
no.
216
no.
217
障害と性
no.
218
no.
219
医療
no.
220
no.
221
シングルマザー
no.
222
no.
223
多文化共生
no.
224
no.
225
誹謗中傷
no.
226
no.
227
児童労働
no.
228
no.
229
不登校
no.
230
no.
231
政治
no.
232
no.
233
食料危機
no.
234
no.
235
お金と社会課題
no.
236
no.
237
震災
no.
238
no.
239
まちづくり
no.
240
no.
241
精子提供
no.
242
no.
243
選挙
no.
244
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
245
クラウドファンディング
no.
246
レイシャルプロファイリング
no.
247
子育てと科学的根拠
no.
248
高齢者雇用
no.
249
介護
no.
250
no.
251