公開日: 2021/10/12(火)
更新日: 2023/3/27(月)

市場価値の追求だけが目指すべき姿ではない――「利益」と「社会貢献」の両立を目指すゼブラ企業(前編)

公開日: 2021/10/12(火)
更新日: 2023/3/27(月)
公開日: 2021/10/12(火)
更新日: 2023/3/27(月)

市場価値の追求だけが目指すべき姿ではない――「利益」と「社会貢献」の両立を目指すゼブラ企業(前編)

公開日: 2021/10/12(火)
更新日: 2023/3/27(月)

「ゼブラ企業」がにわかに注目を集め出している。


利益のみを追求する考え方とは一線を画し、持続可能な範囲で成長し、利益の先によりよい社会を生み出すことを目的とするゼブラ企業。


この認知を広め、ゼブラ企業に対する投資や経営支援を行うことで「ゼブラ経営」の社会実装を目指しているのが陶山裕司さんだ。今回は陶山さんに、そもそもゼブラ企業とはどういうものなのか、詳しく伺った。

 

※本記事の取材は「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた2021/9/22のライブ勉強会「100年続く持続可能なビジネスとは〜ゼブラ企業のあり方から考える〜」で行われました。リディラバジャーナルの取材の様子は「リディ部」でご覧いただけます。

 

<陶山祐司さん>
Zebras and Company 共同創業者 / 代表取締役。
(1) 社会課題解決と事業成長の両立、(2)株主のみならずステークホルダー全体への貢献、(3)短期的な時価総額向上よりも長期的な価値創出拡大を行う「ゼブラ企業」の普及拡大に取り組む。
元々は経産省で3.11を踏まえたエネルギー政策見直し、電機メーカーの競争力強化を担当。その後、VC/新規事業のコンサルタントとして、100億超の資金調達をした宇宙開発ベンチャーやIoTベンチャーの事業戦略策定、資金調達、サービス開発、営業の支援や政策提言等を実施。2018年に独立し、SIIF(社会変革推進財団)におけるインパクト投資の促進や、ガバメント・リレーションズの普及に従事。2021年にZebras and Companyを共同創業。

「ユニコーン企業」と「ゼブラ企業」

近年のビジネス界で注目を浴びてきたのは、「ユニコーン企業」と呼ばれる「時価総額10億ドル以上の未上場のスタートアップ」だ。


スタートアップ企業の動向を調査・分析する米CBインサイツによれば、2021年9月時点で世界にはアメリカ・中国を筆頭に800を超えるユニコーン企業が存在。日本ではスマートニュースやSmartHRなど、6社が該当する。
 
政府も2020年の成長戦略で「2025年までにユニコーン企業を50社創出する」との目標を示し、スタートアップ支援に力を入れる。
 
ユニコーン企業は「投資家へのリターンを最大化するために、市場を独占し、とにかく自分たちの時価総額を高くしようと考えがちです」と陶山さんは話す。

 
一方、ユニコーン企業のアンチテーゼとして、アメリカの4人の女性起業家によって提唱されたのが「ゼブラ企業」だ。
 
「たとえば日本でもそうですが、シリコンバレーなどでも顕著なのが、投資する側もお金を受け取る起業家もほとんどが男性ということです。
 
アメリカでは白人男性にとにかくお金が集まりやすい構造があります。そして彼らが短期的で爆発的な成長を目指し、低い成功確率の中、ハイリスクハイリターンの事業に挑戦します。
 
そのような金融やスタートアップの仕組みがいかにおかしいかということを、2016年に女性起業家たちがブログに書いたところ世界中でバズったんです」
 
想像上の生き物であるユニコーンに対し、あくまで実在し、黒と白という対極のカラーを身にまとうゼブラ。その姿に「地道な経済成長」と「社会貢献」の両立を目指す企業の姿を重ね合わせた。

 

(写真AC)

 
共感の輪は草の根的に広がっており、現在、世界中に2万人ほどのコミュニティがあるという。
 
陶山さんは、ゼブラ企業には明確な定義はないものの、共通の特徴があると指摘する。

 

