no.
141
国際問題
2021/6/11(金)
貧困の連鎖から脱却するために必要なこと――若きアントレプレナーが見たサブサハラ・アフリカ(後編)
2021/6/11(金)
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141
国際問題
2021/6/11(金)
貧困の連鎖から脱却するために必要なこと――若きアントレプレナーが見たサブサハラ・アフリカ(後編)
2021/6/11(金)

前編では通称サブサハラ・アメリカと呼ばれる国々の現状に触れたが、特にガーナ国内の貧困の格差は根強く残っている。
 
世界銀行によると、2016年時点の国内の貧困率は、首都がある地域では5.2%にとどまる一方、北部の農村地帯では45.2%となっている。 
 
現地で小規模農家向けの事業を営む牧浦土雅さんは、その原因の一つに「教育の格差」があると訴える。都市部に比べ農村部の就学率が低いことが、農村に支援が行き届かず、貧困から抜け出せない仕組みが変わらない要因となっているという。
 
後編では、なぜ農村地帯での教育が進まないのか、リディラバ代表の安部敏樹と対談。新型コロナウイルスの影響で海外に行く機会が減少する中での国際協力の意義や、牧浦さんの事業の今後の展望についても聞いた。
 

※本記事の取材は「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた2021/3/4のライブ勉強会『【国際問題を自分ごとにVol.1】「援助」は途上国を豊かにするのか〜理想論で終わらせない国際協力〜』で行われました。リディラバジャーナルの取材の様子は「リディ部」でご覧いただけます。

 

<牧浦土雅さん>
Degas株式会社 代表取締役。2012年以降、東アフリカはじめ5ヶ国以上(ルワンダ、インドネシア、フィリピンetc)に住み、オンライン教育からヘルスケアまで幅広い事業を立ち上げる。国連と共同開発した人工衛星解析サービス“Next Space”の代表も務める。第28回国家戦略特別区域諮問会議に出席し、サンドボックス特区創設を首相・関係閣僚に、カルロス・ゴーン日産自動車会長(当時)らと共に提言。Wedge誌『平成から令和へ 新時代に挑む30人』等に選出。趣味は能楽と農学。 

格差を生み続ける 「貧困な教育」

 牧浦土雅  貧困問題に関しては、とにかく教育水準を上げていくことが一番大切なことだと思っています。現地では「時間を守らない」とか「借りたものを返さない」とか、さまざまな課題がありますが、それはそもそもの基礎教育がなってないからだというところがあります。 
 
農村では「村長の長男だけが唯一高校を出た」とか、都市部との格差も大きいです。教育水準が低いと返済の話ができなかったり、新しいことにチャレンジしなくなったりする。
 
たとえば、我々はとうもろこしの生産量を上げるため、輸入した種を農家に提供しているのですが、2020年は干ばつで全然雨が降らなくて、収穫量が下がってしまった。 
 
雨が理由なのに、農家からすると「お前たちのせいだ」となるわけですよ。そういう間違った固定概念みたいなのが結構あります。 
 
彼ら彼女らの考えを教育を通じて変えていくのは大変です。ただ、国として見たときに、比較的教育水準の高いルワンダは、人件費は高いけれども良質な人材が生まれている側面があります。

 

 安部敏樹  とはいえ、現状としては「そもそも現地に学校がない」ということもありますよね。 

 

(写真 安部敏樹)

 

 牧浦  「学校をつくることが最優先課題なのか」という話はあると思います。 
 
現地では、親御さんが農家で、子どもは収穫とか種まきのときに一か月ぐらい手伝わなきゃいけないというケースがとても多い。これがいわゆる「児童労働」と世界中のNPOからバッシングされています。でも、親御さんたちもさせたくてさせてるわけじゃないんです。 
 
現地の人はみんな、「3食きちんと食べられて、子ども全員が大学に行けて、家族が幸せになる」という希望を言います。 
 
ただ小学校すら卒業できなくて、親の手伝いをしてそのまま農地も引き継いで、農家でやっていくという負のサイクルがあるので、これを脱却しないといけません。 
 
それを考えると「所得水準の底上げ」が急務です。我々としては、まず自助的で持続的なモデルを現地でつくって落とし込むことが大事なのではないかと思っています。

海外への関心で生まれる主体性

 安部  国際協力の話をすると、「日本だってこんなに問題あるんだから、寄付するのではなくそちらにお金を使うべき」という批判がよく出ますが、それについてはどう思われますか。

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