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公開日: 2021/6/23(水)

「同質性の高さ」がもたらす価値と課題――クイズ王伊沢拓司と考える「理想のコミュニティ」(前編)

公開日: 2021/6/23(水)
公開日: 2021/6/23(水)

「同質性の高さ」がもたらす価値と課題――クイズ王伊沢拓司と考える「理想のコミュニティ」(前編)

公開日: 2021/6/23(水)

多くの人が所属した経験を持つコミュニティ「学校」。その同質性の高さゆえに生まれるカルチャーや育まれる能力もある一方で、そこで醸成された価値観が、ときにコミュニティ以外の場において摩擦や課題を生むこともある。

 

今回はYouTubeチャンネル『QuizKnock』や数々のメディア出演などで「クイズ王」としておなじみの伊沢拓司さんと、リディラバ代表の安部敏樹が対談。前編では、学校というコミュニティがもたらす価値や課題、コミュニティにおける多様性について語った。
 

※本記事の取材は「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた2021/5/12のライブ勉強会『リディ部1周年お祝いイベント 理想の学校を語ろう公開対談①』で行われました。リディラバジャーナルの取材の様子は「リディ部」でご覧いただけます。

 

<伊沢拓司さん>
私立開成中学校・高等学校、東京大学経済学部卒業。中学時代より開成学園クイズ研究部に所属し開成高校時代には、全国高等学校クイズ選手権史上初の2連覇を達成。林先生の教え子でもある、東大の知識モンスター。2016年に立ち上げたwebメディア『QuizKnock』で編集長を務め、YouTubeチャンネル『QuizKnock』の動画への出演や企画などを行う。現在は(株)QuizKnock CEO。著書に『勉強大全 ひとりひとりにフィットする1からの勉強法』(KADOKAWA)、『思考力、教養、雑学が一気に身につく! 東大王・伊沢拓司の最強クイズ100』(KADOKAWA) などがある。

開成という「同質性の高いコミュニティ」がもたらす価値

 安部敏樹  伊沢くんは開成中学・高校から東京大学へ進学してると思うんだけど、開成ってどんな場所だったんですか。

 

 伊沢拓司  まず、開成の良いところは「努力を絶対善」としていて、頑張りを認めてくれるところ。これは教育という面ではすごく良いことだと思っています。同級生を見ていても、まっすぐな人が多いと感じますね。

 

自ら目的を見つけて努力していくことができる人になるし、努力に強いからそこで結果も出せる。卒業後の進路も、なかには自分の意思で「大学に行かない」という選択をする人もいます。

 

あとはなんでも選挙で決めたり、細かく議論をしたりしてものごとを決めていくので、気持ちいいくらい色々なことがうまくいくところも「開成らしい」と言えるかもしれません。

 

たとえば、毎年5月に運動会があるのですが、高校3年生が仕切るのが通例なので、2年生の時点で役職選挙を始めて、10月ごろには各クラスの役職者が決まるんです。そこから、細かいルールを決めたり先生たちとの調整をしていったりする。

 

そのために審議委員会というものを開くのですが、事前に議案を提出したり、質問を通達しておいたりするなど、徹底した準備のうえでやっていました。

 

運動会の練習や本番でも、儀礼化されている文化や細かい法令が審議委員会で決まっているので、それに沿うことでスムーズに進むんです。
 

 安部  すばらしい環境ですね。

 

 伊沢  ただ、長年の伝統があり、人数規模もちょうどいいからこそうまくいっているところはあると思います。あとは、前提として「努力の論理」がきちんと共有されているから、原点思考がしやすく、細かく説明する必要がないというところもありますし。

 

それが当たり前だと疑わずに過ごして外へ出ていくことになるというのは、開成というコミュニティが持つ悪いところでもあるかもしれません。擬似的なビューロクラシーに慣らされてしまう。

 

 安部  「論理的に話せばわかる」「みんなが主体的に参画し努力する」ことが前提の開成というコミュニティでは何の問題もなくできていたことが、そこから一歩出ると、そのやり方ではうまくいかないこともあると。

 

(写真 安部敏樹)

 

 伊沢  「努力が絶対」という同質性のなかで成り立っていることを見落とし、批判的な検証がなされないまま「このシステムこそ最強だ」と思い込んでしまうのは、問題かもしれません。

 

もちろん開成に通っていても、他校の生徒とは部活動やバンド活動などで関わったりすることはあるので、ほかのコミュニティに触れる機会がないわけではないんですね。

 

僕自身のことでいえば、中学3年生のときから社会人のクイズサークルに参加していたので、開成以外の世界も知っていたほうではあると思います。

 

