最初から自己完結を目指さなくてもいい――「弱さ」の開示がもたらすものとは(後編)
最初から自己完結を目指さなくてもいい――「弱さ」の開示がもたらすものとは(後編)
なにかが欠けていたり完璧でなかったりしても、それを臆せずに表現していくことで周囲の人の協力を得られたり、自分一人では抱えきれない問題を解決できたりもする。
従来の「完璧でなんでもできる」というロボットのイメージを覆す、不完全さが特徴の〈弱いロボット〉を提唱されている岡田美智男さんは、そう話す。
後編では、弱さを受け入れることの意味や、人間とモノや機械との適切な関係性、自己完結しないことで生まれるものなどについて話を聞いた。
※本記事の取材は「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた2021/7/27のライブ勉強会「『弱さ』の開示は、人間関係を良くするか」で行われました。リディラバジャーナルの取材の様子は「リディ部」でご覧いただけます。
<岡田美智男さん>
豊橋技術科学大学 情報・知能工学系 教授。1987年、東北大学大学院工学研究科博士後期課程修了、工学博士。NTT基礎研究所 情報科学研究部、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、京都大学大学院情報学研究科客員助教授などを経て、2006年より現職。〈弱いロボット〉概念の提唱により、2017年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(科学技術振興部門)などを受賞。
弱さを受け入れることのメリットとは
前編で述べた〈ゴミ箱ロボット〉のほかにも、苦手なことを人間に伝えてくれる自動運転システムの〈NAMIDA〉などのロボットも岡田さんは開発している。
現在は「LOVOT」などのコミュニケーションロボットなどを中心に、「完璧にせず、あえて足りない部分があるほうが良いこともある」という認識も、ロボット業界でシェアされてきているそうだ。
「ロボットも人間も『自分は完璧でなんでもできる』と強がっていると、周囲の人が萎縮したり、活躍の場が失われてたりしてしまう。
一方で、自分の弱さを自覚して受容している人は、他人の弱さもきちんと受け止められると思うんです。
自分の得手不得手を明確に周りに示すことで、その弱さを補ってくれる人が現れる。そうして社会はよりパワフルになっていくと思います」

(写真 岡田美智男さん)
利便性の高さは「不寛容さ」を生みかねない

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