

現在の日本では、20歳未満の少年犯罪に対しては刑法ではなく「少年法」が適用される。少年法では、処罰をくだすよりも、将来犯罪ないし非行を行わないように、少年の更生や健全な育成を重視する。
しかし、2022年4月に施行される改正民法の成人年齢引き下げにともなって、少年法の適用年齢の引き下げなどの検討がなされてきた。
少年による凶悪な事件が起きると厳罰化が叫ばれるが、果たして厳罰化によって私たちの社会は安全になるのだろうか。犯罪心理学や臨床心理学を専門とする、筑波大学教授の原田隆之さんに話を聞いた。
※本記事は、「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」で行われた7/22のライブ勉強会「少年法の適用年齢引き下げは私たちの社会を安全にするのか?」の内容をもとに記事化した前編です。リディ部について詳しくはこちら。
<原田隆之さん(筑波大学教授,東京大学客員教授)>
筑波大学教授、東京大学客員教授。博士(保健学)。専門は、臨床心理学、犯罪心理学、精神保健学。法務省、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)勤務を経て、現職。エビデンスに基づく依存症の臨床と理解、犯罪や社会問題の分析と治療がテーマです。疑似科学や根拠のない言説を排して、犯罪、依存症、社会問題などさまざまな社会的「事件」に対する科学的な理解を目指します。主な著書に「痴漢外来:性犯罪と闘う科学」「サイコパスの真実」「入門 犯罪心理学」(いずれもちくま新書)、「心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門」(金剛出版)。
筑波大学教授、東京大学客員教授。博士(保健学)。専門は、臨床心理学、犯罪心理学、精神保健学。法務省、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)勤務を経て、現職。エビデンスに基づく依存症の臨床と理解、犯罪や社会問題の分析と治療がテーマです。疑似科学や根拠のない言説を排して、犯罪、依存症、社会問題などさまざまな社会的「事件」に対する科学的な理解を目指します。主な著書に「痴漢外来:性犯罪と闘う科学」「サイコパスの真実」「入門 犯罪心理学」(いずれもちくま新書)、「心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門」(金剛出版)。
少年法はどう変わるのか
そもそも少年法とはどのような法律で、どう変わるのか。
少年法では、20歳未満の少年による犯罪はすべて、家庭裁判所に送る仕組みになっている。そこで、保護観察や少年院送致などの措置が決まり、教育的な働きかけによって少年の更生を目指す。
しかし、殺人事件や傷害致死の場合、家庭裁判所が刑事処分相当と認めれば検察官に送致され、少年であっても成人と同様に公開の刑事裁判で刑罰が科される。原田さんはその経緯についてこう説明する。
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