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公開日: 2020/7/27(月)

子どもの最期を看取る時(前編) ――臓器提供をめぐる家族と医師の苦悩と葛藤

公開日: 2020/7/27(月)
公開日: 2020/7/27(月)

子どもの最期を看取る時(前編) ――臓器提供をめぐる家族と医師の苦悩と葛藤

公開日: 2020/7/27(月)

人はいつか必ず死ぬ。しかし、ある日突然、年端もいかない我が子の命がもう助からないと告げられたら、家族はどれほど混乱し嘆き悲しむことだろう。親より先に子どもが逝く。世の中で最も理不尽なできごとの一つである。

 

一方で、失われる命が遺してくれた臓器のおかげで救われる命もある。一縷の望みをつないで待っている難病の子どもたちがいるのだ。

 

富山大学附属病院小児科の種市尋宙医師は、小児の救急と集中治療の現場で多くの重篤な子どもたちに出会い、彼らの生と死に直面した家族の葛藤を見てきた。

 

前編では、6歳未満としては日本初の小児臓器提供に携わった種市さんの視点から、日本での臓器提供をめぐる状況を見ていく。

 

※本記事は、「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた7/3のライブ勉強会「子どもの最期を決める権利、決めない権利。日本初の小児臓器移植に携わった医師が語る、家族・医療者それぞれの苦悩と葛藤」の内容をもとに記事化した前編です。

 

<種市尋宙(たねいちひろみち)さん>
1973年新潟県生まれ。富山大学附属病院小児科診療准教授。1998年富山医科薬科大学医学部卒業 同大小児科入局。2007年富山大学博士課程修了。国立病院機構災害医療センター救命救急科(東京都立川市)勤務を経て、2009年より富山大学附属病院小児科勤務。小児科専門医、集中治療専門医、日本小児救急医学会代議員、日本DMAT隊員。

脳死を家族にどう伝えるか

急な病気や不慮の事故で我が子が脳死に陥った時、それが「死」だとは、家族には受け入れがたい。

 

心臓はまだ動いている。涙が流れたり鳥肌が立ったり、わずかに身体が動いたりすることさえある。治療を続ければ助かるのではないかとすがるような気持ちだろう。

 

そこで医師は家族に伝えなければならない。延命治療が子どもを傷つけることもあり得ると。

 

「我々はプロだからこそ、しっかりと判断して情報提供する必要があります。最終的な決断は家族がするわけですが、悪い方向でご家族に背負ってほしくないんです。『決めたのはあの医者だ』と思われてもいい」と種市さんは語る。

 

少なくとも家族が納得していない状況で無理やり決めることはしない。医師として説明を尽くした上で、家族の意向に沿って、子どもを傷つけないかたちで延命治療を続けることもある。

 

そこで奇跡が起きることはないのか。

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CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
98
no.
99
温暖化対策
no.
100
no.
101
組織論
no.
102
no.
103
キャリア
no.
104
no.
105
復興
no.
106
no.
107
コミュニティナース
no.
108
no.
109
MaaS
no.
110
no.
111
地球温暖化
no.
112
セックスワーカー
no.
113
no.
114
感染症とワクチン
no.
115
no.
116
大学生の貧困
no.
117
no.
118
温暖化対策
no.
119
no.
120
同性婚
no.
121
no.
122
フェアトレード
no.
123
no.
124
シェアハウス
no.
125
no.
126
飲食業
no.
127
感染症とワクチン
no.
128
no.
129
国際報道
no.
130
no.
131
社会的養護
no.
132
no.
133
認知症
no.
134
no.
135
入管法
no.
136
no.
137
国際問題
no.
138
no.
139
コミュニティ
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
吃音
no.
146
no.
147
コンサル×社会課題解決
no.
148
no.
149
いじめ
no.
150
no.
151
社会課題×事業
no.
152
no.
153
社会課題×映画
no.
154
no.
155
感染症とワクチン
no.
156
no.
157
社会教育士
no.
158
no.
159
山岳遭難
no.
160
no.
161
支援者支援
no.
162
no.
163
いじめ
no.
164
no.
165
ゲーム依存
no.
166
no.
167
トランスジェンダーとスポーツ
no.
168
no.
169
うつ病患者の家族
no.
170
no.
171
パラスポーツ
no.
172
no.
173
代替肉
no.
174
no.
175
弱いロボット
no.
176
no.
177
戦争継承
no.
178
no.
179
女性の社会参画
no.
180
no.
181
子どもの居場所
no.
182
no.
183
感染症とワクチン
no.
184
no.
185
デジタル社会
no.
186
no.
187
若年女性の生きづらさ
no.
188
no.
189
ゼブラ企業
no.
190
no.
191
多胎児家庭の困難
no.
192
no.
193
ソーシャルイノベーション
no.
194
no.
195
ジェンダー
no.
196
no.
197
毒親
no.
198
no.
199
葬儀
no.
200
no.
201
感染症とワクチン
no.
202
no.
203
子どもの安全
no.
204
no.
205
優生思想
no.
206
no.
207
感染症とワクチン
no.
208
no.
209
障害
no.
210
no.
211
水産資源
no.
212
no.
213
教育格差
no.
214
no.
215
障害と性
no.
216
no.
217
医療
no.
218
no.
219
シングルマザー
no.
220
no.
221
多文化共生
no.
222
no.
223
誹謗中傷
no.
224
no.
225
児童労働
no.
226
no.
227
不登校
no.
228
no.
229
政治
no.
230
no.
231
食料危機
no.
232
no.
233
お金と社会課題
no.
234
no.
235
震災
no.
236
no.
237
まちづくり
no.
238
no.
239
精子提供
no.
240
no.
241
選挙
no.
242
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
243
クラウドファンディング
no.
244
レイシャルプロファイリング
no.
245
子育てと科学的根拠
no.
246
高齢者雇用
no.
247
介護
no.
248
no.
249