「一つ目は、まずは経済的な成長ではなく『こういう社会をつくりたいという思いが目的としてある』こと。利益はあくまで手段で、その先に目指すべき社会的価値があるんだという思いです。
 
次は『お金だけで成長できる企業ではない』ことです。たとえば、SNSなどはネットワーク効果が効くため、『お金で時間を買う』という発想が必要で、早い段階で大きな資金投下をできるか否かが競争力を左右します。
 
しかし、たとえば農業ではいくらお金を投入しても、作物が取れる回数が劇的に増えることはありません。人材育成だってお金だけではなく、時間をかけないと難しいですよね。
 
そして、三つ目の特徴が『株主だけではなく従業員や取引先、地域の人々などを包摂した長期的でインクルーシブな経営姿勢を掲げている』こと。最後に『ビジョンが共有され、行動が一貫している』ことです」

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若年介護
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ICT教育
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産後うつ
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宇宙
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21
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人工妊娠中絶
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緊急避妊薬
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25
no.
26
テロリスト・ギャングの社会復帰
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29
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67
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68
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69
地方創生
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70
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71
地方創生
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72
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74
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他者とのコミュニケーションを考える
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76
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77
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他者とのコミュニケーションを考える
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90
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91
温暖化対策
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92
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93
動物との共生
no.
94
no.
95
地方移住
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96
no.
97
動物との共生
no.
100
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101
温暖化対策
no.
102
no.
103
組織論
no.
104
no.
105
キャリア
no.
106
no.
107
復興
no.
108
no.
109
コミュニティナース
no.
110
no.
111
MaaS
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112
no.
113
地球温暖化
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セックスワーカー
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115
no.
116
感染症とワクチン
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117
no.
118
大学生の貧困
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119
no.
120
温暖化対策
no.
121
no.
122
同性婚
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123
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124
フェアトレード
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125
no.
126
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127
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128
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129
感染症とワクチン
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130
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131
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132
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133
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134
no.
135
認知症
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136
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137
入管法
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138
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139
国際問題
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140
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141
コミュニティ
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142
no.
143
コミュニティ
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144
no.
145
コミュニティ
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146
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147
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148
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149
コンサル×社会課題解決
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150
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151
いじめ
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152
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153
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154
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156
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157
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158
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160
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山岳遭難
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162
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163
支援者支援
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164
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165
いじめ
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166
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ゲーム依存
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168
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169
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170
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171
うつ病患者の家族
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172
no.
173
パラスポーツ
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174
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175
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no.
176
no.
177
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178
no.
179
戦争継承
no.
180
no.
181
女性の社会参画
no.
182
no.
183
子どもの居場所
no.
184
no.
185
感染症とワクチン
no.
186
no.
187
デジタル社会
no.
188
no.
189
若年女性の生きづらさ
no.
190
no.
191
ゼブラ企業
no.
192
no.
193
多胎児家庭の困難
no.
194
no.
195
ソーシャルイノベーション
no.
196
no.
197
ジェンダー
no.
198
no.
199
毒親
no.
200
no.
201
葬儀
no.
202
no.
203
感染症とワクチン
no.
204
no.
205
子どもの安全
no.
206
no.
207
優生思想
no.
208
no.
209
感染症とワクチン
no.
210
no.
211
障害
no.
212
no.
213
水産資源
no.
214
no.
215
教育格差
no.
216
no.
217
障害と性
no.
218
no.
219
医療
no.
220
no.
221
シングルマザー
no.
222
no.
223
多文化共生
no.
224
no.
225
誹謗中傷
no.
226
no.
227
児童労働
no.
228
no.
229
不登校
no.
230
no.
231
政治
no.
232
no.
233
食料危機
no.
234
no.
235
お金と社会課題
no.
236
no.
237
震災
no.
238
no.
239
まちづくり
no.
240
no.
241
精子提供
no.
242
no.
243
選挙
no.
244
アロマンティンク・アセクシュアル
no.
245
クラウドファンディング
no.
246
レイシャルプロファイリング
no.
247
子育てと科学的根拠
no.
248
高齢者雇用
no.
249
介護
no.
250
no.
251