東京を離れ、限界集落に移住して6年――イケダハヤトさんが語る地方移住のリアル(前編)
東京を離れ、限界集落に移住して6年――イケダハヤトさんが語る地方移住のリアル(前編)
ブログ「まだ東京で消耗してるの?」(現在は「イケハヤ大学」に改名)などで知られるブロガーのイケダハヤトさんは、2014年に家族で東京近郊から高知県に移住。現在に至るまで、高知県の限界集落(※)で暮らしている。
※限界集落:過疎化・高齢化が進展していく中で、経済的・社会的な共同生活の維持が難しくなり、社会単位としての存続が危ぶまれている集落
地方や田舎への移住に憧れがあるけれど、仕事や利便性を考えるとなかなか一歩が踏み出せないという人も多い。
そこで、地方に移住して6年が経つイケダハヤトさんに、移住先はどのように見つけたのか、限界集落での暮らしはどのようなものなのかなど、さまざまな観点から地方移住のリアルを聞き、地方創生、地域活性化のあり方を探った。
※本記事は、「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた1/15のライブ勉強会『「脱・東京」は豊かさを生み出すか?-イケハヤさんと考える「田舎暮らし」と「地域コミュニティとの関わり方」-』の内容をもとに記事化した前編です。
1986年神奈川県生まれ。ブログ「まだ東京で消耗してるの?」を運営。2009年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、半導体メーカー大手に就職。と思いきや会社の経営が傾き、11ヶ月でベンチャー企業に転職。ソーシャルメディア活用のコンサルタントとして大企業のウェブマーケティングをサポートし、社会人3年目に独立。会社員生活は色々と辛かったので。2011年からはブロガーとして、高知県を中心にうろうろしています。著書に『年収150万円でぼくらは自由に生きていく(星海社)』『武器としての書く技術(中経出版)』『新世代努力論(朝日新聞出版)』『まだ東京で消耗してるの? 環境を変えるだけで人生はうまくいく(幻冬舎新書)』などがある。
住民は約100人、そのうち半分が高齢者の限界集落で暮らす理由
安部敏樹 まずは地方移住をされた経緯も含めて、自己紹介をお願いできますか。
イケダハヤト 僕は神奈川で生まれ育って、進学、就職とずっと関東で過ごしてきました。
もともと横浜市にある東戸塚駅が最寄りだったのですが、開かずの踏切を30分も待ったりしているうちに、都会の生活に嫌気が差してしまって。子どもが生まれたことをきっかけに、都会で子育てするのはしんどいと思って移住を検討し始めました。
仕事はインターネットのコンテンツや広告の制作がメインなので、ネットがあればできますし、特に2011年の東日本大震災以降は、僕の古い友人も何人か東京から地方に移住していて。
そこで僕もあちこちの地方を探し、その中でもっとも高知県が肌に合うと感じて、2014年に高知市に移住しました。
高知市は街中だったので生活は便利でしたが、徐々に「もっと田舎の方に住みたい」と思うようになって、さらに移住先を探して見つけたのが高知県の嶺北エリアだったんです。
60歳以上の人口が半分以上を占める限界集落で、暮らしている人も100人程度しかいませんが、移住者も多くて楽しそうな場所だと思い引っ越しました。水も空気も肌に合っていて、とても居心地が良いですね。
(写真 イケダハヤトさん)
安部 東京を離れてからもう6年になるんですね。居心地の良さでいうと、東京とどんなところが違うんですか。
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