no.
70
地方創生
公開日: 2021/1/6(水)
更新日: 2023/3/27(月)

地域の課題解決になぜ数字が必要なのか——日本初!マーケティング専門官から学ぶ(前編)

公開日: 2021/1/6(水)
更新日: 2023/3/27(月)
no.
70
地方創生
公開日: 2021/1/6(水)
更新日: 2023/3/27(月)

地域の課題解決になぜ数字が必要なのか——日本初!マーケティング専門官から学ぶ(前編)

公開日: 2021/1/6(水)
更新日: 2023/3/27(月)

地方創生というと、「まちづくり=良いこと」と賞賛され、その成果がきちんと検証されているのか曖昧なところがある。そうしたなかで、宮崎県日南市では、日本初のマーケティング専門官を導入。数字にもとづいた施策を考え、効果検証を重視している。

 

前編では、日南市マーケティング専門官として活躍する田鹿倫基さんの視点から、日本の人口動態の推移を中心に、統計やデータ分析に基づく現実の把握がいかに重要かをみていく。

 

※本記事は、「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた12/2のライブ勉強会「日本初!マーケティング専門官から学ぶ データから見る地域の課題解決——地方創生を構造化せよ vol.3』の内容をもとに記事化した前編です。

 

<田鹿倫基さん>
日南市商工・マーケティング課マーケティング専門官、ローカルベンチャーコーディネーター。1984年生まれ。2009年宮崎大学教育文化学部卒業、同年リクルート入社。アドオプティマイゼーション推進室でネット新規事業開発に関わる。2011年アドウェイズ上海法人にて日系企業が中国進出する際のマーケティングサポート事業を経て、2013年に日南市マーケティング専門官に就任。2017年「Forbes JAPAN 日本を元気にする88人」に選出。「ニッポンのジレンマ」「ガイアの夜明け」などに出演多数。

行政組織の中にマーケティング専門官がいる日南市

日南市は宮崎県南部に位置し、人口およそ5万人。城下町とオビスギの搬出を行う油津港を中心に栄え、日南海岸国定公園を有するなど歴史と自然に恵まれた土地だ。美味しいみやざき地頭鶏の産地としても知られる。

 

2013年、九州最年少で当選した崎田恭平市長(当時33歳)が選挙公約のひとつに掲げたのが「マーケティング畑の民間人登用」だった。マーケティング経験者を行政内に抜擢するという形で、田鹿倫基さんは当時28歳でマーケティング専門官に就任した。

 

マーケティングと言えば、一般的には「お客様に商品を売るための企業活動全般」を指すことが多く、マーケティング専門官という役職が行政組織の中にあるのは珍しい。どんな仕事をしているのか。

 

「人口動態のマーケティングをやっています。人口5万人の日南で、毎日人が生まれ、亡くなり、転入・転出していくわけですが、これがどういうバランスになると持続可能性の高い地域になっていくのかということを、人口動態を切り口に分析しています。そこからやるべき施策を導き出し、実施・検証し、改善していくのが仕事です」

 

人口動態の分析について田鹿さんはこう指摘する。

 

「人口が増えたか減ったかという話で終わってしまう自治体が多いのですが、たとえば一言で増えたと言っても、どの年代の人たちが増えたのかによって意味が異なります。どの年代の人が転入し転出したのか、何人生まれて何人亡くなったのかという中身をきちんと見ていかないと、その地域の持続可能性につながりません」

 

(写真 田鹿倫基さん)

 

「地方創生とかまちづくりと言うと、一般的には良いことだと思われるので、ちゃんと成果が出ていなくても、『良いことをやってるんだから』とか『こんなに頑張ってるんだから』でまかり通ってしまうのが問題だと思っています。企業の事業と同様、いや公金で仕事をしているので、民間以上に成果についてはシビアに検証するところまでやる必要があると思います」

私たちは何となくのイメージで社会を見ている

数字をみる必要性を伝えるために、田鹿さんはクイズを投げかける。

 

「東京オリンピックで観光客は増えるのか? 」

 

オリンピックの年には開催地への観光客が増えると想像する人が多いのではないだろうか。

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CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
100
no.
101
温暖化対策
no.
102
no.
103
組織論
no.
104
no.
105
キャリア
no.
106
no.
107
復興
no.
108
no.
109
コミュニティナース
no.
110
no.
111
MaaS
no.
112
no.
113
地球温暖化
no.
114
セックスワーカー
no.
115
no.
116
感染症とワクチン
no.
117
no.
118
大学生の貧困
no.
119
no.
120
温暖化対策
no.
121
no.
122
同性婚
no.
123
no.
124
フェアトレード
no.
125
no.
126
シェアハウス
no.
127
no.
128
飲食業
no.
129
感染症とワクチン
no.
130
no.
131
国際報道
no.
132
no.
133
社会的養護
no.
134
no.
135
認知症
no.
136
no.
137
入管法
no.
138
no.
139
国際問題
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
コミュニティ
no.
146
no.
147
吃音
no.
148
no.
149
コンサル×社会課題解決
no.
150
no.
151
いじめ
no.
152
no.
153
社会課題×事業
no.
154
no.
155
社会課題×映画
no.
156
no.
157
感染症とワクチン
no.
158
no.
159
社会教育士
no.
160
no.
161
山岳遭難
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162
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163
支援者支援
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164
no.
165
いじめ
no.
166
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167
ゲーム依存
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168
no.
169
トランスジェンダーとスポーツ
no.
170
no.
171
うつ病患者の家族
no.
172
no.
173
パラスポーツ
no.
174
no.
175
代替肉
no.
176
no.
177
弱いロボット
no.
178
no.
179
戦争継承
no.
180
no.
181
女性の社会参画
no.
182
no.
183
子どもの居場所
no.
184
no.
185
感染症とワクチン
no.
186
no.
187
デジタル社会
no.
188
no.
189
若年女性の生きづらさ
no.
190
no.
191
ゼブラ企業
no.
192
no.
193
多胎児家庭の困難
no.
194
no.
195
ソーシャルイノベーション
no.
196
no.
197
ジェンダー
no.
198
no.
199
毒親
no.
200
no.
201
葬儀
no.
202
no.
203
感染症とワクチン
no.
204
no.
205
子どもの安全
no.
206
no.
207
優生思想
no.
208
no.
209
感染症とワクチン
no.
210
no.
211
障害
no.
212
no.
213
水産資源
no.
214
no.
215
教育格差
no.
216
no.
217
障害と性
no.
218
no.
219
医療
no.
220
no.
221
シングルマザー
no.
222
no.
223
多文化共生
no.
224
no.
225
誹謗中傷
no.
226
no.
227
児童労働
no.
228
no.
229
不登校
no.
230
no.
231
政治
no.
232
no.
233
食料危機
no.
234
no.
235
お金と社会課題
no.
236
no.
237
震災
no.
238
no.
239
まちづくり
no.
240
no.
241
精子提供
no.
242
no.
243
選挙
no.
244
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
245
クラウドファンディング
no.
246
レイシャルプロファイリング
no.
247
子育てと科学的根拠
no.
248
高齢者雇用
no.
249
介護
no.
250
no.
251