ただ、外の環境は知っているけれど、圧倒的に学校や仲間へのコミットメントの時間が長いので、やっぱり「自分たちの学校は最高だ」というふうになりがちなんですよね。

優れたコミュニティに属することで生まれる課題

 安部  伊沢くんもそうだけど、開成出身者は東京大学に進学する人が多いですよね。開成出身者の東大生に、特徴のようなものはあると思いますか。

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CONTENTS
intro
ホームレス
no.
1
no.
2
若年介護
no.
3
no.
4
奨学金
no.
5
no.
6
差別
no.
7
no.
8
観光
no.
9
no.
10
子どもの臓器提供
no.
11
no.
12
都市とコロナ
no.
13
no.
14
ICT教育
no.
15
no.
16
産後うつ
no.
17
no.
18
宇宙
no.
19
no.
20
戦争
no.
21
no.
22
人工妊娠中絶
no.
23
no.
24
緊急避妊薬
no.
25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
no.
27
no.
28
社会起業家
no.
29
no.
30
海上自衛隊
no.
31
no.
32
プロジェクト
no.
33
ソーシャルビジネス
no.
34
教員の多忙化
no.
35
no.
36
性的マイノリティ
no.
37
no.
38
出所者の社会復帰
no.
39
no.
40
ワクチン
no.
41
no.
42
薬物依存
no.
43
no.
44
性の悩み
no.
45
no.
46
リブランディング
no.
47
no.
48
少年犯罪
no.
49
no.
50
学校教育
no.
51
no.
52
LGBT
no.
53
no.
54
スロージャーナリズム
no.
55
no.
56
ソーシャルセクター
no.
57
no.
58
教育格差
no.
59
no.
60
メディア
no.
61
大人の学び
no.
62
no.
63
地方創生
no.
64
no.
65
家族のかたち
no.
66
no.
67
他者とのコミュニケーションを考える
no.
68
no.
69
地方創生
no.
70
no.
71
地方創生
no.
72
no.
73
非正規雇用と貧困
no.
74
no.
75
他者とのコミュニケーションを考える
no.
76
no.
77
家族のかたち
no.
78
no.
79
他者とのコミュニケーションを考える
no.
80
no.
81
地球温暖化対策
no.
82
no.
83
就労支援
no.
84
no.
85
1年の振り返り
no.
86
no.
87
動物との共生
no.
88
no.
89
行政のデジタル化
no.
90
no.
91
温暖化対策
no.
92
no.
93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
no.
96
no.
97
動物との共生
no.
98
no.
99
温暖化対策
no.
100
no.
101
組織論
no.
102
no.
103
キャリア
no.
104
no.
105
復興
no.
106
no.
107
コミュニティナース
no.
108
no.
109
MaaS
no.
110
no.
111
地球温暖化
no.
112
セックスワーカー
no.
113
no.
114
感染症とワクチン
no.
115
no.
116
大学生の貧困
no.
117
no.
118
温暖化対策
no.
119
no.
120
同性婚
no.
121
no.
122
フェアトレード
no.
123
no.
124
シェアハウス
no.
125
no.
126
飲食業
no.
127
感染症とワクチン
no.
128
no.
129
国際報道
no.
130
no.
131
社会的養護
no.
132
no.
133
認知症
no.
134
no.
135
入管法
no.
136
no.
137
国際問題
no.
138
no.
139
コミュニティ
no.
140
no.
141
コミュニティ
no.
142
no.
143
コミュニティ
no.
144
no.
145
吃音
no.
146
no.
147
コンサル×社会課題解決
no.
148
no.
149
いじめ
no.
150
no.
151
社会課題×事業
no.
152
no.
153
社会課題×映画
no.
154
no.
155
感染症とワクチン
no.
156
no.
157
社会教育士
no.
158
no.
159
山岳遭難
no.
160
no.
161
支援者支援
no.
162
no.
163
いじめ
no.
164
no.
165
ゲーム依存
no.
166
no.
167
トランスジェンダーとスポーツ
no.
168
no.
169
うつ病患者の家族
no.
170
no.
171
パラスポーツ
no.
172
no.
173
代替肉
no.
174
no.
175
弱いロボット
no.
176
no.
177
戦争継承
no.
178
no.
179
女性の社会参画
no.
180
no.
181
子どもの居場所
no.
182
no.
183
感染症とワクチン
no.
184
no.
185
デジタル社会
no.
186
no.
187
若年女性の生きづらさ
no.
188
no.
189
ゼブラ企業
no.
190
no.
191
多胎児家庭の困難
no.
192
no.
193
ソーシャルイノベーション
no.
194
no.
195
ジェンダー
no.
196
no.
197
毒親
no.
198
no.
199
葬儀
no.
200
no.
201
感染症とワクチン
no.
202
no.
203
子どもの安全
no.
204
no.
205
優生思想
no.
206
no.
207
感染症とワクチン
no.
208
no.
209
障害
no.
210
no.
211
水産資源
no.
212
no.
213
教育格差
no.
214
no.
215
障害と性
no.
216
no.
217
医療
no.
218
no.
219
シングルマザー
no.
220
no.
221
多文化共生
no.
222
no.
223
誹謗中傷
no.
224
no.
225
児童労働
no.
226
no.
227
不登校
no.
228
no.
229
政治
no.
230
no.
231
食料危機
no.
232
no.
233
お金と社会課題
no.
234
no.
235
震災
no.
236
no.
237
まちづくり
no.
238
no.
239
精子提供
no.
240
no.
241
選挙
no.
242
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
243
クラウドファンディング
no.
244
レイシャルプロファイリング
no.
245
子育てと科学的根拠
no.
246
高齢者雇用
no.
247
介護
no.
248
no.
249