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2021/3/12(金)
採用も事業展開も「理念共有」をベースに進める――マザーハウスの組織と事業に迫る(前編)
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採用も事業展開も「理念共有」をベースに進める――マザーハウスの組織と事業に迫る(前編)
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「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げ、途上国発のアパレル製品や雑貨の企画、生産、品質指導、販売を手がける株式会社マザーハウス。

 

途上国の社会課題と向き合いながら、どんなスタッフが、どのような考えのもと事業を展開しているのだろうか。また、組織づくりで大事にしていることは何か。マザーハウス執行役員でコーポレート部門統括責任者の王宏平さんに話を聞いた。
 

※本記事は、「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた1/29のライブ勉強会『ソーシャル採用会議#4〜マザーハウス編〜』の内容をもとに記事化した前編です。リディ部について詳しくはこちら

 

<王宏平さん>
大学在学中に経済に興味を持ち、マクロ経済分析などを行うも、経済の活きた世界を見たいという想いから、中小企業金融公庫(現日本政策金融公庫)に入社。7年間、融資営業畑を歩み、シンクタンク出向や英国留学等を挟んだのち、本部勤務を経て、タイ国バンコック銀行へ出向。金融という離れた立場からでなく、実際に事業会社で働きたいという想いを強くし、素材開発から販売まで全て自社で行い、正直にお客様へ伝えられるマザーハウスのビジネスに共感し、帰国と同時に2016年にマザーハウス入社。店舗勤務、経理・財務マネージャーを経て、2018年10月に執行役員に就任。

金融業界からものづくりの世界へ飛び込んだ理由

マザーハウスは途上国発のファッションブランドとして、バングラデシュの麻(ジュート)の素材をもとにしたバッグの製造・販売から始まった。現在はバングラデシュのほか、ネパール、インドネシア、スリランカ、インド、ミャンマーの6カ国の途上国で製品を製造しており、日本、台湾、香港、シンガポール、フランスといった先進国に販売拠点がある。

 

現地の素材を使ったバッグ、洋服、ジュエリー、革製品などを展開しており、取り組みとしては途上国への援助・寄付という形ではなく、ビジネスを通じた持続的な協力を行なっている。

 

「途上国」「持続的な協力」と聞くと、組織内には学生時代から途上国に飛び込み支援に奔走してきた人が多いと想像するかもしれないが、マザーハウスで働く人々の背景はさまざまだ。

 

新卒採用が始まったのはここ数年で、アルバイトをのぞく日本の社員約200人のうち中途採用が全体の約7割を占める。前職はメーカーや金融、サービス、出版など幅広い。

 

現在、コーポレート部門の責任者として債務や人事、経理、労務などを担当している王さんも、大学卒業後、中小企業金融公庫(現日本政策金融公庫)で融資や営業を担当し、最後はタイのバンコク銀行に出向していた筋金入りの金融マンだ。

 

王さんはなぜ、全く畑違いのマザーハウスに飛び込んだのだろうか。

 

「実は大学生の頃から貧困問題やものづくりに関心があったんですが、まずは色々な業界を見て勉強しようと思い、金融の世界に入ったんです。

 

それで12年働いてみて、改めてものをつくる仕事をやりたいなと思っていたときに、マザーハウスの副社長の山崎さんが僕が赴任していたタイまで来て、入社しないかと誘ってくれたんです」

 

山崎大祐さんはもともと米金融大手ゴールドマン・サックスのエコノミストであり、王さんの大学時代の先輩でもあった。

 

王さんがタイに赴任した当初、山崎さんはマザーハウスへの入社を誘ったが、そのとき王さんは転職を考える余裕もなかったため断っていた。

 

それでも、王さんの赴任の任期が終わる頃に、山崎さんは再び口説きにやって来た。そのとき王さんは「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念や、生産から販売までのサプライチェーンのほぼ全てを手がけるマザーハウスに強い魅力を感じたという。

 

「すぐに入社を決断したわけではなかったのですが、山崎さんの話を聞く中で、もし死ぬときに『マザーハウスに行って苦労したな』と思って死ぬのと、『あのときマザーハウスに行っていれば良かった』と思って死ぬのと、どっちが嫌か考えるようになって。自分の人生や価値観と向き合う中で、『行っておけば良かった』と思って死ぬのは嫌だなと思い、入社を決めました」
 

(写真 王宏平さん)

個人の価値観と組織の理念は重なっているか

人が仕事を選ぶ基準はさまざまだ。待遇、福利厚生、勤務地、やりがい、人間関係。どの基準にどれだけ重きを置くかは一人ひとりによって違うが、近年は特に仕事のやりがいや、自分の能力を活かせる場所を求める人が多い。

 

転職支援サービス「エン転職」を運営するエン・ジャパン社が2020年に行った調査では、転職を考え始めたきっかけについて「やりがい・達成感のなさ」という回答が1位(40%)を占めた。

 

また、厚生労働省の2015年転職者実態調査では、転職者が現在の勤め先を選んだ理由(3つまでの複数回答)では、「仕事の内容・職種に満足がいくから」が40.8%で最も多く、「自分の技能。能力が活かせるから」(37.5%)、「労働条件(賃金以外)がよいから」(24.9%)が続く。

 

マザーハウスで働くスタッフには、途上国の社会問題を解決したいという人も、ものづくりに関心が強い人もいるが、共通しているのは「個人の人生の目的や価値観と組織の理念が重なっていること」だ。

 

その重なりを見るために、たとえば中途採用では、志願者のプライベートな部分まで深く聞いているという。

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